10月12日
県民性
A:私は「県民性」というものをテーマに話していきたいと思います。私自身、今まで住んでいたところとは全く違った土地である山口の大学に入って、いろんな人がいるなと感じたのですが、みなさんは大学に入ってから、いろんな人がいるなと思ったことはありませんか?また、生活していく中で、出身県によって人の性格が違うのかもと思ったことはありませんか?
B:県が違うからといって性格が違うとはそれほど思わないし、あまり聞くことはないかな。でも、地域が違うから感覚が違うっていうのはよく聞くようになった。
C:大学という場所で生活することで、世界が広くなったとは思うよ。
A:そこで今回は、私が大学に入り、いろんな県の人たちと友達になって、それぞれで性格や考え方が違うのかということや、地域によっての違いがあるのかということが気になったので、調べたり比較したりしてみようと思いました。
まずは山口の県民性から見てみたいと思います。男性は、米、塩、紙の三白で豊かだったということもあり、保守的な性格。「年上には従う」などといった考え方が未だに残る。金には大まかで目立ちたがり屋。総理大臣が7人も出たところだけに、政治好き。プライドが高い。頑固で好き嫌いがはっきりしているが、気が合えば人間関係を大切にする。
D:特徴多いなぁ。
C:米の消費量が多いの?蕎麦じゃなかったっけ?蕎麦の消費量が多い地方は保守的ってよく言われるけどね。米はあまり聞いたことがないなぁ。まあいいか。
A:金には大まかで政治好きという点はどうですか?
B:本や雑誌で「総理大臣7人」っていうのはよく取り上げられるよね。政治の話が特徴としてよく挙げられている気がする。あと、生活がしやすいっていうのもよく言われる。
D:田舎だから?確かに雰囲気が落ち着いていて住みやすい。
E:総理大臣が多く出るって言うのは、本当によく聞く話だよね。
(一同うなずく)
C:ダムが多いとか、道路の舗装率が高いとかはよく言われているよね。それも政治的な部分にあてる資金が多いからではないかな。お金が余っているのかもしれないけど。
F:確かに道路はきれい。みんな言ってる。
A:次に山口の女性を見てみます。心優しく社交的。行動力もある。お金にはこだわらず、流行に関心が強い。ミーハーに見えるが、しっかりした女性が多く気配りが上手。
D:誉め言葉が多いな。
B:ありがとう!
G:私、社交的じゃない。
A:これだけ書いてあったらどれか当てはまりそうな気もするけどね。
(一同うなずく)
A:次は島根東部、出雲。真面目で控えめなタイプが多い。慎重で流行に流されることがない。どう?
F:どうかなぁ。
A:次に西部。愛想がよくて活発。美人が案外いるし、見かけ以上にタフ。
E:へぇ〜。
A:次は三重の男性。これは一番当たってる自信がある!周りの目を気にしすぎるところがあるが、真面目で正直で明るい。チャレンジ精神も行動力もある。変な野心が無いため、周囲からの信頼が厚い。大人しく見えても実は負けず嫌いだが、最後のふんばりに欠ける。根性がある人が多い。
D:いっぱいあるなぁ。なんか悪いところばっかり当たってる。いいところはどうかと思うけど。
A:次は東京の男性。何事にも淡白で行動力に欠ける点がある。格好良さを大事にするのでお金は貯まらない。クールに見えるが意外に人情も厚く、人を信用する。どうですか?
C:人をすぐ信用するっていうのは合ってる。
A:最後に大阪の女性。基本的には浪費家。流行にも敏感で、ブランド大好き人間。エネルギッシュな行動派で、どこにでも出没する。とにかく陽気でよくしゃべる。外見より女性らしい人が多いが、計算高い一面もある。
D:計算高いの?でもほとんどイメージ通りだね。合ってる気がする。
A:あと、県同士の相性というのがあるらしいので調べてみました。(今まで例に挙げた県の男性・女性と相性のよい県民、悪い県民をそれぞれ挙げる)
B:三重県の男性は山口県の人と相性良くないんだね。
D:大学選び間違えたかも。これは結構ショック。
E:こんなのもあるんだね。面白い。でも、その県民全員と合う、合わないって考えたら変な話だよね。
(一同うなずく)
A:これは一つのものの見方として捉えるべきだと思う。
B:要するに占いとかと一緒だよね。気にするかどうかは人それぞれだよ。
A:次は、いろんな内容のランキングがあるから、1位の県を当ててみてください。「日本一せっかちな県民は?」
C:大阪じゃない?
A:正解です。この本によると大阪人は「いらち」だそうです。つまりせっかち。あと、歩行速度が世界一の速さらしい。信号機はフライングするし、エスカレーターも歩く。その理由として書かれているのは、大阪人は寿命が短い(全国ワースト2位)からだそうです。
B:だってAちゃん歩くのすごい速いもんね。一緒に歩いていてもどんどん先へ行っちゃうから大変。やっぱり人の量かな?人口が多いとそうなるのかもね。
D:でもエスカレーターは絶対歩くよね。急いでる人のために右側はあけてあるのが普通じゃない?歩かない人は左側に寄るよね。
B:え?そんなことないよ。エスカレーターは歩くためにあるものじゃないよ。急いでるなら階段で行けばいいのに。
A:甘いなぁ。階段歩くよりエスカレーター歩く方が速いもん。より速く歩こうとする。絶対止まれないもん。
E:歩かないよー。
D:そうなんだ。歩くのが普通かと思ってた。地域によって違うのかな。人口の違いというのも確かに考えられるし、文化の違いとも考えられる。
G:大阪は自転車のベルをすごい鳴らすっていうよね。
A:鳴らすためにあるんじゃないの?
G:あんまり鳴らさないよ。鳴らすぐらいなら自分で避けようとする。道の真ん中とか平気で歩くし。
D:それは人それぞれとも考えられる。性格とか。
A:次の問題。「日本一子どもに仕送りしている県民は?」
C:どこかな。青森?山口?
A:山口です。2位が長野らしいけど、山口がぶっちぎりの1位らしい。理由としては、総理大臣を7人も輩出している中央志向の強い県だから。あと、政治好き。山口で勉強できる子は福岡、大阪、京都、東京を目指す。詩人の中原中也は生涯定職につかず、母親の仕送りで生活していたなどが挙げられています。
B:また総理大臣?
(一同笑い)
C:それしかないみたいに思えるね。それと、中原中也の話はすごい個人的な見方だね。
D:後半の方は苦しい気がする。田舎だからとも考えられそうだね。そればっかりだけど。
A:「日本一犯罪が多い県は?」
B:東京?
A:違う。福岡。
C:へー、東京じゃないんだ。一見すると東京が多そうに思えるけどなぁ。
A:東京は5位ですね。福岡県民は血の気が多い県民性だからだそうです。
C:それも偏った見方な気がする。
B:全員そうみたいに思えてくるのが怖いね。
A:山口は女性の平均体重がワースト1だそうです。理由としては、エンゲル係数が一番低く、食が細いからだそうです。これはどう?
C:一番痩せてるの?本当?
G:どうかなー。わからない。
C:貧乏みたいな印象を受けてしまうよね。じゃあ何にお金を使うのかな?やっぱり仕送りか。
(一同笑い)
A:総理大臣を一番輩出している県の1位は東京、山口は2位。
C:え?あれだけ言っておいて1位じゃないの?
B:自慢するところがなくなってしまう。
(一同笑い)
C:でも人口のことや中央から離れているということと照らし合わせてみるとやはり多いだろうね。明治維新との関係もあるだろうし、初代総理大臣の伊藤博文も山口出身だし、政治好きというのはそこから来るのかもね。
A:じゃあ次は自分の県自慢をしてもらいましょう。何かある?
E:島根は過疎1位。他も悪いところばっかり1位だよ。自殺率も1位だし。
(一同驚く)
C:それは何故?
E:うーん。やることがないからかなぁ。
D:それはひどいなぁ。
B:確か投票率も1位だったよね?
E:そうそう。やることないから。
(一同笑い)
C:そんなにやることないの?
E:だから投票率が高いのかも。「じゃあ投票でも行くかー。」みたいに。過疎の理由はやっぱり人が帰ってこないから。地元に帰ってくる人はやることがなくなった人が多いみたい。だから自殺率1位なのかも。
F:もしかしたらそうなのかも。でもみんな確かにゆっくりはしてる気がする。
A:マイペースの人が多い?
E:そうなんだろうね。あと、クマとかイノシシとか、ウサギやハチも平気で食べるよ。道でクマに会った人も結構いるし、友達との会話の中で、「私イノシシ飼い始めたんだよねー。すごい可愛いよ!」っていうのが普通にある。私の住んでる場所が特別かもしれないけど。
E:特別だと思う。あり得ない。
C:ハチならここにあるよ。(ハチを取り出す)
(一同驚く)
D:最近テレビで見た。おいしいらしいよ。
(一同食べてみる)
A:おいしい!
G:なんかエビみたい。
A:山口は自慢ある?
G:人が優しいっていう。あと、地方によって方言とか発音が全然違う。「ほ」とか「そ」とか使う人がいるし、宇部の人は「わん」を語尾につけたりする。
C:あるね。あれは何か意味があるの?
G:ないと思う。おまけみたいなもの。
B:県内でも全然違うよね。
D:山口の話し方はすごい特徴あるよ。親に話したらショック受けてた。
A:三重の自慢は?
D:特にはないかな。地味で中途半端な県だから。鈴鹿サーキットとか伊勢神宮ぐらい。中国地方や九州地方の人はどこにあるのかも分からない人が多い。
E:どこにあるの?
D:愛知の近く。近畿地方にも東海地方にも入ってる。どっちの地方でも天気予報やってるし。
B:本当に中途半端!
C:・・・島根の「ま」をぬくと「死ね」になるよね。まぬけは死ねってこと?(←あくまで冗談です!!)そうやって考えると面白いかも。さっきの話とつながる。
E:なんかすごいネガティブ。どこからどこまでも。
D:ある意味すごい魅力的だと思うけど。
(一同笑いながらうなずく)
C:なんだか行きたくなって来たよ。
A:まとめます。このように県民性について考えてみて、出身地による差別があるのだろうかと感じました。県民性というのは、血液型判断とか動物占いとかと同様で、当てはまる部分も当てはまらない部分も個人によって大きく異なるものであると思います。友達同士で「A型の子は几帳面だから付き合わない」や、「動物占いであの子はサルだったから嫌いだ」などと考えるでしょうか?私は山口で楽しい生活を送っているし、県民性での相性などは意識していません。そんなことは実際関係ないと思うし、占いなどと同じでただの目安としてみなさんにも受け止めてほしいと思いました。
《編集後記》
今回の討論は、県民性というテーマから始まり最終的には県自慢に至るという幅広いものであったが、それぞれの県独特の文化や生活というものは県民性という見方につながるものであるので、どの話もテーマに沿った大変重要なものであったと感じる。このような幅広い事柄を考えていくためには、少し離れた別の視点から答えを探り出していくことも大切なのであると学んだ。
私自身、県民性として個人個人をひとつにまとめてしまうことには無理があるのではないかと感じるし、全てが正しいとも思わない。ただ、それを導き出すまでの過程は大変興味深い。様々な分野の考えを踏まえて研究されているので筋が通っているものも多く、納得出来る部分も数多くある。このような捉え方は異なる文化を理解することや、反対に差別化することと大きく関係しているのではないだろうか。自分とは異なる文化や価値観を直接肌で感じる場が、私の身近にも数多く存在しているのだと改めて考えさせられた。
人は地域や時代によって育まれるので,人の性向に地域性があるのはある意味で当然だと思います.でもそれも非常に大まかな区切りですし,地域が違うから分かり合えないとか,地域が同じだから分かり合えるというものでもありません.地域性は性向を決定する,あくまで一ファクターに過ぎません.そういう前提をきちんと押さえた上で,遊びとして県民性を探っていくのは面白いと思います.
(鈴木隆泰)