11月27日
中国に対するイメージ



A:今日は中国についてみんなで話し合っていきたいと思います。私(中国籍)はまだ中国を深く理解していない気がするし日本のことも中途半端に知っていると思う。将来日本と中国の間で仕事をしたいから、みんながどう考えているか知って、向こうに帰ってみんなの考えを参考に仕事をしたいと思っています。みんなも自分の国に対して理解が乏しいと思うけど、中国のこととか、客観的に言って欲しいと思います。
C:私もアメリカに留学していたから、自分の国がほかの国からどう思われているか知りたいと思うのは、わかる。
A:それを聞きたいけど、聞いたら自分が傷ついてしまうから、あまり聞かないようにしています。
F:中国についてどう思う?って言ったほうがいいと思うよ。
E:中国についてあまりよく知りません。イメージは土地が広くて秘境が多くて、すごいことをする人が多いっていうイメージ。でもアルバイト先に中国人がいるから、今は前とイメージが違います。
A:最近は日本で働く中国人が多くなっています。中国では働く場所が無いからです。だから日本に滞在する人が多い。それに対してどう思いますか?
E:そういう人達が日本に来ることに反感は持たないけど、中国に関しての知識が無いから、遠い世界のことのような気がする。
K:雇用の問題は時としてヒトラーを生み出したように悲劇を生むんだね。ドイツではユダヤ人が裕福になり、ドイツ人は貧しくなってしまった。ヒトラーはユダヤ人を排除しながらドイツ人に働く場所を与えたんだ。
A:今、英語の次には中国語を勉強するっていう感じになっているけど、この中で中国語を勉強している人はいますか?
(勉強している人、手をあげる)
中国語を勉強しようと思ったのはなぜですか?
F:中国語とハングルを選ばないといけないと知ったとき、中国語のほうがハングルよりも使えると思ったから中国語を選びました。
A:中国語を勉強してみてどう思いますか?
F:最初は嫌だったけど、勉強を始めると楽しいですね。もっと勉強できたらいいと思います。
A:将来的には中国で働きたいと思いますか?
F:できたらいいですね。勉強は続けていきたいと思っています。
A:どうですか?
B:中国語を話す人が多いから、中国語を話せるようになったら、たくさんの人と話せると思ったからです。
J:みなさんと同じように、ハングルよりも中国語のほうが使える場面があると思うから、中国語を選びました。
I:私もみなさんと同じように、ハングルよりも中国語のほうが使えると思ったから、選びました。でもあんまり深く考えずに選びました。
A:もし機会があれば中国に行きたいですか?
(みんなうなずく)
C:行きたいですね!おいしいものを食べたい。
A:日本に来た時、初めて食べたものはすしなんですけど、その時はおいしく感じなかったですね。さしみも生だから気持ちわるいと思いました。けど、今では好きですね。納豆も前は嫌いだったけど今は好きになりましたね。
F:中国ではせみは食べるの?
A:少数民族は食べるかも・・・
D:犬は本当に食べるの?
A:食べますね。昔犬を飼っていて、ある日突然いなくなってそれは犬料理の店に売ったみたいです。
E:店の前に犬が吊るされていたのをテレビで見たことがあります。
C:日本でくじらを食べることをヨーロッパの人が、野蛮だと言うけれど、それは食文化ということでいいんですか?
K:いいよ。去年周南市でインドではなぜ牛を食べないのか、というような話をしたことがある。そこの文化に対して、まわりの人間が自分たちの考えを押し付けるなというのが、自分の考えですね。
C:日本では、貸し借りの考えがあるけど中国ではあるんですか?
A:私の地方ではその人を家に招待しますね。旧正月には親戚とかで集まって、ぎょうざを作って食べたりしますね。中国は仕事上のやりとりが激しいですね。政府も賄賂などの問題が多いですね。その学校に行きたくても実力が無くて入れない時は、お金を使って入学させることもありますね。これは中国で結構問題なんですけど、日本ではあるんですか?
F:私の学校に裏口入学をしたけど、実力がないからついていけなくて、私の学校に入ってきた人がいたよ。
(一同驚く)
C:一人っ子政策って、みんな守っているの?
A:いや、若い人とかは都市に行くからあまり結婚しないけど、村では男の子が欲しいから、男の子が産まれるまで産みますね。それは男女差別になるかも。でも家の仕事とかあるから、男の子を産みたいんですよね。
F:やっぱり隠さなきゃいけないの?
A:罰金がありますね。
C:市役所みたいな所では、登録しないの?
A:よくわからないけど、戸籍がない人もいるかもしれないですね。
C:話が変わるけど、中国人は日本人をどう思う?
A:私は礼儀正しいと思いましたね。「ごめん」とかをすぐ言うなあと思いました。
E:中国では言わないの?
A:あまり言いませんね。
E:それが普通なの?
A:普通ではないかも(笑)
F:佐川急便が今中国に進出しているっていうのを、テレビで見たんだけど、中国人に指導するのが、大変だったらしいよ。
K:モスクワでマクドナルドが初めて出来たとき、お客は店員の笑顔に驚いたんだよ。それまでは無かったからね。ところで今でも毛沢東を先生と呼ばなければいけないの?
A:今は呼びませんね。でも自分が小さいときはバッジをつけていました。
C:日本では言わなくてもわかるだろうって感じがあるけど、中国ではあるの?
A:以心伝心みたいなの?ありますよ。
E:日本人よりもはっきりと物を言う気がする。
A:小さいときから、発言しろと言われていて、そうすることによって、先生に褒められたりする教育を受けていたからだと思います。
C:日本人のほうがはっきり物を言わないと思う?
A:中国人でも言わない人はいる。そこは人と人の違いですね。
E:バイト先の飲み会で、乾杯と言ったら全部飲めって言われたんだけど、それは中国の文化なの?
A:乾杯って言う言葉は、全部飲むってことですね。たばこを吸うときも、礼儀だから相手に勧めてから自分も吸う。それが礼儀ですね。
C:先輩後輩って厳しい?
A:あまりないね。小学校の時とか敬語とか無かったですね。
K:中国の伝統文化がどこまで無くなったか、興味あるね。
A:日本では、先輩後輩が一緒にご飯を食べたら割勘だけど、中国では誘った人がおごりますね。日本では誘われても払うから、えっ、払うの?って気持ちになります。それも文化の違いですね。今は日本に慣れたから、そうは思わないけど。
J:私が中国人って聞いて思ったのは福岡で起こった事件ですね。
A:中国人の犯罪について、なぜそんなことするの?って思う。
J:それによって、普通の留学生が暴行を受けたりしたって聞いたから、かわいそうだなと思った。
A:そういうのでイメージができて、中国人はみんな悪い、となってしまう。
C:確かにイメージは悪くなるね。
B:でも、大学にいる中国人を怖いとは思わないよ。
H:事件を起こした留学生が、行っていた学校が日本語学校で、自分が働くのも日本語学校で、そこで言われたのも、教えるより管理をしろと言われましたね。
C:留学の時のお金は稼いでから来るの?
A:そうだね。でもこっちに来てから、倍になるからね。
C:バイトはできるの?
K:許可を得ないとできないね。
C:申請すればいいんですか?
K:それが認められればいいはずだよ。
J:事件の影響でビザの申請の期間も長くなったみたい。
H:教育実習でニュージーランドに教えに行った時、白人よりもアジア系が多くて、あっちに行っても中国人?って言われますね。どうやって金持ちができるのか、なぜ海外に出て行くのかが、気になりますね。
K:華僑の伝統があるからじゃないかなあ。
(一同、華僑の意味がわからない。意味を調べる)
A:中国本土から海外に移住した中国人およびその子孫。東南アジアを中心に、全世界に散在する。牢固たる経済的勢力を形成し、その本国への送金は、中国国際収支の重要な要素をなしていた。第二次大戦後は二重国籍を捨て、現地の国籍を取得する者が増加し、彼らを華人と呼び、中国籍を保持したままの者を華僑と呼んで両者を区別する場合がある。
となってます。なぜお金持ちになるのかは、政府などの固定した給料の人は、お金持ちになりますね。
C:公務員は?
A:先生とかはそうでもない。でも普通よりはいいと思う。工場の人とかは、月々のお金が決まってないから、働く意力も少ないですね。女子とかは夜とか働いて、実家に送りますね。若い人は、地元から出て、働きますね。
C:今バイトして、もらうお金は中国ではどれぐらいの価値になるん?
A:多分村とかでは、節約したら2,3ヶ月持つと思うよ。
B:1元で何が買えるの?
A:パオズが2個買えるよ。小さいときは1元でお腹いっぱい食べれたよ。
F:町のほうが物価が高いよね?
A:そうですね。
F:北京とかは本当に高いって聞いたよ。
A:中国で買い物するときは、絶対値下げしたほうがいいよ。値下げするときの言葉を覚えておいたほうがいいね。
C:日本には、田舎にもちょっとした繁華街があるけど、中国にはあるの?
A:いや〜、村は本当に村だね。あと中国にはあんまり販売機がないよ。
(一同、驚く)
A:今日はみんなのおかげで、ここまでくることができました。ある程度みんな中国のことを、知っていると思いました。みんなの意見を聞けて、納得してるけど中国のイメージはあんまり悪くなくてよかったです。


《編集後記》
ほかの文化について、知らない中で語るというのは、なかなか難しいと感じました。でもこうやって話すことで、みんなが中国について興味を持ち、考えていくきっかけになったのではないかと思います。


「自分の国がどう思われているか」を知りたいのは,別段日本人に限ったことではないようです.何もかも比較すればよいということはありませんが,他と比較することによって,今までは見えなかった一面が見えてくることが多いのも事実です.国際文化学部で熱いハートと冷静な観察眼の両方を養っていきましょう.

(鈴木隆泰)


基礎演習 II・IV

アジア文化論研究室

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