仏教文化 2003/11/28 No. 9

11/28 授業の感想9号と回答

感想9号（総数 70）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

釈尊在世中から，大乗仏教の如来蔵・仏性思想に至るまでのブッダ観の変遷を辿りました．授業の終わりには「記憶を紡ぎ続けることによる永遠のいのち」の好例として FF IX のテーマを説明し，そして主題曲である Melodies of Life を聞きました．

FF9の歌、善い歌だ･･･。｢死｣という結果よりもそれに行き着くまでの過程が大事なのだということに納得しました。FF9の製作者達が仏教の思想を取り入れたのか、そうでなくともゲームの中にあんなにも深いメッセージが込められているということで、製作者の胸中が伝わるような気がします。それぞれに合う、善い処方箋を出すことができるのが仏陀。そして仏陀の模倣をする者もその働きをする者も仏陀。このような行いが絶えることがないから仏陀は永遠なんですね。人の上にいるでも下にいるでもなく、常に変わりゆく全てのものを見つめているのが仏陀なのでしょう。その人物に会いたい、心に触れたいと思うから人々は瞑想に耽るんですね。しかし出家者(エリート?)はもったいないことをしているように思えます。マニュアル化されたことをしてしまったらそこで処方箋は効能がなくなってしまう･･･。う～ん･･･(TдT)（2年女子）
（彼らは宗教エリートでありながら，「自分たちの処方箋」だけにしか興味がなかったのです．他人のことを思いやってこそ，真のエリートでしょう．）

今日は「現在他方仏、現在十方仏」のあたりが難しく、よく理解できませんでした。「現在十方仏は、この世界にも仏はいるという考え方で、現在他方仏というのは、他の世界に仏をみる」とノートに書いたのですが、読み返してみると、何のことだかさっぱりわからなくなってしまいました…。すみませんが、もう一度説明していただけないでしょうか。（2年女子）
（基本的にはノートの通りなのですが．．．
　釈尊入滅後，ブッダに見えたいという気持ちを持った人への処方箋として，「この世界にはブッダはいないけど，別の世界に行けばブッダに会えるぞ」という思想が現在他方仏思想です．それがさらに進んで，「この世界の至る所にもブッダは満ち満ちているぞ」というのが現在十方仏思想です．この説明でもまだ分からなければ，直接聞きにいらっしゃい．）

FF9の歌、深いですね。仏陀の話と似ている部分があると思いませんか？っと言われましたけど、思います！死んでいくのになぜ生きるのか、それは命が受け継がれるから。命は尊く儚いものだとばかり思っていたけど、強いんですね。釈尊が入滅した後も人々のなかに生き続けているのは、釈尊の生き方、その過程に命の強さを感じるからではないでしょうか。（2年女子）
（うん，うん :-) ）

ファイナル・ファンタジーの曲に感動しました。私は最近ゲームをやったことがないし、スーパー・マリオみたいな感じのやつしかやったことがないので、ゲームの内容があんなに深いことにまず驚きました。あと、仏教にも弥勒という、いわゆるメシア信仰みたいなものがあることが興味深かったです。（2年女子）
（いつの世も救世主崇拝はあるものなのでしょう．）

大乗・小乗の意味をまったく履き違えてました。大・小というのは信仰した人の数の多さ少なさを表しているのかと思ってましたから。正しい事を知ることができて良かった…。内在仏という話を聴いて「仏心」という言葉の意味がわかりました。それはつまり自分の中に様々な処方箋が存在するということなんでしょうか。FF9はやったことがありませんが、最後の戦いの時の主人公達が「永遠の闇」に対して言った言葉にジーンとしました。きっとFFの作者も自分なりに生きる意味というものを考えて、問いかけながらこの作品を作ったのでしょうね。（2年女子）
（内在仏思想（＝如来蔵・仏性思想）は，「誰であってもブッダとなれる可能性が眠っているのだから，それを裏切るようなことをしてはだめだ．眠っているブッダを開花させるんだ．それは必ず成就する．」という処方箋です．でもあなたが「自分の中に様々な処方箋があるということだ」と理解して，それを実践していくのであれば，そのように理解して一向に構わないのです．）

大乗、小乗の話で、なぜ「乗」の字が用いられているかを知り、以前授業で学んだりんごの木への接近方法は人それぞれだったということを思い出しました。泳いでいく人、飛行機に乗っていく人、それぞれの乗り物でりんごに接近していたな・・と。そして漢字に込められていた意味に納得しました。出家者でも遊行型の人達の方が釈尊のやり方を踏襲していると思いますが、彼らはブッダを模倣する人ということですよね？FFⅨの歌詞と歌には感動しました。ゲームから人生や死について学べるとは、驚きでした。（2年女子）
（質問の件，その通りです．）

誰しも仏陀の本質を持つという思想が、現在の多くの日本仏教の基礎になっている思想と知り、驚きました。また、今日はじめてファイナルファンタジーの歌を聴いたんですが、近頃のゲームには、ただ敵を倒すというだけではなく、深いメッセージが込められているんですね。これまで持っていた、ゲーム＝良くないものというイメージが、変わりました。（2年女子）
（仏性思想，基本です．）

誰でもブッダになれるときくとすごく簡単になれそうな気がしました。でもよく考えるとよい処方箋の出し方やブッダを真似するのってやはり簡単ではないですよね。でも、ブッダを模倣する人の模倣とはどの程度の模倣のことをいうのかが少し気になりました。釈尊を模倣するとしたら釈尊がしたこと全てを模倣しなくてはならないのですか？
　自分は FF はしたことがありませんが、自分というものを見出すために旅をするというのは面白そうだなと思いました。釈尊も遊行という旅をしながら民を救っていったことですし。旅をすることは自分の知らない様々なものに触れることが出来るし、きっと旅をすれば自分というものも見つけられ、自分を磨き上げることが出来ると思います。（2年男子）
（釈尊を模倣する場合の基本は「説法（＝処方箋を出すこと）」です．善説は須くブッダのことばだからです．さらに，菩薩の修めるべき徳目として，布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧よりなる六波羅蜜があります．）

授業の最後に聞いた曲はすごく癒されました、メロディーもすごくやさしくて、声もすごくここちよかったです。私はゲームには全然詳しくないのですが、ファイナルファンタジー９まで出てるということは、相当人気なんだな、と思いました。これまでで９作出てるってことですよね？？内容は似てるのでしょうか？それともストーリーが微妙に違うのですか？
ところで、仏陀についてですが、今日、いろんな仏陀を知り、少し混乱しました。法を受け入れたから仏陀で、教えを説いたから仏陀…ということは今も世界中にたくさんの仏陀が存在するということですか？（3年女子）
（FF については私の文章，
　　Date: Fri, 20 Dec 2002 13:57:21 +0900
　　Subject: [kokusai 414] 【 Cherry Press】特別号
　　Message-Id: <20021220135636.767A.IZAO@fis.yamaguchi-pu.ac.jp>
をご覧下さい．kokusai ML を使って皆さん全員に送られています．
　「今も世界中にたくさんの仏陀が存在する」かどうか．うーん，原理的にはそうであるはずなのですが，まだ一人も会ったことがありません．．．）

「弥勒(Maitreya)」は「弥勒菩薩」の弥勒と関係あるのですか？（2年男子）
（未来仏としての弥勒は，現在はまだブッダになる準備段階の菩薩です．ですから，両者は同一です．）

朝から、癒しのいい曲を聴かせてくださってありがとうございました。私は今まで悲しいけど、人は死んだらもう終わりだと思っていました。でも、ＦＦ９の曲や先生の書かれた文章を聴いて、自分が生きていたことを後世の人に伝えていく限り、その人の命は永遠に続いていくと思い直すことが出来ました。今日はそのことに気づくことが出来て、すごくうれしかったです。（2年女子）
（そう思っていただければ私としても嬉しいです．）

よい処方箋を出す人、ブッダの働きをする人、ブッダを模倣する人→ブッダ。というのは納得でした。永遠にブッダの存在を感じることができるし、仏教が途切れる心配もないなぁと。（2年女子）
（まさに「永遠のブッダ」でしょう? ）

以前にも言った事があるかもしれませんが、日本人が信仰心がないなんて、私は思いません。模倣ばかりだとも思いません。国家主義者などではないですが、他の要素を受け入れ、共存してきたことは、誇りに思います。もちろん、受け入れなかったものや行き過ぎることもありますが、それでも、そう思っています。…どうしてこんなことを語っているのかわからなくなりました。仏性がアニミズムと結びついたと思ったのかもしれません。次回はちゃんと思考を整理してから書き込みます。
きょうの授業のペースについていけませんでした。現在他方仏と現在十方仏のところを説明していただけると嬉しいです。
ＦＦ９をした私としては、『ビビ（ヴィヴィ）－－－－！』と叫びたくなります。健気というか、いじらしいというか…。クリアした時の感動を忘れず、そして、ビビの最後のメッセージを大切にしたいと思います。（2年女子）
（上の方でも説明はしてありますが，うーん，他方仏や十方仏思想は難しかったでしょうか．「世界は，この世界以外にもたくさんある」という多世界観が基本になっていて，その多世界のどこにブッダを見出すか，という発想が根底にあります．
　最後のビビのメッセージ，涙なしには語れません．）

(1) 大乗の仏陀観に、善い処方箋を出す人・仏陀を模倣する人・仏陀の働きをなす人＝仏陀だとありました。模倣することは誰にでもできるような気がするのですが、その場合、どれくらい近づけていればいいのでしょうか？
(2) それから、自らを静めるための「瞑想」をする出家者よりも、仏に会いたいと思って「瞑想」をする出家者の方が、仏教に接する者の中では、エリートであるように感じたのですが、教理を学習する者の方がエリートなのですね。もしくは、すでに「瞑想」の世界で仏陀に出会ったから、再び会いたいと思うことはないということなのでしょうか？だからエリート・・・？？？（それは違うような気がしますが。）
(3) そして、今も昔も在家者が一番多いのですか？（2年女子）
（(1) 上の方でも書きましたが，説法と六波羅蜜の修習でしょう．
　(2) 授業では「エリート」ということばを定義せずに，少しラフに使ってしまいましたね．授業では「他者を省みない不遜・傲慢な人たち」という意味で使っていました．勝れた仏教者という意味では，たしかに観仏の瞑想を行った人たちの方が「真のエリート」かも知れません．
　(3) 多くの在家者が少数の出家者を養うという構図は一貫しています．）

授業と関係ない話ですが「他力本願」という言葉は私は他人に頼ってばかりで自分では何もしないような人に対して使うような、どうしてもいい言葉とは思えなかったのですが、本来の意味は違うのですね。ヤフーニュースに出てました。（2年男子）
（正しい啓蒙活動だと思います．合わせて「嘘も方便」の誤りも指摘して欲しかったと，個人的には思います．）

仏陀を模倣する人がいる限り、仏教が続いていくという話で、以前の授業で、仏教の最終目標は仏陀になることというのを思い出しました。仏陀を模倣することが仏陀になる方法なら、多くの人が仏教の最終目的に達することは不可能じゃないんだなと仏陀になる話が身近なことに思えました。（2年女子）
（今日からブッダとして生きていこう! ）

bohisattva（菩薩）は、ブッダになる前の釈尊の呼び名で、よって、ブッダの真似をする人を菩薩と呼ぶようになったというので合っていますよね？（3年女子）
（そうです．元来は成道以前の釈尊に対する呼称であった「菩薩」を，ブッダになろうとしてブッダの模倣をしていく人たち全てに解放したところに大乗は誕生したと言えます．）

FFシリーズは5・6・7・8はやりましたが、それ以降はやったことないですね。せこい（笑）ですけど、そろそろ中古で安く9が販売されていると思うので、今度やってみようと思いました。以前と比べてほとんどゲームをしていないのですが、理由の一つにやったところで自分の為になると思えないので、ゲームに時間を費やすよりも他の事に時間を使うようになっていました。この講義を聞いて、こんなにメッセージ性のもったものもあるとは・・・。ゲームと思って侮るなかれ、ですね。以前にも同じような書き込みをしましたが、今を生きる、大切にするっていう考え方、好きです。この講義をよりリアルに受け止めるためにも、眠っているプレステ２を起動させて実際にプレイしてみようと思いました。（2年男子）
（ゲームはやりたい人がやればいいと思っています．他により大きな価値を見出すならば，積極的にそれをやるべきでしょう．当然ながら，ゲームにその価値を見出すことがあってもよいわけです．）

講義の前日にＦＦⅨクリアしました！なので、感動もひとしおです。実は以前この曲は聴いたことがあったのですが、その時はゲームには全く興味が無かったですし、仏教についても全く知らなかったので、何とも思いませんでした。しかし今この曲を聴くと歌詞の持つ力に圧倒されます。与えられた命を精一杯生きることの素晴らしさを教えてもらいました。最後にビビが語る場面は本当に涙ものでした・・・
仏教文化を受講しながらＦＦをやって良かった～と思います。（2年女子）
（今度ゆっくりお話しいたしませう．）

善い処方箋を出す人･仏陀を模倣する人･仏陀の働きをする人はみな仏陀であるということについて、善い処方箋を出す人が仏陀であるのは分かりますが、それを模倣しても仏陀になるということについて少し疑問が残りました。模倣というのはどの程度の模倣のことを言うのでしょうか？私は仏陀は目覚めた人のことだと解釈しているのですが、模倣することは目覚めたということになるのでしょうか？（2年女子）
（模倣する人は，その人個人の自覚としては，決して自分はブッダであると認識しているわけではありません．彼らはブッダになろうとしてブッダを模倣する人であり，菩薩です．でも，他の人から見れば，菩薩たちはブッダの仕事を代行してくれていることになります．救いを待つ人にとっては，ブッダの仕事をする人がブッダなのです．お分かりでしょうか．）

善い処方箋を出す人、ブッダを模倣する人、ブッダの働きをする人、すべてがブッダだということでしたが、ブッダはもっと崇高の存在として見なされるものだと思っていました。正直、ブッダを模倣する人がブッダと見なされるという概念は私には理解できません。。。（2年女子）
（例えば，教育実習生は教員免許を持っていませんが，授業を行って生徒に知識を与えるという点で「先生」と見なされますよね．あなたはどうでしたか? 教育実習生を「先生」とは呼びませんでしたか? ）

日本に伝わってきた仏教が、釈尊入滅後の、しかもそのなかのほんの一つのブッダ観に由来しているものだと知って、日本の仏教とはだいぶ距離があると感じました。日本にも仏塔があることは以前の講義で知っていましたが、その本当の由来を日本人が知らないのは残念に思われます。
FF9は、弟がプレイしクリアしてたのをずっと見ていました。『Melodies of Life』はCDも買って、聴くたびにゲームのストーリーと歌詞が重なってきて感動しています。人はいずれ死んでしまうのに、どうして今を精一杯生きるのか。誰しも自分が生きている意味が分からなくて悩む時が来ると思います。それはとても苦しいことだけど、そういう時期こそが人を強くし、希望を見つけるチャンスなのだと思います。私はこのゲームで「自分はどうして生きているのか」という難題をぶつけられました。まだ答えは見つからないけれど、そうやって考え続けながら生きていけば大切なことがいずれ見えてくるはずだと思います。ゲームのメッセージと釈尊の考え方がこんなふうにリンクしているなんてちょっと意外でした。（2年女子）
（いろいろ「つながっている」のだと思います．）

(1) 大乗では教団の集団規則を守っている限り、僧院型出家者と遊行型出家者は同じ集団にいられるとのことですが、その規則は基本的にどんなものだったのですか?buddhaを信じている姿勢は一緒だとは思うのですが、やり方が違いすぎているように思います・・・はたしてどのように共存したのでしょう？
(2) FFⅨは私がゲームによって初めて泣かされた、思い出深い作品です。嬉し泣きのような変な感覚でしたが、エンディングと呼ぶに相応しいエンディングで、素直にやってよかったと思えました。エンディングの曲で良さが少しは伝わりやすいと思いますが、知らない人にはやっぱりゲーム本編やって欲しいと思います。（2年女子）
（(1) 月に何回か集って，戒律の条項を確認し合う儀式「布薩」が代表例です．何事も私たちの「常識」だけで判断してはいけません．私たちの「常識」が，他の場所では「非常識」になることだってあるのですから．
　(2) 感動を共有できるって素晴らしい! ）

家にゲームの無い環境で育ったのでファイナルファンタジーⅨがゲームなのになぜそんなに強いメッセージをもてるのかということが疑問でしたが、話の内容や、エンディングの曲の歌詞を追っていくとその理由が見えてきたような気がしました。でもどうやってそれをゲームとして成立させているのかがまだ分かりません。（実際やってみるしかないのだと思いますが・・・）記憶の中での永遠の命、いずれ死んでいくのに何を残せるか、どう生きたかという過程が重要だという先生が説明の時に使われた言葉が強く印象に残りました。（2年女子）
（FF IX がどんなゲームなのかは，リンゴの味と同じで，結局は体験するしかありません．）

生きたことばを重視し、善い処方箋を出そうとブッダを模倣するという点は解ったのだが、「ブッダの働き」とはどういったことを示すのかがよく解らなかった。働きとは真理を悟ったり、処方箋を出すことを指しているのでしょうか。
　また印象深かったのはFFⅨの話だが、私は歌よりも最終決戦のときの主人公たちの台詞の方に興味を引かれた。闇というものは人々の心から決して切り離すことの出来ないものであると思う。常にその存在を意識している訳ではないが、その意識の強さが変化することによって絶望や希望が生まれているような気がする。それで思ったのが絶望と希望は案外紙一重なものであったりするのではないだろうか、ということだ。勿論、本当に絶望してしまえば元も子もない状態になるが、後ろを振り返ることで前を向き直すことが出来たり、絶望を想うことで希望を見出せることもあるように思えるのである。だから自分には悔いのない生活というのは送ることが出来ないし、毎日を大事にすることが出来ず、絶望を想起することも少なくないとは思うが、闇と闘い、自分に処方箋を出そうとする姿勢だけは放棄しないで生きたいと感じた。いろいろ考えさせられた講義だった。（2年女子）
（ブッダの働きの第一は「説法」でしょう．ブッダ buddha と教え・真理 dharma との結びつきは，仏教にとって本質的であると言えます．
　FF IX，これを機会にやってみませんか? ）

FFの曲、かなり感動しました。朝っぱらから泣ける曲を聴けてしみじみ生命や人生について考えました。人間は確かにみんな死を迎えるけど、その時が来るまでの時間をどう生きるかは全く自由なものであり、自分次第でどうにでもできると思います。必ず死が来るんだから頑張っても無駄だ、と考えるより、必ず死が来るんだからこそその与えられた時間を一生懸命生きよう、と考える方が人間らしくて賢明だと思います。だから人生は－志向より＋志向がいいし、未来に夢をもって生きていきたいものですよね！！命が受け継がれて永遠になるという考えに本当に感動したので、いろんな人に話してあげようと思います。
気がつけばもう2003年もあと33日です。時間は容赦なく過ぎていくので、仏陀の教えの通りその時その時をしっかり生きていきたいです。（2年女子）
（私もがんばらなくっちゃ．）

大乗仏教が生まれるきっかけになっった、万人が誰でもブッダになることができるという考えが広がったのはとてもよいことだと思いました。よい処方箋を出すことができる人はブッダに限らず、(困っている人の)家族であったり、友達であったり(範囲が狭いですが・・・)すると思います。知らず知らずに誰かの救済者になっていられれば、嬉しいことだと思いました。
死ぬのになぜ生きるのか・・・。難しいです。だけど、私の好きな言葉で「充実した一日が幸せな眠りをもたらすように　充実した一生は幸福な幸せをもたらす」という言葉があります。死というものは、怖い存在だけど、すっごく楽しかった日はとても満足して眠れるように、毎日を生ききることができたら、とても幸せ者なんじゃないかな、と思うんです。だから、釈尊の「今を大切に！」という言葉もとても好きだし、いつ来るかわからない「死」を気にしながら生きることは、もったいないと思います。今、生きているのになぜ「死」を気にするのか？？と、考えるのも無駄だし、それなら、充実した一日を送れるように精いっぱい生きたいです。（2年女子）
（人が持っているエネルギーを，善く生きるためのプラス方向に生かそうというのが仏教の教えです．それは，他の真っ当な宗教でも変わりがないと思っています．）

【総評】 Cherry Press 特別号の私の記事から引用します．
　　

Date: Fri, 20 Dec 2002 13:57:21 +0900
Subject: [kokusai 414] 【 Cherry Press】特別号
Message-Id: <20021220135636.767A.IZAO@fis.yamaguchi-pu.ac.jp>

この主人公の態度から導かれるのは，
・死という「結果」ではなく，どう生きたかという「過程」が大切
・記憶を介した役割のバトンタッチ
・記憶を通して紡ぎ続けられる“永遠のいのち”
ということになるでしょう．死が不可避であるからといって，現在の生
を疎かにしてよい理由とはなりません．また，生に執着する余り，不老
不死の薬を求めて人生を浪費するのも愚かです．いずれ消えていく運命
を背負った者たちが跡に何を残せるのか，視点を変えれば，その跡に残
されていったものが“永続するいのち”と言えるのではないか，FF IX
はそんな問いかけを，少なくとも私にはしてくれました．

昨今，Quality of Life（略して QOL）という考え方が盛んに行われてい
るようです．意味は
・生命の質
・生活の質
ということのようですが，どうも私には何かを忘れているような気がし
てなりません．Life を「生命」「生活」と理解するだけでは，どうにも
即物的・実用主義的過ぎる気がするのです．やはり私は第一義に
・人生の質，いのちの質
と理解したいと思います．

「永遠の闇」に言われるまでもなく，私たちは皆「死ぬ運命」にありま
す．だからこそ「どう生きるのか，どう生きたか」がかえって大切にな
るのではないでしょうか．

ブッダを模倣しながら，生を燃焼させて善く生きることができるか．　私の永遠のテーマです．（鈴木隆泰）

宗教文化研究（仏教文化）

アジア文化論研究室

suzuki AT ypu.jp