10月9日
日本人はなぜブランド品志向が強いのか?



A:「日本人が海外旅行に行ったときのブランド品あさりは、海外では有名です。ブランド品に対して日本人は一種の憧れを越えた信仰のようなものがあるようにも思えます(ホームページより)。」今日は、日本人はなぜこれほどまでにブランド品に執着するのか考えてみたいと思います。
   ブランド品を欲しがるのは、単にデザインがいいとか、機能が優れているとか、商品自体の基本的な性能がいいからだけなのでしょうか?皆さんはどう思いますか?
B:わたしはまだ学生だからブランドとかよく分からないけど、日本人がブランド品にこだわる理由は、それだけじゃないと思う。持っているとそれだけでその人の価値がアップするというか、「持ってるんだ、すごーい!」っていうみんなの感覚があるから、そういう言葉欲しさに買う人もいるんじゃないかな。
C:でも確かに性能はいいと思うよ。長持ちもするし。最近は若い人もかなりブランド品を持つようになったよね。
D:わたしも確かにモノはいいと思う。親子代々で使うっていう話もよく聞くし。でも日本人はモノがいいというよりも持っているということに満足する人が多いんじゃない?最近はブランド品のリサイクルショップが増えてるんだって。とりあえず持っとこうっていう気持ちが大きくなってるんじゃないかな。手にしているときの優越感っていうか。
E:でもわたしはまだ自分には似合わないと思うから欲しくない。高校のとき友達がプラダの財布を買ったのって見せてくれたことがあったんだけど、すごいとは思ったけど制服に似合ってなかったもんね。
F:偽物をわざわざ大阪まで買いに行ったりする友達もいたよ。何で偽物を買うの?って聞いたら、だって他のみんなには分かんないでしょって。その感覚はわたしには分かんないなぁ。
G:わたしの高校ではクラスの半分くらいがヴィトンを持ってた。だからそれが当たり前っていう感じだったし…わたしもブランドにはそんなに興味はないんだけど、こうやってよく目にするからつい買っちゃうのかなぁ。
A:流れで買っちゃうってこと?
G:わたしは買わなかったけどね。
H:学生の制服とブランドってあんまり似合わないと思わない?ヨーロッパとかはイメージかもしれないけど、気品がある。そういうのに似合うと思う。きれいな言葉遣いで身なりもよしっていう人には似合うと思うけど、そうじゃない若者が持つのはかえって自分の品格を落としてしまっている気がする。
A:ブランドのデザインはかわいいと思う?
B:ブランドによるかな。
(一同:うんうん。)
A:例えば?
B:グッチとか、ヴィトンとか。プラダはあんまりかわいくない。
I:アニエスとかクリニ―クもかわいいと思うな。
G:わたしはアナスイ。
F:グッチかな。
E:特に好きなわけじゃないけど、ヴィトンはかわいいと思う。
H:シンプルなコーチとかディオールはかわいい。
C:グッチは好きだな。シャネルって何となくおばさんのイメージがあって今まで嫌いだったんだけど、最近はだんだんかわいいって思えてきた。
D:アニエスとコーチかな。
A:やっぱり物持ちがいいとかだけじゃなくてデザインも大事なんだ?
(一同:うんうん。)
A:日本人のブランド志向は、商品自体の基本的な性能ではなくて「明治以来の西洋化思想−西洋に追いつけ追い越せでなされた富国強兵や第二次世界大戦での敗戦−の延長上にある西洋崇拝に原因」があるという意見がホームページにあったのですが、これについてはどう思いますか?
J:これは暴論だよね。何歳の人なのかなぁ?この人こそ西洋崇拝のような気がしてしまう。日本文化を理解してないな。でも、こういう意見もひとつの意見だからね。
A:日本人はマスコミの強烈な宣伝もあって西洋のものをありがたすぎる風潮が強すぎるとも書いてありますが、実際はどうなんでしょうか?
B:ないとはいえないと思うけど、その人の言い方だと意味が変わってくると思う。女子高生とかもブランド品をもってるけど、彼女たちは実際に戦争の時代に生きていたわけでもないし…この人こそブランド=西洋のイメージを強く持ってる気がする。
C:それにわたしも含めてだけど、今の子たちは西洋化とかいった感覚はあまりもってないように思う。
J:「日本人があまりにもブランド品を買いまくるので、商品のイメージが下がってしまうとメーカーが困っている」て書いているけど、ブランドはその商品に付加してるイメージが大切なわけだ。だから品自体はたいしたものでなくても高い値段で売られてる。それは会社がイメージ戦略でやってるんだから西洋崇拝じゃないよ。日本人がそれを海外で買うのはもちろん虚栄心があるからで、デザイナーズの商品はもともとそういう性質を持ってるし、売る方もそれを意識してる。
A:「ブランド品志向は自分の自信のなさを隠すために必要なものなのです。」と断言していますが、そうだと思いますか?
J:きっとこの人はそうなんだろうね。理由が欲しいんだろう。
A:では、ブランド品のイメージがいいから買うという人と、周りにあわせて買うという人がいるみたいですけど、どうですか?
C:それは本当に人によって違うと思う。自己満足のために買う人もいるだろうし、自慢したいっていう人もいるだろうし。
E:ヴィトンとかすごく高いものは欲しいとは思わないけど、ポーターとかだと自分も周りもよく知ってるから、そういうのは欲しいと思うし、友達が持っててもいいなって思える。
F:個性って大切。安くてもかわいいのがあるんだし、何を選ぶかはその人の性格にもよるんだと思う。
G:でも実際は仲のいい友達にかなり影響を受けてる気がする。おいてかれちゃうって思っちゃったり。
H:わたしも買う理由はさまざまだと思う。ブランドを身につけてないと馬鹿にされてしまうっていう大学の話をを聞いたこともあるよ。
B:でもそれを身につけることで反対に下品に見えてしまうこともあるよね。
I:せっかくすてきなブランド品を持ってても、地べたに平気で座ったりとかしたら台無しだよ。似合わない。自分だったらそんな時は立居振舞に気をつけるのに。
B:確かに身につけてると気構えみたいなのはあるかも。
A:ブランドにこだわっている人の話を一度聞いてみたいね。どうしてあんなに執着できるんだろ?
J:周りにちやほやされだして、まあ、一種の依存症に近い状態なんじゃないかな。問題は何かで自分をよく見せたいってことが過激になってしまうからだろうね。自分にないものを他に求めるから。そういう意味でブランドは手に入りやすいじゃない。仏教で言えばサンスカーラだ。                  
A:似合う人が身につけるのはいいんですけどね。
J:人間は水に似たところがあって、器によって大きくなったり小さくなったりっていう風に、身につけているうちに似合っていくこともある。ブランドもそういうところはいいよね。
I:男の人はブランドはあまり買わないの?そういえばブランド志向って女性に強いよね。
J:何かに虚栄心を見出すのは男女関わらずあるだろうね。
A:やっぱりみんな自分をよく見せたいっていうのがあるんだよね?
(一同:うんうん。)
D:それがまったく無いと向上もないだろうしね。

A:今日はみんなの意見が聞けてよかったです。


《編集後記》
ブランド品という身近なテーマだったせいか、世間話も交えつつ楽しく話し合いができました。ブランド品を持つことで生まれる満足感や虚栄心は、大きさは様々にしろ、確かに誰にもあることだと思います。だからこそ、持つことによって自分が素敵になれるようなブランドとの付き合い方ができたらいいなと思いました。


節度を持って,ブランド品とよい付き合い方をしていきたいですね.

(鈴木隆泰)


基礎演習 II・IV

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