YPU SOAS 2004 基礎演習 II・IV 11/2

11月2日
美

Ａ：みんな、綺麗になりたいとか美しくなりたいという願望があると思う。美しくなるための手段として美容整形があって、これは韓国が有名なの。韓国では容貌が重視されることが多くて、美人は就職に有利だったり、有利なお見合いをするために整形する人が多いんだって。韓国では整形したのを隠さなくて「昨日整形に行ってきたのよね。」って友達とかに普通に言うんだって。日本だったら隠したがるよね。
（一同うなずく）
Ｂ：中国でも整形はあんまりないよ。
Ｃ：韓国は整形するのは安いの？
Ａ：うん、整形をする店が多くてそれが集まって価格競争しているから安いんだと思う。
Ｄ：日本では値段はどのくらいするのだろうね？
（一同分からず・・）
Ａ：今、韓国では目鼻立ちがくっきりしていて、小さい口が美人らしい。だんだん西洋的になってるんだって。
Ｂ：聞いた話によると、小さい口じゃなくて唇が厚い方がはやってるらしいよ。
Ｅ：へえー。
Ａ：日本でも美人像は変化していってて、古代では引目で太い眉、ふくよかな人が美人とよばれていたけれど、幕末はつり上がった目でほっそりした人で、今は目鼻立ちがはっきりしていてほっそりした人が美人って言われてる。
Ｃ：あー古代に生まれればふくよかだから美人だったのに。
（一同笑い）
Ｄ：おはぐろはいつの時代？
Ａ：わかんない、でもあれって結婚した人が浮気しないようにしてたんだよね？
Ｇ：へー、あれってどうやって塗ってたの？
（一同分からず）
Ａ：現在は西洋的が美人とされているよね、韓国でも日本でも西洋的なのを目指しているけどなんか違うよね。
Ｇ：うん、違うね。
Ｄ：外国に旅行に行ってもアジア人とは分かるけど日本人ではないなぁって分かるもん。
Ｆ：うん、国によって人によって「美しい」の感覚が違うよね。
Ａ：じゃあ、みんなが思う美しいってどんなの？
Ｂ：いくら顔がきれいでも心が汚かったらきれいじゃないよ。
（一同うなずく）
Ａ：でもやっぱ顔で判断される！！韓国に行った時に可愛い子にみんなしゃべりかけて、私には冷たくされたもん。やっぱ顔、第一印象は顔じゃない？
Ｃ：男から見た美しいってどんなの？男から見たきれいな人と女からみたきれいな人って違うよね？
（女うなずく）
Ｆ：確かに違うなー。
Ｄ：芸能人でいうと？
Ｆ：柴咲コウかな。
Ｅ：あー綺麗やね。
Ｄ：松嶋なな子は？
一同：きれい！！
Ｃ：うちは菅野美穂が好き。
Ａ：宮沢りえがきれい！
Ｃ：芸能人はやっぱみんなきれいだね、お手入れとかもちゃんとしてるだろうし、お金かけてるだろうし。でもさ、憧れは顔かもしれないけど、好きになるのは顔だけじゃなくない？
（一同うなずく）
Ａ：美意識というのを調べたんだけど、美意識とは「美に関する意識、美しさを創造・受容する心の動き。また何をもって美しいかをきめる基準や考え」なんだって。美意識ってどんどん変わるものよね？
Ｇ：うん、変わるね。
Ａ：うちは「美しい」を人と比べたくなくて魅力っていうのは自分のなかにあるのだと思うの。みんなは自分の中で美しいとか魅力ってある？
それは自分じゃなくて他の人が分かるものじゃない？
Ｅ：うんうん。
Ｃ：うちは自分の事が好きな人に魅力を感じるし、美しいと思うな。いくら綺麗でも自分嫌いな人には魅力感じない。
Ｆ：うん、自分の事好きじゃなきゃ、他の人のことも好きにあれないでしょ？
Ｂ：やっぱ自信持つことじゃない？
Ａ：じゃあ私って美しいってこと？
（一同笑い）
Ａ：やっぱ美は目でみるものじゃなくて、オーラとか感じること、表情とか？
Ｃ：うん、でもそれがわからない人もいるんじゃない、顔だけで選ぶ人とか。美ってなんなんだろうね？
Ａ日本語国語大辞典では美とは、①形、色彩が整っていてきれいであること。うつくしいこと。またそのさま。②飲食して味がよいこと。うまいこと。おいしいこと。またそのさま。③物事の内容が充実してすばらしいこと。またそのさま。りっぱ。みごと。⑤美人、美女の略なんだって。
Ｇ：五感を全部使うもの？
Ｃ：好きなもの？
Ｂ：自分を感動、幸せにしてくれるもの？
Ａ：人にとって感動することって必要と思う。だって感動がなくなると人生どうなる？
一同：おもしろくない・・。
Ａ：ということは感動＝美だから、美がなくなるとおもしろくないよね。
Ｄ：目だけで見る美ではなくて五感を使って考える美を大切にしないとダメだね。
Ｃ：うん、今は感動しない子どもが増えていてる気がするもん。
Ｆ：感謝する気持ちがなくなっているからだと思う。
（一同うなずく）
Ａ：H さんの考える美しいものって何ですか？
Ｈ：私は人間は外見だと思う、というのは内面の良い部分が外に絶対でてくるから。つくりがきれいとかじゃなくて、笑っている顔、充実している顔がうつくしい。だから人間は顔だと思う。
Ｄ：でもそれを分からない人がいるのでは？
Ｈ：分からない人は分からないでいい。自分を好きな人に認めてもらえればそれでいいんじゃない？
（一同うなずく）
Ａ：ところでみんな、整形には賛成？反対？
Ｃ：うちは賛成、顔を変えることによって、それがプラスになって自信がついて外見ももっときれいになると思う。
Ｈ：いいか、悪いかではない。整形したことによってプラスになればいいのではないか。整形したことで、どんどん欲が出て顔をどんどん変えていったら顔面破壊になっていくし。整形願望も心の病いから来る場合もあって、ケースバイケースだと思う。整形によって何を求めるかが問題ではないか。
Ａ：美は感動、幸せにしてくれる、人生を明るく生きれるようにしてくれるもので個人個人によって違ってくる。美意識を感じる自分も変わっていく。美があっても美意識が一人一人違って、美意識がある人とない人がいてある人は感動、幸せな気持ちになれる。個人個人が美意識を持つことが大切であると思います。

《編集後記》
ある物を美しいと思う人がいれば、そうでない人もいる。ある物を昔は美しいと思ったが今は美しいと感じない物も事もある。これは全て美が変化しているのではなくて自分の美意識、自分自身が変わっているのである。これからも色んな事に感動できる人間になるために、美にこだわるのではなく、美と感じるものを自分で創造・受容できて、たくさんの事を美と感じることができる美意識を高めていきたいと思う。

書記さんの編集後記にあった「自分の変化」，それこそ諸行無常に他なりません．

対象が変わっているのではなく自分が変わっていく．だからこそ，自分を変えることで世界が変えられる，それが諸行無常を現実の中に活かす手段（方便）の一つです．

（鈴木隆泰）

基礎演習 II・IV

アジア文化論研究室

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