5/13 授業の感想3号と回答
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アーリア人の侵入とインド古来の文化との関係を見ていきました.また,icon と idol との関係についても説明しました.
- satya っていったいなんなのだろう。早く知りたいです。政治権力も武力も持たないバラモンがなぜ長きに渡って、階級闘争を起こされることもなく最上位に君臨し続けることが可能だったか・・・
また、今日の授業で今までずっと不思議に思っていたことが、先生の一言で解決しました。それは、ユダヤ教とイスラーム教の偶像崇拝をしない理由です。彼ら は、アイコンのひとつであるアイドル=偶像を、ただ神様がそういったからという単純な理由からしなかっただけだったんですね。何か、もっと深い理由がある のかと思っていました。でも、私の友達でエフォバを信仰している人は偶像崇拝になるという理由から国旗掲揚のときは座って、決して国旗を見ません。これは どういうことなのですか? (1年女子)
(「神さまがそう命じた」ということは,彼らにとっては最も深い理由になります.
聖書も聖歌も広義の偶像(icon)の一つです.国旗を「偶像崇拝になるから」という理由で拒否する人たちも,実はきちんと偶像崇拝をしているのですけれどね.でも,彼らがそうしたいのであれば,そうさせておけばいいと思います.問題は,彼らがその価値観を他者に押しつけてきたときに生じます.)
- もし生まれとして、不可触民だとしても、神様を信じていなかったら、不可触民ではないのですか? (1年女子)
(「インド社会に生きるインド人」である限り,カーストの枠組みから離れることはできません.カースト制=インド文化そのもの,なのです.信じる・信じないの問題ではないのです.この点については,後にお話しする予定です.)
- ヴェーダが口伝というのははじめて知りましたが、伝える途中で人の記憶はあいまいなので変わったりしないのでしょうか?そのことでヴェーダに多様性が生まれたりしなかったのか疑問に思いました。 (1年男子)
(当然多様性は生まれますが,それは literal(書写)による伝承とて同じことです.特にバラモンは oral(口称)伝承の伝統を築き上げましたので,「記憶だから曖昧だ」とはならないのです.凄い技ですよ,本当に.)
- 今回も興味深いことをいろいろ学べました。しかし、やはりというかヴァルナ制については納得できかねないことが多々ありました。無論、例外もありましょう けどインド人の多くはそれが当たり前だと思っているのでしょうか。おそらく幼いころからの植え付けによるものでしょうが、それを言ったら日本人も差別や身 分階級がよくないと植え付けられていますから個人レベルで結論が出るわけありません。しかし『ディープリバー』を読んだ時のようにやるせない気持ちになる のはどうしようもありません。今後の授業を参考にせめて自分が納得できる答えを見つけられたらと思います。 (1年男子)
(まず,ヴァルナ制と現行のカースト制がイコールではないことを思い起してください.たしかにカースト制の理論的背景にヴァルナ制があることは事実ですが,両者は同じものではないのです.これは後にカースト制の説明をするときに詳しく扱います.
「他国人が異国の文化を非難できるかどうか」,この問題をじっくり考えていって下さい.)
- 中学や高校で、カースト制度については学んだと思っていたのですが、どうやら私の中でヴァルナ制度とカースト制度を混同して覚えていたようです。なので、 今回の講義でそこのところのあやふやな部分がすっきりしたように思います。白い肌が浄で黒い肌が不浄で、それにもとずく身分の差といった区別があると仰っ ていましたが、我々のような黄色人種はその場合どのような身分になるのだろうか・と少し考えてしまいました。 (1年女子)
(インド人でない人は,「ムレーッチャ」あるいは「ムレッチャ」に分類されます.「よく分からない言葉を喋る奴ら」「野蛮人」という意味だということです.われわれはヴァルナ外の存在なんですよ.)
- ヴァルナ制はピラミッド型に書かないのですか?何でそれほど人々がヴェーダにとらわれたのか、というのはやはり satya に関係しているのですか? (4年女子)
(ヴァルナ制は人口比の観点を入れればピラミッド型になります.
司祭(神官)を社会的特権階級とする制度は,アーリア人がインドに入ってくる以前からあったと考えられています.いわば「そういう文化だった」ということになるのでしょうか.)
- 肌の色は、何故そんなに重要だったのでしょう?
白>黒ではなく、白<黒にならなかったのは何故ですか? (4年女子)
(白色のアーリア人が支配階級だったからです.)
- 肌の色で区別されるのは理解できました。では、肌の黒いひとはどこまでの階級までならなれるのですか? (3年女子)
(これは次回お話ししようと思っていたのですが,「ヴァルナ=肌の色」というのは理念的なもので,実際の肌の色とは必ずしも関連しません.もちろん,はるか古代には明確な色の違いがあったでしょうか,実際には混血が進んだため,人種的に純潔なアーリア人はインドにはいなくなりました.しかしバラモンは「人種的ではなく血統として白い」と考えられています.それが理念としてのヴァルナなのです.)
- 文化ごとにわけた図は理解しやすかったです。初期ヒンドゥー教は偶像なしで、宗教シンボルであるicon中心であったことに驚きました。日本にも水 を使う場所、風呂や台所、洗面所には水神さんがいて、火の周りには火の神様がいるということもiconになるのでしょうか。 (2年女子)
(そうです.宗教シンボル icon です.)
- 肌の色で決めるのは「区別」で差別ではないとしているのは、ほうほう、とは納得できず少し怖さを感じました。 (2年女子)
(どうも私の説明の仕方が悪かったようですね.私としてはすでにカースト制が念頭にあったため,「カースト制=インド文化を差別主義だ!!と糾弾する権利が私たちにあるのか」ということを言いたいのです.もちろん,カースト制の背景には理念としてのヴァルナ制があるわけですが,上の回答で説明しているように,実際の肌の色ではなく,理念的血統としての意味合いです.)
- アーリヤ人の影響とインダス文明の影響は互いに絡み合っていたということでしたが、違う文化を受け入れることへの反発は具体的にはなかったのでしょうか?? (2年女子)
(長い期間をかけて混じり合っていったこと,資料が支配者側のアーリア人のもののみであること,以上の点などから,詳しいことは分かりません.推測するならば,反発は当然あったでしょうね.)
- 授業の中でiconの話をされた時に、iconというのは宗教シンボルであり火や水、月、星という言葉の中にあるもののiconを通して神と結びつくとい う考え方とおっしゃっていましたが、火や星、山や水など、それ以外(授業の中で紹介したもの)のもので神と結びつくと考えられている言葉というのは他にあ るものなんでしょうか? (2年女子)
(そうではありません.火や水や月や星という icon を通じて,人はその背後にある火の神,水の神,月の神,星の神と繋がる,という意味です.)
- 本に載っていた彫刻(?)のヤクシーは何かを踏みつけていましたが、あれは何ですか? (1年女子)
(邪鬼(じゃき)です.)
- バラモンが自分たちの地位を保持するためにその仕組みをどんどん複雑にしていったと聞きました。
肌の色以外に身分を分ける目印のようなものはあったのですか? (1年女子)
(上でも書きましたが,色の違い(ヴァルナ)は理念的なものです.他の指標としては姓(gotra)があります.これも血統を示すものの一つです.)
- 全ての宗教には、偶像崇拝が初めからあると思っていたのですが、バラモン教はそうではなかったんですね。インドって未知な国だと思いました。 (1年女子)
(おいおい,ユダヤ教やイスラーム教は偶像(idol)崇拝を禁止していますよ.)
- 私は手塚治虫先生のブッダ
ブッタというマンガを読んだことがあったので今日の講義はわかりやすかったです。シュードラという身分」が奴隷のようなもので一番身分が低 いと思っていたのでまだ低いのがあると聞いて驚きました。しかもみな生まれにやって決められる人生を受け入れているのが驚きです。 (1年女子)
(ブッタ,ではなくてブッダです.ダが濁ります.)
- イコンは宗教画のことだと思ってました。あとエヴァンゲリオンは何だったんですか? (1年男子)
(イコンを宗教画のみに限定するのは,特定の宗教内の限定的用例です.エヴァについてこの場で説明する能力を私は持ちません.どうぞネット等で調べてみてください.)
- 「肌の色の差別」という言い方ではなく、「区別」と言うところに、根本的なヴァルナ制という基盤が生活の中に浸透し、揺るぎないものになっていることを感じさせて、怖かったです。 (1年女子)
(異質なものは常に驚異であり脅威です.その異質なものにどう向い合っていくかをこの講義を通じて学んでいきましょう.)
- やばいです。インドにはまってしまいそうです。バラモンは、おいしい役職だなと思いましたが、大体インド全人口の何パーセントぐらいいるのですか??また、ヴァルナ制は、江戸時代の士農工商制に似ていますが、やはり影響を与えたのでしょうか?? (1年男子)
(全インドの割合は正確には分かりませんが,一説によると25パーセント程度だったということです.
また,インドのヴァルナ制と日本の士農工商との間に,直接の関係はないようです.)
- 偶像崇拝を禁止している宗教では、目には映らない神に対する信仰心を持ち続けるのはきわめて困難なことであろうと思っていましたが、自然や聖典や文字などをiconとしていると知って、なるほどと思いました。 (1年女子)
(もし神が人間を超越した絶対的存在であるならば,人間は自らの知覚によって神と触れ合うことは決してできません.それが「絶対的超越者」の定義の一つだからです.神と人を結ぶなんらかの媒介が必要で,それが icon なのです.icon のうち,特に人型や動物型などをしたものを idol と呼びます.)
- ヤクシーというのは薬師如来の「薬師」に似ていると思ったのですが、関係はないのですか? (1年女子)
(偶然の一致です.薬師如来の薬師は,バイシャジュヤグル(薬のお師匠さん)の意訳です.)
- 人間は原人プルシャというのから出来たと言いましたが、不可触民はどこから出来たのですか。 (1年女子)
(『プルシャ讃歌』は4ヴァルナの成立について述べたものであって,不可触民には触れていません...
不可触民がどこから来たか,少し洒落て答えるならば,「人間のエゴや差別意識からできた」ということになるかも知れません.)
- 今日の講義は、高校の時に世界史をとっていた私にとってとても分かりやすいものでした。「ウパニシャッド哲学」や拝火教、ヴェーダ、リグ・ヴェーダなど 知っている単語とかなり重なっていてあらためて意味内容がはっきり分かったものもあって非常に良かったです。「国旗を火で燃やす」という行為が「火」とい うアイコン(宗教シンボル)に密接に関わっていることには驚いたし、カースト制とともに高校で「ジャーティー制」として習ったものが「生まれ」という意味 だったことにもなるほど、と思いました。ちなみに「シュードラ」は「奴隷」と教わったのですが違ったんですね。新しい発見が多くて楽しいです。昔はヨー ロッパとかでも聖職者の地位は高く、貴族や皇室とも関わりがあったということは、「バラモン」をあえて分類するなら聖職者ということになるのでしょうか
なるんでしょうか? (1年女子)
(下線部:誤解です.国旗は国のアイコンです.国旗という国のアイコンを燃やすことで,そのアイコンの指し示す国そのものに攻撃を加えているのです.
バラモンは世襲的な司祭・神官・聖職者です.ただし現代では,ヴァルナ(あるいはカースト)がバラモンであっても実際にそれらの職に就いているのは少数で,多数は様々な仕事に就いています.)
- 日本の四姓制度は廃止されますしたが、インドのカースト
四姓制度は現在に至っても存在しています。インドでは日本のように反乱が起きないのかと思って いましたが、それが起きない背景には satya の存在があると聞いてますますその存在に興味を注がれました。あのオウム真理教がサリンの研究施設の名 前にしたぐらいなのですから相当な力権力があったにちがいないと見ています。 (1年女子)
(カーストはインド文化そのものです.)
- 高校の時、世界史の授業でインドの人は外国人を見下す傾向があると聞きました。このような考え方は今日の授業で仰っていた
言っていたsatya と関係ありますか? (1年女子)
(言葉遣いに注意.
satya ではなくカーストと関係があります.)
- 休みの間、インドについてテレビで見ることが多かったです。建物がすべてピンク色の町など、インドは本当に不思議ですね。そして、ショックだったのは、イ ンドの野良牛が迷惑なので、捕まえてオークションにかけるというニュースでした。牛は神聖視されていても、やはりすべてのインドの方にとって大切なものと いうわけではないのでしょうか?今日の授業で不思議に思ったことは、神様の腕や首にヘビ(コブラ?)が巻き付いているような絵です。ヘビは今までマイナス イメージのものだと思っていましたが、ヒンドゥー教では良いイメージなのでしょうか。 (1年女子)
(牛(こぶのあるセブ牛)は神聖です.捕まえてオークションにかけたのは,デリーで野良牛が増えすぎたために,きちんとした飼い主を探そうとしたです.
ヘビを神聖視する文化は多いですよ.百科事典でヘビの項目を調べてご覧なさい.)
- 高校の時にインドについてのビデオをみたことがあるのですが、そのとき、ごみ拾いやトイレ掃除などの汚れ作業をする職業にしかつけない階級の人がいると聞きました。それが「不可触民」のことなのですか? (1年女子)
(ゴミ拾いはどうか分かりませんが,汚物処理に関してはその可能性が高いですね.)
- この前夜にテレビをみていたら、突然ガッチャマンがはじまりました。その瞬間先生のことを思い出して、オープニングだけじっくりみてみました。なんか絵が濃かったです。 (1年女子)
(本編もじっくり見よう! )
- インドでの身分制度は、身分を5つにわけたカースト制だけかと思っていました。それに「生まれ」を意味する「ジャーティ制」により、約2〜3000にわけら れることに驚きました。けれど、身分などは自分が言わないと相手も気付かないものだと思うのですが、昔の日本のように結婚や就職などの時に調べたりするん でしょうか?
ヴァルナ・ジャーティ制を題材にする次の講義が楽しみです。 (1年女子)
(ヴァルナ・ジャーティ制については次回ではなく,しばらく後に扱う予定です.結婚に関してはバッチリ効いてきます.就職に関しては,「父親と同じ職業に就くかどうか」で効き方が全く違います.)
- 肌の色や生まれで区別、差別をするのは昔ほどではありませんが、現在にもあることですね。人間の本質というのは紀元前から何にも変っていないということなのでしょうか。 (3年女子)
(肌の色や生まれだけでなく,国籍や主義信条でも人は他人を区別・差別します.この問題を考えていくのが私の研究テーマの一つでもあります.)
- 1.今回の授業でヴァルナ制が今のカースト制のもとになったと言われましたが、階級などの変化はあるのですか?
2.現在インドからたくさんの国で留学や仕事に就いている人達がいると思うのですが、その人達も階級によって違う国に行ける人と行けない人などがいるのでしょうか?
3.インドという国を出るとカースト制による身分は意味を持たなくなるのでしょうか?また違う国に出てインドに帰ると自分のいた階級に戻らなければ行けないのでしょうか?
4.インドの人達がカースト制にどのような思いを持っているのでしょうか?例えば、自分が生まれながらに一生が決まっていたら違う身分になってみたいと思ったりはしないのでしょうか? (1年男子)
(質問は土曜日までにしましょう.
1. 「階級などの変化」という意味がよく分かりません.
2. インド文化圏以外ではカーストは実効性を持ちません.ただ,上位カーストでないと,海外に留学したり,海外で仕事をするための知識を身につける金銭的余裕がない場合もあります.
3. カースト社会に戻ってきます.
4. 思うからこそ,善い行いをして来世はもっと上のカーストに生まれようとするのです.)
- ヴァルナ制に対して、ただ単純に身分差別だからダメだというのではなく思想や歴史的背景などを考慮して考察する姿勢に共感を覚えました。例えば、日本の士 農工商についても確かに現在にも続く部落差別を生じさせた一面もありますが、下剋上を防ぎ平和を保った一面もあり ます。事実、幕末のころにはかなり士農工商はゆるくなっていたそうです。また、バラモンしかヴェーダを知ることができなかったというのは、宗教改革以前の キリスト教に似ているなとおもいました。 (1年男子)
(さらに言えば,私たち非インド人が,インド文化を一方的に非難する権利があるのかどうか,ということも絡んでくるはずです.)
- 先生が今回授業でおっしゃったように、今でもインドではカースト制の名残があり身分差があったりするということを昔聞いたことがありました。大昔に作られ た身分制が今でも続いているというのは、その制度がインドの人々の身体に染み付いているのだろうなという印象を受けました。でもやはりそれは差別につながるわけだし、あんまり好ましいことではないと感じられます。これからの授業でヴァルナ制に関してもっと知っていきたいなと思っています。 (1年女子)
(学んでいってください.)
- 今日iconとidolのことについて話を聞いて、その違いを初めて知になることも知りませんでした。だから、『偶像』と聞けばすべてハニワとか、仏像、 十字架などのようなものと考え、「偶像崇拝を禁止する宗教」と聞いたら、それらのものを何も用いずに、空に向かって祈るような宗教だと考えていました。そ れが今日勘違いであったと分かってよかったです。また、ヴァルナ制についても日本にはない考え方なので面白いなと思いました。なぜそれに対して反抗が起き ないかが不思議なので、早く satya について知りたいです。 (1年女子)
(「空」「天空」も一つのアイコンです.)
- ヒンドゥー教とバラモン教と区切られているので、私は全くの別物だと捉えていました。しかしそうではなく、実はどちらの宗教、文化もお互いが関わっている のに、その2つの濃度によって○○教と一区切りにされていたということを初めて知りました。iconは例も多かったのでよく理解できましたが、idolが 何にあたるのかまだ微妙かもしれません。パソコンに例えて話をされていた
していたのが分かりやすかったです。ヴェーダの知識をバラモンが独占するという話も興味深 かったです。バラモンがそれをずっと独占し続けてこれたのもすごいと思いますが…。それもバラモンが satya の力があったからなのでしょうね。ますます satya が気になります。本当にインドって奥深くておもしろいなと思います。 (1年女子)
(idol はキリスト像やマリア像,それに仏像などが代表例です.)
- 漠然と偶像崇拝だとか、そういう言葉を聞いてたけど、よく考えれば神に拝むと言ったって実際に神は目に見えるかたちでは存在していないし、そこでiconが必要なの だと気がつきました。モスクとか、教会とかも神と人とを繋ぐ接点(icon)なのだ、と改めて考えました。なんだか当たり前なのに、気づくと面白い気がします。宗教に よってそういったものは違います。そこらへんはその宗教の発祥とかにもよるのでしょうか。また、国旗を焼くという行為の意味が分からなかったのですが、国 旗はその国を象徴するものだし、大きな意味があるのだなと感じました。 (1年女子)
(何らかの icon なしには宗教は成立しません.人間の経験や感覚,そして理性で捉えられるのものは,科学や哲学の扱う対象です.)
- 私は今まではバラモンが四姓制を作って、国民を苦しめていたというくらいの知識しかありませんでした。それに、今まではカースト制という言葉でしか習った ことがなく、知らないことがたくさんあったので、もっと詳しく知りたいと思いました。やはり、日本でも、士農工商の時代に一番下の階級に自分たちよりも悪 い生活をしている人がいるのだからと思わせるようにさらにえたなどの奴隷的存在があったと聞いています。同じ人間なのに、本人の努力ではどうにもならな い、肌の色や生まれでその人の人生が決まってしまうということが今の日本では考えられないと思いました。えたの差別はなかなかなくらなかったと聞いていま すが、やはり、インドでも同じなのでしょうか。それとも、今でもバラモンの支配は続いているのでしょうか。私はこの講義を受けてつくづくインドについての 知識がないということに毎回気づかされます。それに今の私はただ単にバラモン=悪いと決めつけてしまっているので、これからの講義で背景や実態を学び、よ り正しい知識を身につけたいと思います。そして、バラモン以外の階級がバラモンに逆らえなかった satya の力にもますます興味がわきました。 (1年女子)
(下線部:今の日本でも,同和問題に限らず様々な差別が残っていますよ.)
【総評】ヴァルナ制は,後でカースト制の話をするときに改めてあつかうことにしましょう.次回よりいよいよ satya に入りたいと思います.(鈴木隆泰)
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