仏教文化 2003/10/31 No. 5

10/31 授業の感想5号と回答

感想5号（総数 65）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

釈尊の方便（処方箋）の有り様を，舎利弗・目連，キサーゴータミー，アングリマーラそれぞれの逸話を通して紹介しました．

釈尊のそれぞれの人に応じた返答の仕方は見事だと思います。ずばり真髄を突いていますね。舎利弗やアングリマーラが弟子や釈尊の姿を見て受けた印象は、私達が凛とした人を見た時ただその姿に惹かれる感じと似ているのではないかと思います。（2年女子）
（仏典には様々に「釈尊には威光があった」と記されています．）

キサーゴータミーとアングリマーラの話で、仏教は人に教えを説くのではなくて、問題の答えまでの方法を教え、その道まで導く手助けをするものなのだ、ということがよく分かった。キサーゴータミーとアングリマーラは釈尊に会えて運が良かったと思う。でも、アングリマーラは釈尊に会わずに、千人殺していたら、どうなっていたのでしょうか？現身説法は、とても立派なことだと思う。親や教師にも現身説法の考えは当てはまるのではないかと思う。（2年女子）
（心いたします．もちろん，もう大学生であるあなたちもそうです．）

今日の釈尊の話は「伝説」や「伝承されてきた話」などといったものだったんでしょうか？そこを理解せず聞いてしまったんですが、二つとも感慨深い話で本当に「教え」というかんじではなく、人が誰でも心に持つ善の部分をついた話であったと思います。釈尊の「方便」も今日の話で理解できました。悩む人に解決？解消？の手段を提示するというのはこのことだったんですね！（理解したと言いつつやっぱりまだあいまいな部分が・・・。）私はキサーゴータミーの話が一番好きです。今日の授業はとてもおもしろかったです！（2年女子）
（仏教・釈尊限らず，宗教史上の偉人に纏わる話は「全てが伝説」です．）

アングリマーラという人の話が印象に残りました。本当に一瞬一瞬で人の人格は変わってしまいますよね。私はそれを繰り返しながらジタバタして生きてるんだと思いました。それに対してbuddhaは出家してから動じない、どっしりとした生き方をしているように思いました。自分という存在を認めること、他人という存在を受け入れることができるようになれば何事にも動じない心を持つことができるのかなと思いました。（2年女子）
（「buddhaは出家してから動じない、どっしりとした生き方をしている」という指摘はまさにその通りだと思います．でも，彼がそのような生き方ができたのは彼が buddha であったからと考えるべきではありません．むしろ，そのような生き方を常に心掛けて実践していたからこそ，彼は buddha であり続けることができたのだと思います．ブッダとは，一度覚ってしまえばよいという存在ではなく，常にブッダであり続けることによって獲得し続けなくてはならないものだと考えます．）

その人に必要なものを見抜くということは、ありのままにその人を見るとできるのだろうか、と思った。（2年女子）
（サンスカーラを通さない曇りなき観察眼と，生来の共感性の高さが相まったのでしょう）

キサーゴータミーとアングリマーラの話を聞き、釈尊のすごさを改めて実感しました。人々がどんな悩みを持ち、またどんな救いを求めているのかを即座に見抜いてしまうなんて…実際目の当たりにしたらちょっと怖い気もします。仏教は、創始者である釈尊の入滅後も多くの人々に信仰され続けた。その理由に法の本質が関係しているということでしたが、早くそのお話聞きたいです！次回も楽しみにしてます。（2年女子）
（善い意味で「鳥肌の立つような人物」に会ってみたいものです．）

五比丘の誰かは、体中に釘を刺す苦行をしていたように思います。仏陀の弟子になった以降も刺したままだったと思うのですが、これは手塚さんの、キャラクターとしての扱いでしょうか。仏陀の弟子になったなら、必要ないように思います。また、舎利弗と目連は、超能力者のように描かれていました。これは何かの伝承からでしょうか、それともやはり、手塚さんのイメージなのでしょうか。（2年女子）
（前者は手塚先生のアイデアでしょう．後者は目連についていえば，彼は「神通第一」とされていて，伝説では超能力の持ち主ということになっています．彼に限らず十大弟子は「…第一」という称号を持っています．舎利弗は「智慧第一」，釈尊の実子のラーフラは「密行第一」などといった具合です．）

キサーゴータミーやアングリマーラの逸話を聞き、改めて釈尊の偉大さを考えさせられました。アングリマーラの話については特に、今まで千人もの人を殺し、自分をも殺そうとした殺人鬼に、自分を取り戻させ、弟子として受け入れるなんて、本当に心が広い。釈尊自身も苦しんできたゆえの冷静さ、慈悲深さなんだろうと思いました。アングリマーラの話はとても興味深かったので、何か本があるなら読んでみたいです。釈尊って本当に渋い！！（2年女子）
（渋いんですか? (^^;
　アングリマーラに関しては，私のゼミ生がアングリマーラに関する卒論を書いている最中です．）

キサーゴータミーの話しを聞いたとき、聖書の中のイエスキリストのエピソードに似ているな、と思いました。それはイエスが神の言葉をいろんな地方で述べ伝えてるときに、息子をなくしたあるやもめの葬式に遭遇したときでした。その母親のつらそうな姿を見たイエスは、憐れみを感じられ、その息子を奇跡的に生き返らせた、という話しです。そのやもめも、夫をなくしており、子どもが唯一の慰めだったのです。スパイスの話しはでてきませんが、状況が似ているな、と感じました。また、アングリマーラの話しも、前半が、古代イスラエルのヨセフの話と同じでした。ヨセフは、エジプトでポテパルという地位の高い人の奴隷として使えていたのですが、あるときポテパルがいない時にポテパルの妻がヨセフを誘惑しました。でも、ヨセフはそれが神からみてよくないことだということを知っていたので、すぐにその場を去りました。すると、アングリマーラの話同様、妻は誘いを断られたことに腹をたて、ポテパルが帰ってきたときに偽りの訴えをします。それをうのみにしたポテパルはヨセフを牢屋に入れてしまう、という話しです。1000人殺せとは命令しませんでしたが、それまでの過程が非常によく似ていました。この共通点は何か意味があるのでしょうか？？ちなみにアングリマーラの話しは実話ですか？それと、なんで1000人殺して、指を首飾りにせよ、という命令なんですか？？1000という数字に意味がありますか？また指には特別の意味づけがあるとか？？（3年女子）
（興味深い感想をありがとう．特にポテパルの逸話とアングリマーラの逸話とは，比較検討してみる価値がありそうですね．
　上の方でも書きましたが，聖典中の話は，多かれ少なかれ全て「伝説」です．もちろん，「伝説イコール作り話」ということではありませんが，「実話云々」というレベルで突き詰めていくべき対象ではないでしょう．）

鈴木先生は輪（cakra~~chakra~~）は円形の武器といわれていたけどチャクラムとは違うんですか？そこのとこが気になりました。（2年男子）
（今回の講義を受けて，他に感想はないの?
　チャクラムって有名なんですか? 知らなかったので調べなくてはいけませんでした．質問するならこちらが分かるようにそれなりの準備や用意をしてから質問して欲しいと思います．
　ゲームが神話を利用する例は決して珍しくありません．この場合もその一例です．）

地獄・餓鬼・畜生の餓鬼は現在では子供のことをののしって言うことが多いですが、何か関係があるのですか？？漢字にしてみるととてもひどい言葉だと思います。欲を満たすために飢えている鬼ですよね？
やはり、僕達のような凡人は菩薩界や仏界に行くことはできないのでしょうか？一体どのような人が仏界という境地に立つことができるのですか？？（2年男子）
（「餓鬼」については自分で調べてみよう．
　ブッダとして行動するとき，その人はブッダの境地にあるのだと思いますよ．）

今日の授業で、釈尊ってなんて人なんだと思いました。キサーゴータミーにしても、アングリマーラにしても、会った瞬間にその人の抱えている悩みや問題などをすぐに理解し、またどのようにすればいいかを直接的に言うのではなく、あくまで間接的に示唆することでその人を解決の道へと導くことができるなんて、本当にすごいと思いました。先週の講義の時の「人から言われるのではなく、自分で経験してからこそ理解ができる」ということが、今日の授業でより明確にわかった気がしました。（2年女子）
（どんなに素晴らしい教えでも，その教えに身を浸して生きていかない限り，「絵に描いた餅」に過ぎません．）

今日はキサーゴータミーとアングリマーラーの話に釈尊ってすごいなぁと感動しました。りんごを食べたことが無い人にりんごの味を説明してもわかってもらえないというように、釈尊はこちらから一方的に押し付けるのではなく、その人がどうやったら気づくのか、何が足りなくて何が必要なのかということをしっかり見抜いているところがすごいと思います。しかも長々と説明するのではなく、たった一言で人の心を動かせてしまうなんて・・・。釈尊はかっこいい人ですね。（2年女子）
（かっこいいですよね．）

cakraを持っているビシュヌシンって何ですか？あと、如来に対して名前で呼んだらいけないのはなぜですか？それなら何て呼べばいいのですか？（2年女子）
（ヒンドゥー二大神の一人のヴィシュヌのことです．もう一人はシヴァです．
　如来・ブッダを名前で呼んでいけないのはなぜか．一つは「俗名を捨てたから」で，もう一つは「ヴァルナ・カーストの縛りを離れたから」でしょう．インド社会において名前は，その人の出自と深く関わっています．弟子は彼のことを「世尊，尊師 bhagavat」と呼んでいます．）

仏・法・僧が並び三宝とされるのが、しっくりきません。ここで「仏」の意味するのは、真理に目覚めた人全般ではなく、釈尊のことなのでしょうか。そうでなければ、実践者のなかで悟りを開いた僧との意味が重複するように思うのですが。（3年女子）
（仏は釈尊に限らず，真理に目覚めた人を指します．僧は僧侶個人のことではなく，実践者の集団のことです．ですからその中でブッダとなった人がいれば，僧の一員ではなく仏としての宝（仏宝）になるのです．）

アングリマーラの話を聞くのはアジア言語特講以来だったので懐かしく感じました｡釈尊がアングリマーラに｢『聖なる者に生まれ変わって以来故意に生き物の命を奪った覚えはない』と言いなさい｣と答える場面を訳したときは､｢更生する｣｢悔い改める｣ではなくて｢生まれ変わる｣という表現であることに気付いても特に何も感じませんでした｡しかし今回の講義でそれが輪廻転生･諸行無常につながっていくものであると知り､なぜ｢生まれ変わる｣なのか目から鱗が落ちる思いでした｡輪廻転生が生きている間の一瞬一瞬に起こりうるということを､頭の隅に残して生活したいと感じました｡（2年女子）
（頭で理解するのも大切ですが，その体系に身を浸して体得していくことが本当は求められるのです．）

今回の話は実に感銘を受けました。まさにトリビアの泉です。（笑）釈迦の説得力はすごいものがありますね。私も何か悟りたくなりました。合掌…。（2年男子）
（NG ワードです．覚る（さとる）以前に，このままでは君の単位が危ないです (^^; 気をつけましょう．83へぇ．）

今回の講義で、現身説法というのに、なるほどそういうことはあるだろうなと思いました。これは仏教の教えなのだろうけれども、仏教以外にもガーンディーやマザー・テレサなどもきっと見ただけで打たれるものがあったと思うし、お会いしたことはないけれどダライ・ラマもそういう人の一人なのではと思いました。
　２つの説法では、絶対の神が許したのではなく、釈尊が許したのでもない、自分でサンスカーラに気付かせるというのが重要という釈尊の教えは画期的だと思った。このため釈尊が亡くなってからも仏教は広まっていったのかと納得しました。
　釈尊が悟りを開いたあと、人に伝えることはできないと思っていたのに、梵天勧請の後には生涯ずっと遊行して教えを説いて回ったのは、その必要性を強く感じたからなのでしょうか。（3年女子）
（釈尊が「ブッダ」だったからだと思います．「説法」と「ブッダ」との関係は，今後説明していく予定です．）

中国でも実は仏教についてのビデオが見たことがあったんですがそのときは信じられなかったんです。でも先生の授業を聞いてだんだん仏教のことについて興味を持つようになった。キサゴータミーの話にも感動したし、輪廻転生のことにも信じようと思っている。先生は仏教のことについてどう思われ思いますか？仏教は科学的に存在していますか？そういう理念を信じてもいいですか？（3年女子）
（仏教の真理性を科学的に証明できるかどうかというご質問ですか? あなたの理解している「科学」が何を指しているのか不明ですが，「分からないものに対して無理矢理説明をつけるようなことをしない」という点で，仏教と科学は整合性があります．ただし，把握・体験した真理がその人個人の内的レヴェルのものなのか，客観的事実を持っているのかという点では，仏教（のみならず宗教）と科学とは大きな違いがあります．）

今回の講義では、やはり私もキサーゴータミーやアングリマーラを救うきっかけとなった釈尊の言葉に強い感銘を受けました。悩んだり迷ったりしている人にアドバイスをしたくてもなかなか良いと思える言葉は見つかりません。しかし釈尊は、その人が置かれている状況に合わせた処方箋を的確に与えていました。伝えたい内容が同じでも、その人の伝え方によっては効き目があったりなかったりするので、多くの人の心を苦しみから解放した釈尊は本当にすごい！と思いました。もし私が釈尊に出会えたとして何かアドバイスをしてもらえるなら…どんな助言をしてもらえるのか気になります。（2年女子）
（このことを気にかけていけば，いつかは「自分で」答えを出せるはずです．仏教とはそういう宗教ですから．）

釈尊が関わってきたさまざまなエピソードが聞けて面白かったです。なぜそこで都合よく釈尊が現れて、人々は救われていくのかとても興味を抱きました。彼らの元に釈尊が現れるのは、ただの偶然だったのでしょうか？釈尊はどこまでのことを悟っているのでしょうか？救いを必要としている人の存在がわかるのでしょうか。また釈尊はすべて正しき方向へ導いているのか？彼らは釈尊の弟子になることによって、最終的にはどのような悟りの境地に行き着いていくのでしょうか？考えれば考えるほど疑問が膨らんでいくのですが･･･。（2年女子）
（あなたへのアドバイスはただ一つ．「先に矢を抜け」です．なぜだかお分かりですか?）

授業の最後の方に先生が話されたテーリーガーターの話の最後に生きている間に様々な心の常態になることも輪廻転生なのではないかとおっしゃった事が大変印象深く残りました。今まで思っていた輪廻転生は生と死という概念の中だけでしたが、生きている中でも輪廻転生は存在するものだと考えさせられました。また、このように人間の心の状態が常でない事は諸行無常であるということも輪廻転生と同じように、考え方の幅が広げさせられました。今回は輪廻転生と諸行無常に対する私の考えを変えられてしまう授業でした。（2年女子）
（認識を新たにしていただいて嬉しいです．）

今回、キサーゴータミーの話が一番、考えさせられました。子供が死んだ悲しみから抜けだせない母親に周りが「かわいそうね。」、「元気を出して！」といくら言っても、母親が自分の中で解決していなければ、なんの意味もないと思う。だから、釈尊は、母親にひとりで解決する時間を与えて、母親の心の中に余裕を持たせたのだと思う。何事にもいくら周りがせかしても、本人がその気がないなら意味がないように母親が自分の中で解決できたその時に初めて周りの声(はげましなどいい応援)が必要になってくるんではないかな、と、思った。（2年女子）
（自力と他力の「二人三脚」が仏教の基本なのだと思います．）

釈尊のすごさを思い知らされた授業でした。キサーゴータミーやアングリマーラの話を聞いても「さすが、宗教上の英雄」と思ってしまいます。その中でも「私は聖なる処へ生まれ変わって以来…」という言葉にはとても胸を打たれました。人が善くも悪くも変わるのは自分次第で人は常に変わり続けているのですね（諸行無常）。今の自分をもっと善くするには、やはり自分の意識が大切なんだと思います。（2年女子）
（人間は善く生きるため，善く生まれ変わるために生まれてきたのかも知れません．）

現身説法、キサーゴータミー、アングリマーラ。この３つの話には自分自身色々と考えさせられるものがありました。どれも釈尊（仏教）の教えの本質そのものだなという感じを受けると共に、各人に合った処方箋を与え、心に安心をもたらせるその説法に対し、「本当に仏教っていいものだなぁ」と感じました。人間は善くも悪くもなる生き物。そう考えるとこの世の中には犯罪を犯したりする人間もいるけれど、本当は皆善い心を持っている。けれどその自分に気付いていない人が多いということは悲しいことだなと思いました。今仏陀がいたら現代人にどんな教えを説いてくれるのでしょうかね‥!?
あと、初転法輪のところが理解できなかったので質問なのですが、「輪」「転輪王」「初転法輪」は仏陀とどう関係しているのですか？どのように関連付けて理解すればよいのでしょうか？（3年女子）
（ブッダの説法を「転法輪（法という輪 cakra を転ずる）」といい，特にその最初の説法のことを「初転法輪」といいます．これは，インドにおける伝説の王である転輪王 cakravartin が，輪 cakra という武器を使って敵を打ち倒すように，ブッダは法 dharma を武器・輪 cakra として無明という敵を打ち倒すことから，ブッダの説法を「転法輪」というようになったのです．）

今日の講義を通して、釈尊は素晴らしい人だなと改めて感じました。りんごを投げつけるではなく、自分の力でたどり着ける様に導くその方法、教えに感動しました！特に、キサーゴータミーが「人は死んでしまう」ことに気付いたとき、受け入れられない、受け入れたくない死を受け入れ、それを認め、乗り越えながら生きていく力を、自分の力で得たんだ！と感動しました。キサーゴータミーは釈尊に出会えてよかった！そして、今、多くの悩みや苦痛を抱えている人の前に、釈尊が現れてくれたらなと思いました。（でも釈尊が亡くなっても、教えは永遠ですよね）次回の講義も楽しみです。（2年女子）
（彼女は悩み・苦しみを「解消」することができたのです．）

釈尊の在り方の凄さが改めてわかった授業だった。最初、アングリマーラの話の中で出てきた「動いている」が何のことを指しているのか理解出来ずに戸惑ったが、「人間の質はいろんな状態になる」という意味で使われていることがわかって納得出来た。その「変化」＝「諸行無常」ということは時にとても恐ろしい変化を導くこともあるものだが、けれどもやはり私たちの多くは諸行無常でしか成り立たないと思う。そこで疑問に思ったことなのだが、釈尊自身には良い状態・悪い状態になるといった変化はないのでしょうか？悟った状態である釈尊にとってはそういった変化とは無縁なのでしょうか？そうであれば本当に凄い。私は変化なしでは生きられない。故に私は変わってしまうということを受け入れたい。釈尊のようにはなれないので。その中で物事を出来るだけ正しく判断していけたらいいと思う。様々な犯罪が勃発する中で無駄なく人々を良い方向に導くことが出来る釈尊が現存したらどんなにいいことか…。（2年女子）
（下線部について．そうではないと思います．彼は常に「覚った状態（＝ブッダの状態）を維持し続けた人物」だと思われます．詳しくは釈尊の入滅直前の話の時にする予定ですが，私は，だからこそ釈尊は本当に凄いと思っています．）

【総評】釈尊の説法（方便）の真意をサンスカーラと絡めて正しく理解してくれた方が多く，私も大変嬉しいです．次回は「中道」を見ていきましょう．（鈴木隆泰）

宗教文化研究（仏教文化）

アジア文化論研究室

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