YPU SOAS 2004 基礎演習 I・III 6/8

6月8日
世界の国々について

B:日本以外の国について興味のある人？
（全員手を上げる）
B:今まで行ったことのある国と行ってみたい国はどこですか？
H:私はアフリカに行きたい。そこで、アフリカン・パーカッションとセッションしたい。
アフリカはあらゆる音楽の発祥の地だと思う。
B:アフリカのどこに行きたい？
H:具体的には分からない。文化人類学の授業で、アフリカに昔からある儀式について聞いてもっと行
きたくなった。
G:確かにあの授業は興味がわいた。
C:アフリカは凄い大きな家がある地域と貧しい家がある地域とがはっきりしている。
A:アパルトヘイトがあったから。今でも貧富の差が激しい。でも地域の人で協力して、幼稚園を建てたりしている。だから貧しい地域なのに幼稚園だけきれいだったりする。
B,G:すごいね。

G:私は修学旅行でニュージーランドにいった。土地が広くて、家も大きいから隣の家に車で行かないといけない。自然は多くて空もきれいで、居ることが気持ちいい。もう一度行きたい。皆いい人で、日本では外国人にこんなに優しくしてはくれないと思った。
B:他には？
G:韓国に行きたい。今ハングル習っているし、ちゃんと勉強してうまくなってから行きたい。
K:言葉は分からなくても何とかなるよ。
B:そう。ウルルンなんかはスタッフが居ると思うけど、夜になると先に帰るらしい。心細いと思うけど、仕事を手伝ったりして一緒に暮らしているうちにコミュニケーションはとれるようになる。言葉が通じなくても大丈夫。
G:私は話したいっていうより、文化に直接ふれたい。だから言葉が無くてもいいかも。

F:海外に行った事はないけど、スイスに行ってみたい。
B:何で?
F:自然がすごくきれい。雪が降った後の山とか。
B,G:行ってみたいね。

E:オーストラリアに行きたい。二歳上の姉がホームステイにオーストラリアに行った時の写真を見て思った。海がきれいな青で凄かった。
H:行ったことがあるけど、本当にきれいだった。
G:写真を見ると空気のきれいさが写っているみたい。

D:修学旅行で中国の北京に行った。オーストラリアで話になったけど、中国は空気が淀んでいる。観光のバスにまでクラクションを鳴らすし、自己主張が強い。買い物に行くとすぐ片言の言葉で話しかけられる。「買って。買って。」って。
B:商魂たくましい。日本人はカモにされやすいんじゃない？
C:私も修学旅行は中国。バスに乗っている時、運転手が怒鳴られて怖かった。車が通っている横を普通におじいちゃんが自転車乗っていたりしてびっくりした。あんまり自然がきれいっていう感想は持たなかった。
D:確かにないな。
C:記憶にあるのは粗さと、ご飯は必ず油で炒めるのと、あの腐らせた卵。
K:ピータン？あれは腐ってないよ。発酵させているんだ。
A:ピータンはわざと腐らせている。
B:行きたい国は？
D:スペインとかイタリア。サッカーが好きだから。
C:前にカレンダーで見たボラボラ島のカヌーブランチがしたい。透明なカヌーの上でご飯を食べてる写真を見た。

B:私はシンガポールに行ったことがある。飛行機だと６時間でいけるし、時差は１時間だから体は楽だった。マレーシアの島の方、ボルネオ島のブルネイに行った。ホームステイを１ヵ月したけどマレーシアでは３週間で５軒、シンガポールでは残りを一軒。山口みたいなとこも、東京ほどではないけど町もあった。ジャングルもあって、そこではオラウータンとふれあえる。ホームステイする家によっては、水はあるけどお湯が無いところがあって体を水で洗ったり、トカゲは多いし、食事は外であまり衛生的じゃないし、自然があるのはいいけどきつかった。でもいい経験になったし日本みたいに何でもあるありがたみが分かった。シンガポールは都会でとてもきれいだった。
J:ゴミを捨てたら駄目といったような法律があるよね。
G:写真を見たけど高いビルの横がきれいな砂浜で、少しおどろいた。
B:国が狭いからそういうこともあるみたい。
J:法律があるから街はきれいだけど、川は汚いって聞いたことがある。
H:友達が聞いていたより街が汚かったって言っていた。
B:私がみたところはきれいだったよ。
K:観光客に見せるところと、見せないところがあるからね。

A:カリフォルニア州は日差しが強くて、肌が痛いくらいだった。でも影に入ると寒かった。気候がよくて、帰りたくなくなった。観光があまり出来なかったからもう一度生きたい。
G:ジメジメしているのは日本くらい。イギリスなんかはざっと雨が降ってすぐ晴れる。
K:イギリスの雨はビートルズの『ペニーレイン』でも歌われている。
B:マレーシアはジメッとしていた。
C:国語の問題に大学で古典を教えている教授がカリフォルニアで授業をしたときの話があって、カリフォルニアの空を見ながら古典の情緒を教えることに違和感があって気持ち悪くなったって。きれいでずっといたいと思うけど、日本の文化を教えるのは異常に感じる。日本のジメジメした気候にあった文化だから理解されない。
K:文化を育てるのは人だけど、人を育てるのは土地だから。
H:おもしろいね。自分達は海外の国のことをいろいろ知っているけど。
K:それは日本人のサンスカーラで見ているから、本当の意味では理解できていない。分かる範囲でしか理解出来てない。
G:そのものを理解してもらうのは無理。
I:日本に来てもらうしかない。
K:来るだけでは分からないよ、住んでみないと。でも１００パーセントである必要はない。
H:オーストラリアに日本に興味を持っている人がいる。そういう人はとても詳しい。
G:バスガイドをしている人が、一度行った国を自分の住むべき土地だと思って、１０年以上帰ってきてないって話を聞いたことがある。すごくあこがれる。
B,C:かっこいい。
B:行ってみたい国は？
A:クラシックバレーをしていたから、本場で見てみたい。パリのオペラ座バレー団とかイギリスのロイヤルバレー団を見たい。会場が凄い。派手で、天井が高いから迫力がある。死ぬまでに絶対生きたい。もう少しで死ぬって言われたら、今すぐ行く。日本に来てやっても会場が小さいから、全部入らない。きれいだけど、本場の方がきれい。

K:いろいろ行ったしいろいろ行きたいけど、一番行きたいのはミャンマーかチベット。仏教が今でもいきずいているから。ミャンマーのシェダゴンのパゴダが見たい。
B:建物？
K:一つの「空間」「場」を形成している。この建物は仏の墓じゃなく、仏そのものとして敬われている。仏だからといって下手にかしこまらず、なおかつ敬っている。人の生活に密着している。仏の生きている空間に普通に暮らしいる。ここに住みたい。敬虔な態度だけど日常。仏が人間の形をしていないからいい。だから仏塔が好き。パゴダは仏そのもの。形の無いところに無限の形がある。だからパゴダやストゥーパが好き。

J:カナダに行きたい。私は児童文学について調べたいと思っているから。日本はあまり進んでないけど、カナダは進んでいる。イギリスのお金持ちが集めた古典の児童書でオズボーンコレクションというものがあって、それのある図書館に行きたい。今は日本人が管理している。
C,G:初めて知った。行ってみたい。
J:あとオーロラが見たい。
K:さだまさしの曲にオーロラを撮る写真家の話がある。オーロラを撮りに行って死ぬ話しだけど、感動する。
G:私はオーロラや星について調べてみたい。
A:ウルルンで見たけど、星がとてもきれいなところがあった。星に届きそうなくらい近くにあるように見える。
J:モンゴルじゃない？

I:私は東南アジアのラオスに行きたい。周りに有名なタイとベトナムがあるのに、ラオスはあまり知られてなくてマイナーだから。
C:着眼点が面白い。
I:本で「昔の日本を私は知らないが、これが昔の日本だろうと思った。」っていうのを読んで絶対生きたいと思った。
H:テレビでたまにしているのを見る。
I:日本に似ているよ。中国の影響を受けているけど、言葉はイギリス。
K:植民地だったから。東南アジアではフィリピンだけインドからも中国からも影響を受けてない。
B:シンガポールも中国に似ている。
K:シンガポールという名前自体、中国語が由来。

B:海外から得られるものはなんだと思いますか？
G:日本を知ることができると思う。中からは分からないことを、外から見られるから。
A:いろんな国の人の考え方。アメリカ人はルーズだけから一緒にいると日本人はいらだつ。日本人の考え方がいい。
B:日本人はせんさい。
A:でもノリのよさはアメリカ人などの方がいい。
B:他には？
J:視野が広くなる。
D:それまでのイメージが壊せる。中国のビルの横は眼を覆いたくなるようなところで驚いた。
K:サンスカーラを壊した。
G:海外に行ったとき日本人向けのところにはあまり行かない方がいい。
J:韓国の屋台へ行ってみたい。
C:国には屋台が無くてショックだった。でもマックがあった。
D:吉野家もあった。
G:中国なのに。日本のもの海外に進出している。ポケモンが有名。
I:日本のアニメは凄いらしい。
B:シンガポールに��膕阿�△辰拭Ｃ罎傍�帽餡阿�△辰董▲献礇鵐廚�笋辰討△辰拭�
G:日本車もそう。
B:日本車は高級車になる。
まとめ
B:海外に足を向けることによって、日本を新しい視点で見ることができる。それまで持っていたイメージを壊せる。時間とお金の許す限り海外に行きましょう。学生の間が行きやすいです。
K:サンスカーラを壊して、そのものを見ることができるようになりましょう。

《編集後記》
海外に行き外から日本を見ることによって、それまで気付かなかった長所も短所も知ることが出来ます。そして様々な国ついての間違った知識や偏見を無くし、視野を広げることも出来ます。日本とは違う文化にも触れることは大切です。海外に行くことも、外国の方々と交流することも、日本であっても自分と価値観の違う人と知り合うことも積極的にしていきたいです。そして人間的に成長していけたらと思いました。

「他者の理解」と「自己の理解」，両者は違うもののように見えますが，実は同じものです．人は「他者を観る自分」「自己を観る自分」を介してものごとを理解していくからです．サンスカーラは自分を形成する力．それが変化すれば自己も他者も世界も変わります．

世界はあなたが作っていくものです．

（鈴木隆泰）

基礎演習 I・III

アジア文化論研究室

HOME

suzuki AT ypu.jp