仏教文化 2003/10/3 No. 1

10/3 授業の感想1号と回答

感想1号（総数 69）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

仏教文化の第一回目です．「仏教とは何か?」「仏教について知っていることを答えよ」と言われても，即座に答えが出なかった方が多かったようです．

仏教と聞いて思い出したのが、なぜがカルピスとガッチャマンでした。アジア文化論の時に先生が何回かガッチャマンについて力説していらっしゃった記憶があります。
　アジア文化論で習ったことをほとんど覚えていませんでした…ノートを探して、読んできます。
半期ですが、よろしくお願いします！（2年女子）
（よろしくお願いします．）

「宗教を超えた宗教」というところがよくわかりませんでした。仏教には、キリスト教やイスラーム教の神ように、絶対的な存在がないということなのでしょうか。では釈尊はどのような存在として捉えられているのでしょうか。アジア文化論で、仏教では形至上学的に考えることをしないで、輪廻そのものからの解脱をするとあったような気がします。そうすると、今日の講義であった、「何故自分は病になったか」というような疑問には、仏教ではどのような答え方・考え方をするのでしょうか。いろいろ考えていると、ごちゃごちゃしてきて、よくわからなくなってしまいました…。次回も楽しみにしております。（2年女子）
（焦らないでじっくりとお付き合い下さい．それから，「宗教を超えた宗教」という場合は，前者の「宗教」は形而上学バリバリのものを指し，後者の「宗教」は仏教を含めた広い意味で使われています．）

「諸行無常」って哀れってことかと思ってました。諸行無常が、全て一切のことは同じ状態ではないということで、仏教は諸行無常に始まり、諸行無常に終わるというのならば、仏教の教えもずっと同じではなく、時代や状況によっては変わるんでしょうか？　（2年女子）
（一部当たっていて，一部間違っています．まず，仏教の教えは一律ではなく，時と状況によって変わります．でも，教義の変化は仏教の本来的性格に根ざしたものであって，諸行無常とは直接関係ありません．それから，諸行無常は「全てのサンスカーラは同じ状態にない」という意味であって，「全てのことは同じ状態にない」ではありません．）

日本人に形而上学的な考えをしろというのは無理なのではないかと思いました。なぜ自分がこのように考えるのかはよくわかりませんが、日本人は宗教に冷たいような感じがします。あと、小乗仏教はなぜ差別用語なのですか？それと、諸行無常の“行”について説明していただけたら嬉しいです。（2年女子）
（「小乗仏教」と「行」については講義中に説明します．「日本人に形而上学的な考えをしろというのは無理なのではないか」との指摘ですが，例えば血液型占いなど，日本には理性や経験では説明のつけられない（＝形而上学的な）ものがたくさん氾濫していますよ．）

仏教というと輪廻転生が頭の中に浮かびます。祖母の葬式や四十九日の時に、お坊さんが生まれ変わりの話をされていたことをぼんやりと覚えているからです。小さいころから仏教に関わっているのに、仏教についてよく知りません。この講義で学びながら自分にとっての宗教を考えていきたいです。（2年女子）
（仏教にとって輪廻転生の観念が本質的か否かについても，この講義を通じて考えていって下さい．）

【机上の空論】
病院に、牧師さんがいるのと、お坊さんがいるのでは確かに印象は違いますよね。
牧師さんというと、不安や悩みを聞いてくれて、(的確な？)アドバイスをするようなイメージがありますが、お坊さんの場合はすぐ葬式などに結びついてしまいがちです。そうなれば、病院にお坊さん＝不吉、って思われますよね。私もそう思います。
あ。もしかすると、格好(つまり、服)は悪いのでは。
お坊さんは黒や紫の服に金の袈裟。一方で牧師さんは白い服でも似合ってますよね。
病院＝白衣＝白。お坊さんが、遍路さんのように白い服で「○○さん、お悩みはありませんか？」のようにケアしてたら、少しは印象がかわるかもしれません。（2年男子）
（お坊さんも下には白衣（はくえ）を着ているんですけどね．「牧師さんというと、不安や悩みを聞いてくれて、(的確な？)アドバイスをするようなイメージがあります」って言われるのは，結構キツイなぁ．）

先生が今授業の中でお話されているのは仏教の本来の概念ですよね？私たちが現在実際に接している仏教の教理とは端々がかなり違うような気がします。輪廻や解脱の観念は同じだと思いますが、日本の仏教はなぜあんなに宗派がいっぱいあるのか、なぜ菩薩やら観音やらやたらと神様がいるのか、解せない点が多いです。この授業ではそんな疑問が解決することを期待しています。（2年女子）
（きちんと解決しますのでしっかりと受講してくださいね．）

形而上的問題の解決に宗教は多大な影響力を及ぼすと思う。しかし仏教の場合は若干ほかの宗教とは異なっているように思った。現世に不幸が訪れる理由は前世の自分の行為に問題があるという輪廻転生の下で、仏教では解決に至っているように思われる。（2年男子）
（実は，そうではないんです．）

地球上の様々な疑問を形而上学的に考えようとする。これらの疑問を人々は宗教に答えを求めようとする。そして宗教というあいまいな答えでなぜか納得し、片付けてしまっている。だから人間は宗教を必要としているのだということが分かりました。聖書を読んだことがあったので宗教であらゆる疑問を強引に解いていくという感じはよく分かりました。仏教ではそのような疑問にどのように解決されていくのか。講義が楽しみです。（2年女子）
（「宗教というあいまいな答え」という部分がよく分かりません．少なくとも講義中に私がそのように説明したことはなかったはずです．）

自分はなぜここにいるのか、といった疑問に人間は必ず直面する。しかしこの疑問に対しての明確な答えは出てこない。だから人々は宗教というものを信仰することで、自分なりの信念や価値観を確立しているのだ。信仰はある意味、人間にとって必要不可欠なものであり、プラスの力を生み出すものかもしれない。日本の場合信仰心は薄いが、宗教に限らず、尊敬する有名人やなんらかの観念を、自分なりの信条としている人は多いと思う。（2年女子）
（要は何であれ，「プラスの力を生み出すもの」であればよいという考え方も成立するかも知れません．授業を通して検証していきたいと思います．）

仏教はイスラーム教やユダヤ教同様、宗教の枠に入るのかも知れませんが、私も「宗教を超えた宗教、宗教っぽくない宗教」という感じを受けます。なぜなら仏教には争いや血を見ることが全くないからです。日本は昔、仏教の各派の教えのことを宗教と定義していたようにやはり仏教は他の宗教と概念自体が違うように思います。（3年女子）
（「全くない」とは言い切れないのですが，キリスト教やイスラームのように，宗教が政治権力と結びついたり一体となったりして侵略や殺戮を行なうという例は，仏教には皆無であることは確かです．）

人間には宗教という心のよりどころが必要です。でもそれが原因で争いが起きたりするのはいかがなものでしょうか？私は宗教には興味を持っていますが、自分が信じているかと言ったら、そういう訳ではありません。でもここぞっていうとき、頼ってしまいます。身近にあるようで、ない。私にとって宗教ってそんなモノです。今まで仏教についてあまり理解できていませんでした。これから授業を受けてこの意識がどう変わっていくのか楽しみです。（2年女子）
（「ここぞ」というときに，悪意を秘めたモノに引っ掛からないようにして欲しいのです．）

ビッグバンがああいう意味だとは思いもしませんでした…子供がつけるようなネーミングだったとは…（2年男子）
（事実は小説より・・・　でしょう?）

私は日々の生活の中で、自分が何教徒であるとか意識したことはありません。だから、自分の家が仏教の何宗なのかもはっきりと分かりません。けれど、仏壇に手を合わせて何かを祈ったり、神頼みしたりすることはあります。信仰心が強い人も、あまりない人も多かれ少なかれ、神や仏の存在が心の拠り所になっているのではないかと思います。そして、宗教には良い方向にも、悪い方向にも人々の心を動かす力があると思いました。心の安定を得る一方で、争いを起こしたり、難しいなと思います。これからの授業で、仏教とは何か、また宗教とは何か、自分なりに考えてみたいと思います。（2年女子）
（おお，よい心掛けです! ）

「ガンになったのは神が命じたから」キリスト教ではこういう概念があると知り驚きました。「神が聖地というからエルサレムは聖地になる」というのも私の感覚ではわかりにくいところがあります。「神がそうしたから・・・」という考えを持たない仏教がほかの宗教の枠外にあるのは納得できる気がします。そういう考えを持たない仏教がどのように形而上学的な問題を解決しているのか興味があります。（2年女子）
（興味を持って学んでいって下さい．）

あまり宗教を身近に感じたことが無いですが、よくよく考えてみたら家に仏壇があったりして、気づいていないだけで実は身近にあります。日本では仏教が宗教の中心の一つです。仏教という言葉を聞くと違和感を感じますが、日本は仏教文化です。これからは講義の中で仏教が人々に何を与えているのかを学んで生きたいと思います。（2年男子）
（「違和感を感じ」るんですか?）

宗教は、「神」やそれぞれの宗教の考え方を信じている者にとっては大きな意味があるものだけど、そうではない者にとっては、「何か危ないもの」といった考えをどこかに持ってしまいます。しかし、本来の宗教は争いの種になるものではなかったと思います。仏教という一つの宗教を深く見ていくことで、自分の中で少しずつ分かっていくのではないかと感じました。仏教とは何か？という何だか漠然とした問いから、諸行無常や仏教と他の宗教との考え方の違いに入り、興味深い内容でした。（2年女子）
（よい着眼です．）

私の家では祖母が毎朝仏壇に向かってお経を唱えています。そして私もいつの間にか習ったのでもなく、お経が飛び飛びで唱えられる~~唱えれる~~ようになっていました。身近に仏教を感じてはいるけれど、仏教とは、と言われると大仏様やお数珠など漠然としたものが浮かんできて、思想や概念を説明することは出来ません。この授業で仏教の歴史や思想を学んでいきたいです。（2年女子）
（まさに「門前の小僧」ですね :-) よいことです．）

キリスト教・イスラム教などが哲学と切り離されているということを知って驚きました。宗教は哲学と一体であるのが当たり前だと思っていたからです。西洋における哲学などは宗教（キリスト教）の影響をまったく受けずに形成されたものなのでしょうか？または、意識的に宗教との関わりをなくして発展させようとしていたのでしょうか。（2年女子）
（キリスト教以降の西洋哲学は，それが有神論的であれ無神論的であれ，多かれ少なかれキリスト教を背景としています．ニーチェにしても「反キリスト教」というかたちでキリスト教を前提としているのです．）

仏教は日本文化の基盤であるにもかかわらず、日本人のほとんどは仏教の本質を知らないし、それ以前に「仏教とは何か」という疑問さえも感じていない人が多いと思います。私は日本人として日本のことを深く理解する必要があると思うので、「仏教とは何か」を見つけるこの講義がとても楽しみに思います。仏教は日本人の考え方、芸術、生活習慣に、そして言葉にも存在しています。今日の講義の「諸行無常」の意味は新たな発見でした。平家物語の冒頭で聞きなれた言葉ではあるけれど、これを「輪廻」に結びつけて考えたのははじめてでした。それから、私はどうもヒンドゥー教の内容と仏教の内容が混同してしまっているので、二つの宗教の共通する点と異なっている点を知りたいです。（2年女子）
（なぜ仏教は世界宗教になったのに，ヒンドゥー教はインド文化の枠を越えられないのか．答えはそこにあります．）

宗教をなぜ人が信じるのかということについて考えたことがありませんでしたが、人が悩むことについて答えをくれるからだと知って、なるほど！と思いました。私達の身の回りには考えてもみなかったことで、考えると発見があるものがたくさんあることを改めて感じました。それから、仏教とは何かと言われて思いつくものが自分の中に意外と少ないことにショックでした。実家ではわりと仏様を大切にしないといけないと小さな頃から育っていきましたが、仏教の中身をあまり分かっていないと思いました。仏教は日本人にはみじかな宗教であると思うし、講義をしっかり聞いて自分なりにちゃんと仏教とは何か理解していきたいと思います。（2年女子）
（初心貫徹で精進してください．）

私は仏教の幼稚園に通っていたので、仏教はとても身近に感じていました。しかし、今日の講義を通して私の知る仏教は表面的な一部分であり、本来の仏教の教えや本質に対しては無知だったなぁと思いました。高校で日本史を学ぶ中で、日本の歴史と仏教とは切り離せないものだなと感じたのを覚えています。あらゆる思想や芸術作品、文学、慣習にも仏教は強い影響を与え、現在に至るまでそれらを残していますよね。私の知らない仏教を知ることで、新しい仏教観が持てればと思います。ただ単純に、少し切ない語だなぁと思っていた「諸行無常」とは一体何なのか・・？次の講義が楽しみです！（2年女子）
（「諸行無常とは一体何か」　その答えはすぐには出ません．じっくりとお付き合いください．）

「私にとって仏教とは？」と考えてみても、簡単には答えを導き出すことができませんでした。”困った時の神頼み”という言葉があるように、私たちは日ごろ何も意識しなくても、気持ち的に神様という見たこともない存在にすがって生活している（したことがある）のではないでしょうか。仏教が私にとってどれだけのものかはまだわからないし、正直今まで深く考えたこともなかったけれど、この講義が私のイメージする仏教とどれだけ異なっていて、尚且つどれだけ魅力的な宗教なのか、とても興味があります。また、「自分はなぜここにいるのか？」と問われても、やはり答えは出せませんでした。だからこそ人間は宗教を信仰することで、自らを守ろうとしているのだと思います。もし宗教のない世の中だったら、今頃世界（人間）はどうなっているのでしょうか？そう考えると、なんだか怖くなってしまいます。（2年女子）
（あなたのみならず，皆さんの真っ当な意見に安堵しています．）

「なぜ人を殺してはいけないのか？」という質問に対する答え、私も「『殺してはいけない』から殺してはいけないんですよ。」と答えます。最近世の中おかしくなってきてますから、学校にいて先生方の講義に参加しているとほっとします。仏教をはじめ、さまざまな宗教が信仰されていますが、それらは最終的にあらゆる人々を幸福へと導くものだと思いたいです。幸福の形もいろいろだと思いますが、感情の波は激しくても、自分の内側（魂）は平穏であってほしいものです。初の講義でいろいろな考えが頭の中を突っ走りましたが、これからもっと悩んで考えて、できるだけ多くのことを吸収したいと思っています。（2年女子）
（吸い取っていってください．プシュー）

家に仏壇はないし、お盆だからといって墓参りもしたことがない私にとって、仏教と関わっている部分があるのかどうかは正直わかりません。しかし、今日の講義を聞いて、正式な形をとらなくても関わっていることが多いのではないかと思いました。生きている上でこれは仏教の考え方だな、などそれほど意識したことがなかったので今日の講義だけでもわたしにとっては発見が多かったように思います。言われてみれば「あっ、これも仏教の考え方なのかもしれない」と思えることが多かったような気がします。（2年女子）
（仏教は日本人の「背骨」の一部ですから．）

最近日本人(特に若者)の宗教離れが問題になっていますが、自分の身の回りを考えても、親も特に信仰しているわけでもないし、実家にも神棚も仏壇もなくほとんど宗教というものとの関わりがありませんでした。しかし先日祖父母が他界し、真言宗に関わりがあったことを始めて知りました。今日の講義で、仏教とは？という問いに対して「葬式」というイメージが出ていましたが、自分自身感じたばかりだったので共感しました。けれど、そのようなイメージは宗教に対して本来抱くべきイメージではないと思いました。また、死後の名前をお金を払ってつけてもらうということが、今生きている自分にとっては理解しにくいのですが、果たして大金でよりよい名前をもらうというのは正しいことなのでしょうか。（2年女子）
（戒名とお布施の問題ですね．この問題は「そもそも戒名とは何か」「お布施とは何か」まで遡って考えてみる必要があります．授業で取り上げることにしましょう．）

病気の人の所に牧師（神父）が来て励ますのは自然な感じがするが、お坊さんが来るとちょっと…、という話が、改めて考えると興味深いです。何故現代日本では、仏教というと死をイメージしてしまうのでしょうか。
心の拠り所となるのが宗教だし、鎌倉仏教が栄えた頃はちゃんと生きてる人のための教えだったと思うのですが。
仏教には色々な宗派がありますが、本来はどんな教えだったのか、一番身近（だと思う）宗教だけに、きちんと知っていきたいです。（2年女子）
（いろいろな原因がありますが，仏教が衰退していることだけは確かです．一緒に考えていきましょう．）

私の意識のオオモトのところには八百万の日本の神々と仏教があるような気がします。しかし、アジア文化論の講義をきいて、仏教とはこういうものだったのかと感動しました。さらに知りたいと思いこの講義を受講しました。
　「仏教とはなにか」という質問にたいして、前期のアジア文化論のノートを見返し、夏休みに停滞していた記憶をよみもどました。釈尊が説いた諸行無常を通して、形而上学的問題をどうやって答えを出したか、また仏教がどのように日本に到達して、それがどのようになっていくのかを知りたいと思います。　
　個人的には、自分はなぜここにいるのか、命は輪廻しているのかという問題について仏教がどのように考えているのかを知りたいと思います。はるか昔小学校の4年か５年のころに、突然「死んだらまた生まれ変わるのだろうか？　新しく生まれたら今の自分の意識はどうなるのだろうか？」と考えて、とても怖くなったことがありました。それ以来封印してある答えのヒントでも見つかればいいなと思います。ちなみに小学生の時は「たのしいムーミン一家」と「ムーミン谷の冬」という本を読むことで、恐怖を乗り越えました。（何故ムーミンが効いたのかは解りません。）
　授業でおっしゃっていた小林秀雄さんは「考えるヒント」の著者ですか。　（3年女子）
（そうです．彼が『無常といふ事』を著しています．
　あなたの疑問について，仏教には様々な解答（処方箋）が用意されています．）

一年ぶりに鈴木先生の講義を受けて「やっぱり興味深い内容だな」と感じました。昨年の講義でヒンドゥーのものの考え方を学び、自分とは異なる文化を知ることの面白さと新鮮さに興味を引かれました。今回の講義では、自分が生きている日本という土地に少なからず関わっている『仏教』について学べるので、こちらも大変楽しみです。宗教というものは、同じ名前を持っていてもその土地の文化や事情によって解釈が異なることもあると思っています。そういう違いを見るのも楽しそうですね。（2年女子）
（ご明察! ）

「私にとって仏教、あるいは宗教とは何なのか。」まだ明確な答えは見つかっていませんが、今は「身近には感じることが少ないけれど、感じることが少ないだけで、私の中ではきちんと息づいているものなのかな。」と考えています。仏教が私の心の拠り所なのは確かです。それに、アジア文化論Ⅰで習った“心の安心”を説いている毒矢の例えを思い出す度に、私は仏教徒なんだなと感じています。（2年女子）
（昨年の講義の内容をよく理解してくれていて嬉しいです (^^) ）

諸行無常という言葉が深い意味を持っているなんて思いませんでした。久しぶりの鈴木先生の授業でしたが、やはり楽しく感じました。先生のような仏教徒が増えれば現代の日本人の宗教離れを解消できるかも知れませんねぇ～o(^-^)o。
仏教というものはわれわれ凡人にはそう簡単には理解できないものであるように思います。しかしながら少しでも自分にとって仏教というものが何かをこの授業で見出していけたらいいなと思います。
（2年男子）
（人間は皆凡人ですから心配することはありません．人間が仏教を，宗教を伝えてきたのです．）

私は仏教とは（仏教に限らず宗教全てにいえると思いますが）、人間の心の拠りどころになるものだと思います。宗教は形而上学的問題に答えを与えてくれ、悩む必要がなくなるというお話がありましたが、私がもし重い病気になっても、それが神によって与えられた試練だと認識すれば苦しいながらも少しは心が救われます。宗教はある意味人間が心の安定を得るために生み出したものだともいえるのではないかと思いました。大半の日本人がそうだと思いますが、私も仏教をきちんと理解していません。実家には仏壇がありますが私の先祖がそこにいると考えられている理由も今日の授業を聴いて少し分かったような気がします。仏教がどういうものなのか、これから学んでいけるのが楽しみです。（2年女子）
（きちんと理解して帰ってもらいますぞ．）

初日から内容の濃いものを学んだ気がします。”宗教”という概念が、日本人と西洋の人の感覚が違うのは、なんか分かる気がします。私が聞いたことあるのは、外国では自己紹介をするときに、何を信仰しているのか聞かれる場合がある、ということです。日本では、ほぼ100パーセントないと思います。外国から来た言葉で日本語で的確に表しようがなくて、意味が微妙に違う言葉は他にもたくさんありますが、日本人の宗教概念の独特さが、そこからきているというのは初耳だったので興味深かったです。仏教が哲学でなく宗教なのだ、という理由が少し分かった気がします。それと、単純な質問なのにすごく考えさせられた質問で、殺人をしてはいけないという考えを持っているのはなぜか。というものがありました。私も、法律で禁止されているからという理由もあるだろうと思っていましたが、それを許す法律もあるという当たり前のことに気づかされ、不意をつかれた感じでした。普通に暮らしているときは殺人は憎むべきものでも、戦争のときは競ってやるもの、ほめられること…この矛盾を説明するのは難しいなと思いました。それと、イスラムとかヒンドゥーの人はとても強い信仰を持っているように目にうつるのですが、彼らが信仰を変えるときってあるのか、そしてあるとすれば例えばどんなときかが知りたいです。（3年女子）
（インドにおけるヒンドゥー→イスラームへの改宗は，経済的理由やカーストに基づく差別が理由となっていることが多いです．）

つい先日、我が家では法事がありお寺に行ったばかりで仏教との関わりを体験したばかりです。お経を聞いている最中になぜか輪廻について考おり、供養が上がると仏は祖先神という神になるという話を別の授業で聞いたことを思い出し、神になってしまえば輪廻はどうなるのだろう？と頭の中が混乱し結局考えをまとめることのできないままお経が終わってしまいました。（民族宗教と仏教の考えが混ざって混乱しているのだと思いますが・・・）こんな事を考えているとさまざまな方向に考えが飛んでしまい、お経の最中にまさに今日授業で出てきた形而上学的問題に突き当たっていました。幼いころよく鏡を見ては長い時間「なぜ自分はここにいるのか」ということを不思議に思い考えていた頃もありました。（今思うと変な子供だなぁと思いますが・・・）この形而上学的問題に自分では答えが出せず「なぜ、なぜ？」の繰り返しでした。この答えを導いてくれる宗教のうちの一つである仏教の「宗教を超えた宗教」「宗教っぽくない宗教」という言葉に強く興味を持ちました。他の宗教とは毛色の違うようなこの言葉を理解できるよう授業を受けようと思います。（2年女子）
（「なぜ自分はここにいるのか」を考えるのは極めて普通のことで，全然変ではありませんから安心してください．）

仏教とは何かという問いに対して言葉を詰まらせてしまった。自分がイメージとして持つ仏教とは今日の日本にある真言宗や曹洞宗など「座禅やお経を通して心の安楽を図るというものでしかなかったが、この講義で扱う仏教とはもっと根本的なもののようだった。で結局何なのか？と思ったところ、HP上に[仏教とは…]という項目があったので読んでみた。ひとりの人のものにしか目を通さなかったが、わかりやすいというか、そうかと思える点がいくつかあった。特に興味を持ったのはサンスカーラの必要不可欠さ。私は自身に対してよく矛盾というものを感じる。受け入れなければならない事実の存在を痛切に感じているにも関わらず、受け入れ切れないということなんて数え切れない程ある。『自分が認識している事物の姿と、事物のありのままの姿の間には必ず「ズレ」がある』という文には大変うなずかされた。そうであるにも関わらず、受け入れよう(受け入れたいと願う、といった方が自分には合っているかも)とする。それがサンスカーラだと記されていた。そのサンスカーラというものと自分の意識とに関連性を感じ、意外と自分に身近に思える仏教に(サンスカーラに)非常に興味を持った。今後の講義を通じて、自分というものも考えていけたらいいと思う。（2年女子）
（「仏教とは何か」を訪ねてみたとは関心，関心．あなたが読んだのは多分奥田くんの解答でしょう．）

仏教とは何か？といわれたら、何人かの人が答えているように私にとっても心のよりどころになるものだと思います。私は仏教徒なのですが、普段は少しも意識しないで生活しています。でも、何か不安になったときや悩みがあるときにすがってしまうのは仏教です。宗教が人々にとって心の支えになっているのは確かなことだと思います。個人的なことなのですが、私は家が仏教徒なので自動的に私も仏教徒で自分で仏教徒になることを選んだわけではありません。だからこそ仏教ってなんなんだろう？と考えてしまいます。この授業で少しでも仏教について理解できればなぁ、自分なりに何か発見できればなぁと思います。（2年女子）
（この講義が，他動的・他律的・受動的仏教徒から，自動的・自立的・自主的仏教徒になれるきっかけになってくれると嬉しいです．）

前期のアジア文化論に引き続き、とても楽しく講義を受けさせていただきました。私の親戚は代々神主をしていて、私自身も宗教に関してはとても興味があります。我が家の家系は神道ではありますが、実際のところ３年前に祖母が亡くなるまでそのことを知りませんでした。むしろ、私は仏教の方だと思っていました。幽霊が出そうな場所に行くと何故か心の中では「南無妙法蓮華経～・・・」と唱えていましたし・・。これが宗教離れの初期症状なのでしょうか。
ともかく、先生のお話を聞いて、今まで仏教に抱いていたイメージが少しずつ変わっていっているような気がします。もっと深い仏教の神髄を教えてください！（2年女子）
（宗教離れというより，お題目があなたの処方箋になっているのかも知れません．）

仏教をより理解するには、アジア文化論Ⅰも受講した方がいいと思いました。仏教はインドで生まれ、仏教を創めた釈尊はインド文化の中で生きていたということからすると、インド文化なしには仏教を語れないと思います。お節介なのかもしれないのですが、私が仏教文化を初めて受講した時の感動を沢山の人に感じてもらいたいと心の底から思っています。
私にとって仏教は、片寄りがちな自分の考えを冷静になって考えさせてくれるものです。サンスカーラの意味を初めて理解した時、私は涙が出ました。こんな風に世界を見ることができるのかと思ったら、解放たれた気持ちになりました。しかし、＜こんな風に＞というのはあくまでも自分の想像に過ぎないのですが…。
仏教を知ると、ものの見方が広がると思います！（4年女子）
（そうそう，広がります! 優秀な成績で履修済みなのに，興味を持って再聴講してくれるとは感謝です．）

【総評】あなたの知らない「仏教ワールド」にご招待いたします．毎回出席して講義をしっかり聴き，そしてじっくり考えていってください．（鈴木隆泰）

宗教文化研究（仏教文化）

アジア文化論研究室

suzuki AT ypu.jp