アジア文化論I／宗教学 2005/5/20 No. 4

5/20 授業の感想4号と回答

感想4号（総数 114名：県大生 85名，山大生 29名）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

今回はついに satya の謎解きをしました．

今回の講義は僕の興味をそそるものでした。ガーンディーは個人的にもすごく好きで人が出来ないことをやり遂げる人間の最も強い部分を見せてくれた人だと思っています。でも、まだ疑問に思っているのですが、ガーンディーが暗殺された後、暴動・反対運動は非暴力運動だったのですか？？（1年男子）
（質問が「対イギリス」という意味でなら，ガーンディー暗殺時（1948）にはインドはすでに独立していますから，暴動も反対運動も起こりませんでした．「インド対パキスタン」という意味でなら，それが「暴動・反対運動」という範疇で捉えることができるかどうかは難しいですが，両者は対立関係（対立の程度は様々です）を作ってきました．）

インドの人々がバラモンに抵抗することなく、ずっと服従し続けた理由が分かりました。アーリア文化初期頃の神様がおだてに乗りやすかったり、お金に癒着したりして人間ぽくて今一弱いので、バラモンのみが知るvedaで神々をおだて、願主の願いをかなえさせ、一般大衆に絶対な権力をバラモンが持ち続けたのですね。重要なのは、Veda には言ったとおりになる力＝satya があるということですね。宣言を実行しとおすことで、satyavacana となって、宣言した人の願いをかなえるという思想なのですね。この思想が今日まで、インド人の真理として刻み込まれているということは本当にすごいことだと思いました。ガーンディーがこの思想を持っていたから、ああいった非暴力・不服従運動を展開したのだと理解できました。そして、今のインドのスローガンが「satyam eva jayate = satya は絶対勝ち残る」というまでになっていることも少し理解できるような気がしました。（1年女子）
（よくできました (^^) ）

今回の授業でVedaの持つ威力としてbrahman(ブラフマン)がある、というお話がありました。前回の授業では、braahma.na(ブラーフマナ)とう家柄がある、というお話がありました。つづりが一緒で、発音も似ているのには、訳があるのですか~~あるんですか~~？（1年女子）
（ブラーフマナはバラモン（婆羅門）の原語で，「ブラフマンと関係する者，ブラフマンを備えた者」という意味です．婆羅門はVedaを独占し，言ったとおりにする力（＝ブラフマン）を備えていたためにブラーフマナと呼ばれたのです．）

satya は日本の言霊に似ていると思いました。しゃっべた言葉が力を持って、実現するという部分は satya の思想から来ているのだろうかと感じたのですが、どうでしょうか？（1年女子）
（この点は授業中に強調しておいたのですが，聞きそびれましたか? 両者に関係はありません．satya の影響を受けているのは「～断ち」です．ただ，日本文化が satya の影響を受ける背景・土壌に，ことばの持つ力に対する信仰があったことは事実です．）

今日の講義で一つ気になったのはスターウォーズのダースベーダーのベーダーは今日言っていた「veda＝知識」のvedaだと思うのですがどうでしょう？（1年女子）
（Darth Vader の Vader は，invader などの -vader ではないかと思うのですが．）

今回 satya とは何かが分かりました。それをバラモンたちは独占し階級制度がゆらぐことがなかったのですね。神が唯一絶対的なものではなく、バラモンに影響を受けるという考え方は私にとっては新しく感じました。
それとブッダの言ったことは必ず守るという説明を聞いて、なるほどと思いました。約束を守れそうにないときはきちんと断り、約束を守れそうなときは何もいわない。これは結構、合理的な方法だと思います。また、ガーンディーですが非暴力・非服従のsatyaagraha運動が根本から理解でき良かったです。（1年男子）
（下線部：必ずしも合理的とは言い切れません．真実のことばに対する信仰に裏付けられた宗教行為だからです．）

satya の意味がとうとう出てきましたね。現実になる言葉ですか。仏陀やガーンディーの例を出されて satya について説明されたのがとてもわかりやすかったです。なるほど、先生がインドの支柱の一つに satya があるとおっしゃられたのがわかりました。ちなみに別の見方をするなら【言った通りになる】→【未来を決定する】でバラモンは宗教ではおなじみの【預言者】に類するものとも考えられませんか？違う場合は先駆けて謝っておきます。申し訳ありません~~すいません~~。（1年女子）
（はずれ～ (^^;
　預言者は書いて字の如く「（神から）ことばを預かった者」の意味です．預言者のことばの無誤謬性（と信じられているもの）は神の権威に裏打ちされており，預言者本人の力ではありません．それに対してバラモンは「言ったとおりになる力（ブラフマン）を備えた者」なのです．）

バラモンなどの階級の話で出てくるのは、皆男の人のことなのですか？女性はどうなっていたのでしょうか。brahmanはvedaの言葉の持つ威力で、satya はvedaに限らず、言葉の持つ威力ということでしょうか？（4年女子）
（バラモンにも当然女性はいます．階級が「血統」である以上，男性だけでは血統は途絶えてしまいますからね．ただし，祭式を実行するのは男性です．
satya は「真実のことばの持つ威力」です．）

「言葉には力がある」ということが、とてもおもしろかったです。インドの方にとって、言ったことに責任を持つというより、どれだけ自分が願っているかを証明するという気持ちが強いのではないかと感じました。実行する、願う、叶うということが、曖昧で確率の低い行為でなく、絶対的なものなのだと思いました。（2年女子）
（「言ったとおりになる＝言ったとおりにする」ですから絶対的ですね．）

satya の精神は、今の自分にもいかせるような気がしました。ガーンディーの偉大さは、自分が思っている以上のような気がします。今ではインドと聞くとガーンディーを思い浮かべます。（2年男子）
（ (^^) ）

satya の力はやっぱりすごいのだなぁ。と今日の授業を受けて改めて思いました。また民衆は直接神にお願いをすることができないので民衆と神の間にいる「バラモン」もインドの文化には欠かせないものだとよく分かりました。真実ことばの持つ威力~~言った通りになる力~~＝satya に基づいた考えが古来の日本にあったということにもほんとに驚きました。現代の私達は軽はずみに口約束をしては堂々と破ってしまう傾向にありますが、もういちどきちんと見直さなければならない。とおもいました。（1年女子）
（この講義が「ことばを見直す機会」になれれば嬉しいです．）

先日図書館で本を借りたら先生と同じようなことが書かれてありました。インドでのカースト制度についてバラモンの自分にクシャトリアなのに口の利きかたがなってないと文句を言っていた女性にそれは差別にはならないの？と聞くと「人は自分の誕生を選ぶことができないでしょう。自分がどの階級に生まれるかは神の意志だから、人はその階級に応じた人生を送らないと、来世でもっと低い階級に生まれることになるのよ。でも身分相応に生きれば、来世では現世より上の階級に生まれることになるんだから、これは差別とは違います。」（『添乗員さん大活躍』，大庭かな子著，筑摩書房．）
　本当に浅い考えで差別だとか人の国の文化を言ってはいけないと思いました。今日の授業は内容がすごくおもしろかったです。自分でもいろいろ調べてみようと思いました。（1年女子）
（よい本を読みましたね :-)
　「自分に理解できないものは否定さるべきもの」という姿勢で異文化交流ができるわけがないのです．）

バラモンは神をも凌ぐ存在であり、絶対的な力を satya により保ったのですね。春日局のエピソードにも仏教による satya が関係しているとは驚きです。忌み名や忌み言葉など、人類は言葉が持つ不思議な力を昔から崇拝していたのですね。言葉の大切さを再確認できて良かったです。ガーンディーの映画はまだ見たことが無いので、心して鑑賞したいと思います。（1年女子）
（ことばには力があるんですよ (^^) ）

恐るべしsatya。satyam eva jayate は、何気に授業で聞いていましたが~~聞いていたけど~~、今改めて考えると、言葉にものすごい威厳とインドのパワーを感じます。先生が授業の初めに言われたように昔からずっと受け継がれてきたこれこそ‘文化’だと思います。（1年男子）
（そうです．それこそが文化なのです :-) ）

バラモンがヴェーダのもつブラフマンの力を使って神を支配下においているということを知ってとても驚きました。私にとって神というものに対するイメージはキリスト教的、絶対的なものでしたが、今回の講義で真理によって動かされるような神もいるんだと視野を広げることができました。また satya のことも今回の講義で理解できたと思います。私もガーンディー~~ガンディー~~のように satyavaadin になることができたらなぁと思いました。（1年女子）
（心がけて実行すればきっとなれますよ :-) ）

satya についてなんとなくですが理解できたように思います。
自分ルールなどは幼いころに無意識にやっていたのでそれがこの授業に結びつくとは思わなかったのでちょっと嬉しかったです。これからも自分ルールは実践しようかなと思いました。（1年女子）
（自分ルール，無理のない範囲で実践しましょう．）

satya は本当に凄いんだなと思いました。ガーンディー~~ガーンディ~~も satya を使っていたとは驚きでした。自分で言った事を実行するなんて、現代ではちょっと考えられません。今でも satya のような力はインドに存在するのでしょうか？改めてインドと言う国の凄さが分かった気がします。（1年女子）
（satya の力は今でも存在します．日本にもあります．）

バラモンは地位こそ高いものの、願主の願いを神に伝える、いわば両者の媒体にすぎないと思っていましたが、ヴェーダを保有し駆使することによって神をも支配してしまうなんて驚きました。satya について日本の言霊信仰を例に挙げておられましたが、前に本で言霊の「いみ名」について読みました。ある人のいみ名を使い、その人に何かを命令するとそのいみ名を呼ばれたひとはその通りのことをしてしまう･･･物に対しても言霊が宿り、大昔の巨大な創造物は大岩などを言霊で操って動かし、作り上げたのだという説もあるそうです。ピラミッドやストーンヘンジも実はそうなのでしょうか？satya は有言実行の精神とは別物ですか？「やらないと叶えられない」これは精一杯やっても失敗した時には成功する(叶う)まで satya を守り続けるということでしょうか？質問ばかりですみません。最後に「梵我一如」は、ヴァルナ制もしくはジャーティ制のルールは適応されないのですか？（1年女子）
（ピラミッドの工法はかなり研究が進んでいます．どうぞ調べてみてください．
　まずは，守れない宣言はしないというのが大事です．ただし，できると思って宣言したにも関わらず，やむを得ない事情で実行できないこともあるでしょう．そういうときは「やーめた」と宣言し直すのです．この停止宣言によって，先の宣言を satya とし，そこからパワーを得ることはできなくなりますが，新たに仕切り直すことができるようになります．
　梵我一如とヴァルナ・ジャーティ制に関する質問は，その意図がよく分かりませんでした．「ヴァルナ・ジャーティに関わらず，誰でもそうなのか」という意味なら，そのとおりです．ただし，その知識はバラモンが独占するヴェーダの中にありますから，結果としてバラモンだけがその恩恵（＝解脱）に浴することができます．）

ガーンディーの話は高校の世界史の授業でも、本当に基本的な事件名（塩の行進など）しかこれといって特に触れなかったので、あまり深くは習わなかった、そして自分でもそれ以上の興味を持ってガーンディーについて学習しようと思わなかった、ということを以前コメントボードに書き込みましたが、そのために今日聞いた、ガーンディーが暴動を鎮めるために断食をし、何度も命を危険にさらしたという話は、私に大きなショックを与えました。ガーンディーの気持ちになろうと思っても、とてもなれるものではありませんが、南アフリカ共和国で受けたアパルトヘイトという大きな差別がいかにガーンディーに影響を与えたのかということがわかりました。（1年女子）
（これを機会にガーンディーへの理解を深めていってください．）

ついにsatyaが明らかになりました。やはりsatyaは想像以上のものでした。さらに江戸時代の家光の話を聞いて、日本にもかなり昔にsatyaの精神が存在していたことに驚きました。そして、今の私にはsatyaの精神が必要だと思いました。自分が行動するすべてのことにおいて、生半可な気持ちで取り組んでも結局は何も得ることができず、それで終わってしまう。satya精神を学んだことによって今一度自分の生き方について考えさせられました。それにしても、ガーンディーは偉大すぎる人でした。（1年女子）
（彼が実在していた，というだけで私は「人間も捨てたものではない」と思ってしまいます．）

私の友人はサイババが大好きなのですが、先日インドの本を見ていたらサイババの名字？がサティアということを知り、とても驚きました。（1年女子）
（もともとシルディ・サイババという人がいて，今のサイババは「シルディ・サイババの生まれ変わりで，真実のサイババ」ということでサティヤ・サイババと名乗っているのです．
　余計なお世話かも知れませんが，教員として一言述べておきます．サティヤ・サイババの起こす「奇跡」が全てトリックであることが判明していますが，それはご存知ですか．それを知った上で楽しむのなら構いませんが，もしそうでないなら注意が必要かも知れません．）

初期ヒンドゥー教の神様は、とても人に褒められない様な行いもするというのは、私の持っている神様のイメージと全く違い、驚きました。また、インドの人は Satyaをとても大事にするという事で、日本人の社交辞令のような、守る気もない約束をする行為はインド社会では受け入れ難い事だろうなと思い、文化の違いを改めて感じました。（1年女子）
（ギリシャ神話はどうですか? 例えばディズニー映画でも有名なヘラクレス，彼は映画の中では冥界の王ハデスに追放されてしまうという筋ですが，実際の神話ではそうではありません．神話では，彼はゼウスと人妻との間に生まれた不義の子であり，そのせいでゼウスの妻ヘラのねたみをうけて天界を追われるのです．）

satyaの意味がやっと理解できました。家光の例を聞いたとき古くから日本にもsatyaが伝わっていた事に驚きました。他にも日本で有名なsatyaを使った例はありますか？
　インドの人は現在もガーンディー~~ガンディー~~のようにある事をするときにsatyaを使うのでしょうか？（1年女子）
（ガイ先生の「自分ルール」は駄目ですか (^^;
　修行者は今でも使っていますよ．）

satyaの力はすごいと思いました。そして、何気に私たちも、同じような考えを持っていたことに驚きました！でも、宣言してそれを実行しようとするとき、自分にとってきつい事を課すことが多いんですね。そのほうが、パワーを生むと考えられているんでしょうか・・・？（1年女子）
（その通りです．実現困難なことを宣言し，それを達成するからこそsatyaパワーが得られるのです．非喫煙者が煙草断ちをしても駄目だし，コーヒー嫌いの人がコーヒー断ちをしても駄目なのです．）

ずっとsatyaが気になってしょうがありませんでしたが、今日の講義を受けてすっきりしました。私も「～断ち」というのをやったことがありますが、無意識のうちにsatyaを守っていたのですね。他国との意外な共通点にびっくりしました。（1年女子）
（あなたもインドと繋がっているんですよ．）

satyaが「言った通りになる力」だとは、思ってもいなかったので、驚くと同時にすっきりしました。確かに、バラモンもその力があれば、神にも近い存在ですね。しかし、バラモンはさらに神よりも上の存在であるというのには意外です。バラモンが神よりも上というのは、バラモンがそうなるようにしていったからでしょうか。それとも自然とそのような考えが浸透していったのでしょうか。（1年女子）
（どちらの側面もあります．いずれにせよ，永年かけて熟成されていった思想です．）

今日の授業で神はバラモンの言うことに従わなければいけない、バラモンのもつvedaは神をも凌駕するという話をきいて驚きました。一般的に神というのは一番力を持つ存在とみなされると思うのですが、インドはインド独自の考え方があるのだと思いました。高校の時、英語の教材でガーンディーのことを習ったことがあるのですが、そのときにbrahmanやsatyaagrahaという単語が出ていました。ガーンディーの行動は、satyaに基づいていたものなんだとわかりました。高校生のときは何のことがあまりわからなかったけど、今日少しわかりました。でも、話が複雑で完全に理解したとはいえない段階なので、復習をして理解したいです（1年女子）
（よく復習しておいて下さい．）

satyaの例であげられた春日局やガーンディーの話では自分の命をかけてまで大切な人や国を守ろうという強い思いと覚悟がなければ、satyaは使えないし、そのことばを最後まで守り通すことはできないのだと思いました。今まではガーンディー＝非暴力、不服従の無抵抗運動くらいの知識しかなかったけれど、その裏にはsatyaの存在があってこその運動だったのですね。さらに、暴動が起こったとき、ガーンディーは断食をして自分の命をかけてsatyaのことばを守ろうとし、それを受けて民衆はガーンディーが死んでしまうからといって暴動をやめる。それほどまでガンディーは民衆に信頼されていたのだと思いました。satya文化とガーンディーへの信頼がなければ、イギリスからの独立はなかったのではないかと思いました。だからこそ、ガーンディーの映画を作るときにあれだけもの人々が参加したというのにも納得がいきました。
日本ではどんどん「ことば」が軽々しく使われるようになり、口約束だけでは正式な場では承諾されず、紙に書いて印を押してやっと正式な約束として承諾されています。しかし、インドでは今も尚、satyaの文化があり、「ことば」がとても重大なものとして使われているということを知り、過去にsatyaの力で独立を果たしたからこそ今も受け継がれているのではないかと思いました。（1年女子）
（お互いことばを大切にしましょう．）

satyaやブラフマンの話にとても感動しました。私がある本をきっかけに「ことばの力」をすごく意識するようになりました。私がこうなってほしいと思うことがあると、できるだけ言葉にして外に発しています。反対に起きてほしくないようなことは、考えたり、ことばにすることはしないようにしています。それで、私の生活や身のまわりのことはすごく良くなっていると思います。だから、今日の授業を受けて「これはちょっとしたsatyaなのかなぁ」と感じました。（1年女子）
（それは言霊信仰ですね．satyaとは別です．もちろん，あなたの信仰をとやかく言っているのではありません．ただ単にsatyaとは違う，ということだけです．）

今日の授業で初めてsatyaの意味が少しずつ見えてきました。確認させていただきたいのですが~~ちょっと確認なのですが~~、バラモンがvedaを唱えたとしたら、その効力がbrahmanで、その言葉によって表れる結果がsatyaと考えてよいのでしょうか~~いいんでしょうか~~？（1年女子）
（Veda のことばの持つ，思い通りになる・言ったとおりになる（satya）力のことをbrahmanと呼びます．）

言葉は意思を伝えるための道具のひとつだけれど、その使い方によって人を救ったり死へ追いやったりします。言葉は文化の中で意味をなす、ということにすごく納得しました。
satyaは3000年以上も変わらず流れていて、これからも「国境」なんかに関係なく流れていくと思います。（1年女子）
（そうそう，流れていきます (^^) ）

「satyam eva jayate：satyaは絶対勝つ」は、とても興味深かったです。数千年もの間揺らぐことのない、インドの人々の信念には大変驚かされます。また、サチャーグラハ運動は確か高校の教科書には載っていたと思うんですが、そこでは非暴力・不服従のサチャーグラハ運動でどうして独立を果たすことができたのかがわかりませんでした。しかし、インドの独立はsatyaというインド独特の思想があってこそ初めて達成できたのだと思いました。（1年男子）
（しかもそれを実践したところが凄いですよね．）

satyaの意味を勝手に‘来世’とか‘輪廻’といった系列の言葉だと思っていたので、少しびっくりしました。でも確かに私自身satyaの考え方をよくしていると思います。私はナルトの愛読者だったので（今はあまり読んでませんが）‘自分ルール’を作って修行しているロック・リーにはとても親近感を感じていました。「今落ちていっている葉っぱを地面につく前に全部ひろえたらサクラさんはボクのことをすきになってくれる。」というセリフはまさにsatya の考え方だと思います。
　どんなにプレッシャーのかかる立場にいてもガーンディーが独立まで民衆を引っ張っていけたのはやはりsatyaの力を信じきれたからだと思います。彼の信じる力をとても尊敬します。（1年女子）
（「自分ルール」，satyaそのものです．）

今回の授業でついにsatyaが分かりました。まだ、はっきり声に出して説明するまでには至りませんが、それでもなんだか感覚的に分かった感じがします。自分なりにもっと理解を深めようとノートを読み返したりしたのですが、考えれば考えるほどsatyaは日本の言霊信仰とよく似ていると感じられます。日本の言霊信仰とsatyaは何か関係があるのかな、などといろいろ想像してしまいます。また、ネットでsatyaについて少し調べてみたら仏教関係のところで「諦とはsatyaの訳で真理の意味。四諦とは仏教の実践的原理であり、苦諦・集諦・滅諦・道諦の四つ。」というような内容の文を見かけました。その文章は難しくてなかなか理解できませんでしたが、でも、satyaが日本の仏教に組み込まれているならば、私達日本人にも少しはsatyaが何かしらの影響を及ぼしているのかななどと思ったりもしました。（1年女子）
（上のほうでコメントしましたし，授業中にも言いましたが，satyaと言霊信仰は別です．言霊信仰は，ことばが勝手に力を持ってしまって現実化するという考えであるのに対し，satyaの場合は，（困難な）宣言を実現させた人に願いを叶える力があるという考えです．）

今日やっとsatyaの謎が解けました！！宣言した事を実行する事によって、真実となるという事は当然の事のような気がします。しかし、現代のように天気予報などあらゆる情報がなかった時代で、人間ではどうしようもない、自然の営みを変えてほしいと、願主に頼まれた時、バラモンはどうしていたのかが疑問です。きっと、予言が必ずしも真実にならない事もあったと思います。それなのに、satyaの思想が３０００年以上続いているという事は、人間の内部にある思考がsatyaの思想を求めている気がします。また、いくら宣言した事を実行する事によって真実となる事が当たり前だったとしても、ガーンディーの命を懸けた行動力や信念は計り知れないと思います。ガーンディーは、satyaを皆が信じている事を利用しただけで、大部分は、彼の命がけの努力がインド独立へと導いたのだと思います。この事から、satyaの思想を支えているのは、人間自身なのかもしれないと思いました。（1年女子）
（思想は文化ですから，当然人間が担い支えるものです．ご名答です．
　願主の願いが叶わなかった場合，多くのインド人は「頼んだ自分の側に何らかの落ち度があったのだろう」と考えます．）

現在のインドでも、バラモンの地位は高く、一般市民はバラモンを通してでしか神に祈ることができないのかどうか疑問に思いました。（1年女子）
（バラモンの地位が現在でも高いです．ただし，神への祈りはインド人全てに解放されました．もちろん，祭式の実施は依然としてバラモンの専権事項ですが，祈ることは誰にでもできます．初期ヒンドゥー教と現代のヒンドゥー教との大きな違いの一つです．）

satyaについて私はバラモンだけが保持している力で公言した事を実現してしまう事。つまり真実にしてしまう事。公言した言葉はsatyavacanaと必ず実現する。と理解したのですが、この解釈であっているのでしょうか？？（1年女子）
（違います．もしそうであれば，ガーンディーがsatyaの力を使うことはできなかったはずでしょう? ノートを持って研究室にいらっしゃい．）

Vedaについてよく分かりません。バラモンによって伝承され、また独占されているのはわかりますが、Vedaとは知識なんですか？（3年女子）
（「宗教的知識」「霊知」です．われわれの言う「知識」とは扱う領域が同じではありません．）

satya の正体をやっと知ることができてすっきりです。satya はとても意味深いものだなと思いました！インドでの言葉扱いは真実としかならないのですごいなと思いました。私も言葉を大事にしていかないと駄目だなと感じることができました。　又ガーンディー~~ガンディー~~がこんなにも素晴らしい人だったのかと驚きました。この授業を受けるまで抵抗運動をした人としか知識を持っていなかったが今奥深く知ることができてとても良かったです！！...バラモンの存在や神がどのような地位にいたのかも授業を重ねる度により理解することができたと思います。せっかく知ることができたので復習を頑張りたいです。satya は素敵な言葉だなと思いました。そしてガーンディー~~ガンディー~~の苦しみが伝わったからこそインドでもずっと続いているのかと思い改めてインドはものすごい国だなと思いました。（1年女子）
（インドはいろいろな意味で本当に「すごい国」です．）

今日の授業は今までの授業の中で一番面白いと思ったし、理解できた気がしたし、興味がわきました。
特に印象的だったのは、やはりガーンディー~~ガンディー~~の話でした。小学校や中学校でもガーンディーの話は何度か出てきたので、名前や『非暴力・不服従』という言葉は耳にしたことがありましたが、それは『殴られてもニコニコ笑って、耐えている』と理解していました。しかし、イギリスに従わず、抵抗していたと言うことを始めて知りましたし、そのガーンディー~~ガンディー~~の行動は、ヒンドゥー教のsatyaに基づいた行動だったことがわかり、話がつながった気がしました。
satya がインド文化にいかに浸透しているかも分かったし、ガーンディーという人物がいかに大きな存在であったかということも分かりました。
また、今日の授業では、話の例として『春日局』の例が出て、とても理解しやすかったです。
あと、satya はインド文化にも浸透してますが、日本の文化にもその精神は浸透しているし、『有言実行』という点からは、日々の私たちの生活のなかでも、重要なことだと思います。（1年女子）
（インドと日本は繋がっているのです．）

satya の意味を知って、偉大さを感じました。言った通りになることやそうすること、それは真実の言葉であって、その言葉に込められている意味の強さや言葉に対する信仰心、言葉の持っている力は偉大なものだと改めて感じました。日本語では有言実行と言う言葉に近いですか。
　日常生活においても発せられた言葉によって、元気が出たり楽しくなったり、あるいは傷ついたり、寂しくなったりします。言葉は人の心に大きな影響を与えるのだと思いました。　～断ちの話の例に挙げた三代将軍の家光とその乳母である春日局の薬断ちも satya なんだと理解しやすかったです。実際には乳母が薬を飲むか飲まないかということと家光の出世は関わりのないことであるけれど、乳母が薬断ちという satya を持ち、それを信じて貫き通すという乳母の意志の強さとともに、言葉＝vacanaの持っている力や言葉に対する乳母の信仰心を強く感じました。また、ガーンディーのsatyaagraha運動という言葉は知っていたのですが、非暴力・不服従というsatyaを持っているという意味なんだということまでは知らなかったです。なるほどと納得できました。知識が増えると同時に、深く知りたいと興味がわきます。satyaという5文字に込められていることをもっともっと知りたいと思いが強くなりました。 satyaな言葉は人の心や信念と強くつながって結びついているように思います。（2年女子）
（人を，そして自分を元気にさせることばを使いたいものですね (^^) ）

satyaってすごい！！と今日は感動してしまいました。先週、「バラモンが持っているsatyaの力に他の人は逆らえない」と先生がおっしゃっていた時は「なぜ？」と思っていましたが、今日それが明らかになってよかったです。言った通りになる（する）力･･･ちょっと宗教的なものを感じましたが、本当に素晴らしいことだと思います。「～断ち」の説明の時の家光、春日局の例えが非常に分かりやすかったです。ガーンディーが非暴力、不服従をしていたことは知っていました。しかし、それがsatyaだったとは！本当に驚きです。彼がこれを守り通し、satyaを信じるインド文化があったためにインドが独立したことも知りませんでした。インドの方にとってsatyaというのは本当に大きな位置を占めていたのですね。言葉には力があるということに今日改めて納得しました。もっとインドのことが知りたくなってきました！こんなにもインドに興味を持つとは思ってませんでした。（1年女子）
（きっとインドに縁があったんですよ．あなたも多分前世は．．．（以下略））

【総評】satya って凄いですよね．よく理解してくれた方が多くて頼もしいです．次回は業・輪廻・解脱を扱います．（鈴木隆泰）

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