7/4 授業の感想11号と回答
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原文の一部を修正したものがあります.
男子・女子の区別は氏名に基づく判断です.もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい.
一気に中世を駆け抜け,英領インドまで来ました.後半ではついに映画『ガーンディー』を見始めることができました.
- 映画「ガーンディー」を観て、「非暴力、不服従」ということを口にするのは簡単?だけど映像を見て実際に実行することの大変さを実感した。まだ途中だけど、鳥肌がたつシーンが何度かあって感動した。早く続きがみたいです。(1年男子)
(鳥肌の立つシーン,これからもまだまだありますよ.特にダラサナ製塩所のシーンは圧巻です.)
- 今までガーンディー
ガーンディについては、インドを独立に導いた人というくらいにしか知りませんでした。ガーンディーガーンディが暴力的な抵抗をせず、けれど絶対に服従もしないという信念をずっと持って活動していたことが分かりました。大きな力に対抗することは勇気のいることだけれど、1つの信念を宣言し、実行している人の姿は、何よりも大きな力を生み出すことの出来るものだと思いました。(1年女子)
(そうそう (^^) でも,多くのインドの民が彼に同調してくれたからこそ,初めて達成できたのです.)
- 今日から映画鑑賞だった。まだ半分くらいしか見ていないが、それだけの範囲からもガーンディー
ガーンディの自分の国を思う心、非暴力・不服従を貫く信念がはっきりと伝わってきた。目に余ったのはイギリス側の暴挙!知ってはいたけれど、やはり映像になると直視しがたいものがあった。価値観の押し付けがこういう事態を引き起こす、ということの典型だと思う。個人的にイギリスが好きだが、この歴史だけは絶対許せない。どんな正論を振りかざそうとも・・・。(1年女子)
(あなたはアムリッツァーの大虐殺のシーンを見ることができますか?)
- 今日見た部分だけでは、ガーンディーのすべてはわかりませんが彼の考え方について少し理解できたと思います。彼の南アでの演説の際、聴衆から「悪党をやっつけるためなら自分も死ねる。」などとありましたが、普通はその通りだと思います。もし仮に私が同じ立場であったならまったく同じ意見を述べたと思います。しかし、ガーンディーは暴力による抵抗はしないと仰りかつ服従もしない考えを皆に言い聞かせました。このようなことは自分だったら考えつきません。インド独立の父と呼ばれる彼は、このような点で私たちとは違う何か長けているものを持っていたのかもしれませんね。(1年男子)
(映画全体て見たとして,ガーンディーの全てを理解することは到底不可能です.satya による切り口も,彼の人物像の一断面に過ぎません.もちろん,その断面が非常に大きいものであることは自認しています.)
- ムスリムのイメージが大きく変わりました。彼らはただ「自分と違う奴らは殺す」考えではなかったんですね。(1年男子)
(その通りです.ただし,彼らがインドに侵入して虐殺行為を行ったこともまだ事実です.)
- 今まで前期この講義を受けてきて一番に感じたことはまず鈴木先生の説明はわかりやすいのでインド文化を楽しく学べそうだと思いました。そしてインドの文化はとても深くここだけの講義では語りつくせないのだなと思いました。今まで歴史や地理で少しインドについてやることはあったのですがインドオンリーの勉強を知ることはなかったので最初は抵抗もあったのですが講義を受けていくうちにインドの人たちの考えが少しずつ好きになって今まで自国主義で日本以外興味がなかったのですがインドもいいなぁなんて思うようになりました(笑)
僕は山口で鷺流狂言を10歳のころからやっているので日本の文化芸能には少し興味があったのでこの学校に来たのですが最近思うことで日本の芸能だけを学んでもほかの比較するものがないとそれそのものの本当のよさはわからないのではと思いました。だからこの講義を通してインド文化を好きになったことは僕にとって最高の収穫だったのではと思います(笑)
(1年男子)
(それはよかった!! (^_^) )
- 一度この映画は見たことがあります。最初見たときはただ単純に感動しましたが、今回はもっとガーンディーの生き方について深い理解ができると思います。先生のおっしゃるとおり、南アでの演説には satya の考え方が含まれていると思うし、インドの分離独立に最後まで反対する姿勢は底なしの胃袋の裏返しなのかなとも思います。
しかしそれでも普通に泣きそうになってしまいます(最初の暗殺シーンなど)。一度見ているだけに。(1年男子)
(泣いちゃうよね.分かる,分かる)
- ガーンディーに至るまでのインド史をさらっと見ましたが、思ったよりもイスラムの介入が多いようで驚かされました。ムスリムとヒンドゥー教徒が共存できていた社会はすばらしいと思います。それぞれの宗教が寛大さや柔軟さをもっていたからこそでしょう。しかし先生は、仏教徒はムスリムに虐殺されたとおっしゃいました。何故そんなことになってしまったのですか?(1)
映画を見て、ガーンディーの成したことは生半可な覚悟では絶対にできないと痛感させられました。当時のあれだけの暴力・権力に非暴力で立ち向かうのは、それこそわが身を削る覚悟が必要でしょう。あのアパルトヘイト下で最初にそれを示したガーンディーの大きさが、私には計り知れません。(2) 続きが楽しみです。(1年男子)
(順にお答えします.
(1) 仏教徒の蓄えていた財が目当てだったようです.宗教目的というより,よく見られる戦争における残虐行為・略奪行為です.
(2) 正式なアパルトヘイトの施行は第二次大戦後ですが,映画で見ても分かるように,人種差別政策はすでにそれ以前から行われていました.ただしガーンディーの行動は,差別に悩む「南アフリカの人たち」の救済を目指したものではなく,あくまで「インド人」のためのものであったことを覚えておいて下さい.)
- 今日の講義を受けて、映画を見て、すごく大切なものを学んだ気がします。人の考えに惑わされず、自分の持っている信念を貫くあの勇気にすごく感動しました。自分の信じている事は最後まで信じ続ける、とても大切なことだと思います。ガーンディーの奥さんの「夫に従うのが恥ですか?」という言葉にもすごく感動しました。歴史が好きなのでこれまで習ったことがでてきてよかったです。来週の映画の続きがとても楽しみです☆(1年女子)
(簡単なようでいてとても難しいことですよね.
奥さんのセリフ,“My dignity comes from following my husband.” です.)
- Gandhi も苦労したのは分かりますが、それを影で支えていた奥さんがインドに帰った時に受けていたインタビューに『夫に従うのが恥ではない』と言っていたのに感動しました。映画には関係ないんですが、結婚する時にカーストに因る制限はあるんですか?洗濯のカーストの女は洗濯のカーストの男としか結婚できないとか?例えば洗濯のカーストの人とアイロンのカーストの人が結婚した場合はどうなるんですか?(1年女子)
(カーストによる制限,ものすごくあります.基本的には同一カースト内での結婚です.異る場合は,男性が高くて女性が低い場合は許されますが,逆は許されません.)
- ガーンディーの映画を見て、初めて彼のことを(詳しく)知ることができました。彼が弁護士だったこと、洋服をきていたことや、大英帝国民として認められようとしていとことに驚きました。PDFファイルとテキストファイルを使用しての提出方法がわかりません・・・。申し訳ありませんが、詳しくご説明ください!!(1年女子)
(テキストファイル形式,もしくは PDF 形式の文書データを電子メールに添付してください.この説明で分からない場合は,詳しい方に聞くか,もしくは A4 用紙での提出をお勧めします.)
- ガーンディーの基本的な考え方はインド的な考えではなく英国(?)の考え方だったとは驚きです。(2年男子)
(何をもって「基本的な考え方」とするかによりますが,やっぱり「インド的」だったと思いますよ.)
- ガーンディーが南アフリカで演説をしたときにイギリスの警察に向かって「私の死体は手に入れることができても、服従は手に入れることは出来ない。」といっている場面で、おおっ!さっそく不服従の思想がでたな。と思いました。こんなに早くから彼はこの思想を持っていたのですね。あと、ガーンディーの奥さんも夫の思想を理解し、刑務所に入れられても夫を信じている。といった台詞に感動しました。(1年女子)
(satyaagraha バリバリです.)
- 私は違う宗教同士は憎みあうものだと思っていました。だからイスラーム教とヒンドゥー教がお互いに共存できているということに驚きました。映画では、ガーンディーがみんなに非暴力不服従を提案したとこが感動的でした。みんなが団結し、立ち上がったのですごいと思いました。(1年女子)
(本当の理由・原因は他のところにあるのに,別の問題にすり替えられることはよくあることです.気をつけたいものです.)
- 私はあのビデオを途中まで見たことがありました。ガーンディーがあの時イギリス人に批判されるようなことがなければ、あのような偉業を成し遂げることはなかったのかと思うと、運命らしきものを感じました。もし、輪廻が存在するのなら、彼は今度こそインドを統一させることができるのではないかと思いました。(1年女子)
(あなたの意見にも一理あると思いますが,後に続く人たちが,真の意味で「第二,第三のガーンディー」にならなければならないのだと思っています.そうでなければ,彼がどんなに偉大であっても,結局は「過去の人」になってしまうからです.)
- 一度映画を見たことがあったのですが、勉強してからもう一度見ると、登場人物の一言一言が重く感じられました。ガーンディーが、キリスト教や、イギリス紳士を気に入っていたというのが意外でした。ガーンディーは、ヒンドゥーらしく、あらゆるものを自分に取り入れて、自分なりに答えを見つけたのだと思います。「自分ひとりの存在は小さいけれど、真実は真実だ」みたいな言葉が印象的でした。(1年女子)
(同感です :-) )
- 映画の中で、登場人物がみんなガーンディーで言ってるのに、字幕はガンジーで出てきたのは本当におかしい。先生がいつも強調してる気持ちよくわかりました。ヒンズーじゃなくて、ヒンドゥーですね!(1年女子)
(よし,よし.)
- イスラム教とヒンドゥー教が共存していた時代があったのも、なんだかインドらしいなとおもいました。『相手は、殴り返さない我々をみて、自分の不正さに気付く。』といったガンディーは、人間の生まれながらの“善”を信じているのだと思いました。ガンディーのこのような行動は、理念なき政治をも代える、暴力的抵抗以上の抵抗だと思いました。(1年女子)
(その通りです.彼は決して「無抵抗」だったのではありません.「暴力に訴えない抵抗」を命がけで行ったのです.)
- 高校の英語の授業でガーンディーについて読んだのですが、実際にビデオで見ることができうれしいです。イスラーム教徒とヒンドゥー教徒が争っていたことは知っていましたが、過去に共存していた時代があったことは初めて知りやっぱりヒンドゥー教は他宗教と比べて排斥的な部分がないなと思いました。今日の授業を聞くまでヒンドゥー教は、他宗教でも排斥しないということを聞いたのにどうしてイスラーム教徒と争ったのだろうと不思議に思っていました。また、この二つの宗教を仲違いさせたのがイギリスの政策だったということも初めて知り驚きました。(1年女子)
(「宗教対立」は口実なんです.何でもいいから違いを見つけて,そこを刺激して自分は漁夫の利を得ようとしたわけです.)
- ガーンディーは弁護士だったんですね。非暴力的抵抗のこととか、インド解放の父とか呼ばれてるのは知っていたけど、弁護士だとかスーツを着ていたとかは一般に普及していない情報ですよね?そういう所も知ることが出来て良かったと思います。
ガーンディーの satya の力についての理解が課題になっていますが、彼は「インド人も英国の一員として扱ってもらう」という宣言通りのことを成したし、英国植民地からの解放は、「satya の力がある」と皆が認める以上の働きだったと思います。そのことがガーンディーの satyaagraha ということではないのでしょうか?まだまだ私の理解は追い付いていませんか?(1年女子)
(彼の目指した宣言は「非暴力・不服従」です.その宣言が satya なものとなったときの目的は,当初は「大英帝国の一員として扱ったもらう」ことだったのが,インドに帰国して以降は「イギリスからの独立」へと進化していったのです.ある宣言をしてそれを実践すれば,言ったことばは satya なものとなります.この satya となったことばには希望を叶える力があるという信念が「インドにおける satya の観念」であり,ガーンディーの場合,その力を掴み取ろうとする運動が satyaagraha 運動だったわけです.)
- 馬に踏まれそうになっても伏せ続けるシーンが印象的でした。あれが satya につながっているんですよね (1年女子)
(「暴力的抵抗をしなかった」という点ではたしかにその通りです.)
- 今日、ガーンディーの映画を見て前期試験の課題をガーンディーにしようと強く思いました。なぜならガーンディーが映画の中で、「たとえ支配されても、たとえ殺されたとしても、心を服従されないと、完全に服従されたとはいえない」というようなことを言っていてぼくはその考えに感動を覚えたからです。(1年男子)
(レポート,期待しています.)
- スーツを着、聖書の言葉を引用するガーンディーに驚きました。ですが、考えてみれば他の宗教にも深く精通しているからこそ色々な宗教を信じる人々に訴えかけることが出来、まとめることが出来るんですよね。(1年男子)
(彼が最も知らなかったのがインドだったのです.でも,それは彼が自覚していなかっただけで,実は彼もしっかり「インドの宗教的土壌」で育まれていたのです.映画の中では,NY タイムズのウォーカー記者との会話の際に,このことが語られます.)
- ガーンディーと多くの人たちが行進している時に、白人に警告され、その後馬に乗った人たちが襲撃してきました。その時、前にいる男性が「馬は人を踏みつけないから伏せろ!」っていったら全員がふせました。これも satya に値したりするのですか?(1年女子)
(馬が踏まなかったのは satya の力のせいではなく,馬の習性だと思います.)
- 映画の中でガーンディーが棒で殴られているのを見て、目に涙が溜まってきました。今の私たちにとって人は皆平等だという考え方は当たり前になってしまったけど、ガーンディーたちが受けた多くの痛みの上にやっと定着してきたものだということをしみじみと感じました。感謝の気持ちでいっぱいになりました。(1年女子)
(うるうる.)
- ムスリムとヒンドゥー教徒が共存していた事を初めて聞いてそんな時代もあったんだとびっくりしました。そして、もしイギリスがインドで植民地政策をしなければ、ガーンディーがこんなに有名になる事はなかったかもしれないと思います。そしてガーンディーが弁護士だったことにも驚きました。ガーンディーが映画の中で「誓いを立てて実行する」と言っていたのが、satyaagraha にあたると聞いて少しずつ分かってきた気がします。(1年女子)
(よしよし.)
- satya と satyaagraha のちがいがよくわからなくなってしまいました。(1年女子)
(satya は「言ったとおりになる,言ったとおりにする」という意味を持っており,「satya なことば」とは「あることを宣言・公言し,そのことを実行したときの,宣言・公言」を指します.「satya なことば」には希望を叶える力があると信じられており(なぜなら「言ったとおりになる」から),ことばを satya にするために実践・実行することを satyaagraha とガーンディーは呼んだのです.)
- 毎回感じることは他宗教を理解するのは本当に難しいということである。サティアの思想もガーンディーがとった行動もまだ理解しがたいところがある。(否定的な意味でなくて。)抵抗はする。が、決して暴力に訴えない。たとえ仲間が死のうとも報復をしない、という点が自分の中でもやもやとしてしまう。でも、「自分が与えない限り自尊心を奪うことはできない。」といったガーンディーとサティアがつながっていることは理解できる。(2年女子)
(もし仮に暴力に訴えたとしても,向こうの方が圧倒的な武力を持っている場合には簡単に蹴散らされてしまいます.インドがイギリスより勝っていた点は,インド人の方がイギリス人よりはるかに多数いたことです.彼はこの点も十分に活用したと言えます.)
- 今日見た映画の中で、大英帝国の一員として認めてもらうための運動を起こす会議の最後で、ガーンディーら全員が、神への誓いをたてた後に、歌をうたっていました。その時その場にいたイギリス人の警察官も、いっせいに立ち上がっていましたが、あれは何の歌だったのでしょうか?(1年女子)
(イギリス国歌(God Save the King (Queen))です.だから白人警官も起立したのです.)
- 今回の講義を受けたあと、今までの講義内容の一つ一つが映画の中で生きていることに感動しました。映画のしょっぱなから泣きそうになりました。今回の講義で驚いたのはイスラムが他宗教を認めていたこと。「コーランを信じなければ・・・」とまではいきませんが、イスラム教に偏見を持っていました。私自身、西欧的なものの見方、メディアに惑わされている部分を感じました。インドの持つ豊かな受容性、考え方が、ヒンドゥーの中にイスラームを取り込む、共存を可能にしている。それを習ったがゆえにイギリスによる植民地政策がどれほど悲惨なものかを物語っているようにも思えました。ヒンドゥーとイスラームとを仲たがいさせる、アーリア人のやり方はいつの時代も怖いなぁと思いました。映画はガーンディーの生き方、キリスト教の信仰など、まさしくインドから生まれてきたお方です。とにかく、感じたことは全てレポートに書きます。質問ですが、今のインドではuntouchableはどうなっているのでしょうか?(1年女子)
(レポートにはどんどん書いてください.期待してます.不可触民への差別は法律上は禁止されていますが(というより,カースト自体が禁止),現実には根強く残っています.)
- 今日の授業で見たガーンディーの映画は結構興味深かったです。ガーンディーが最初は独立運動という形ではなく、イギリスの一市民としての権利をインド人にも与えることを求めていたというのははじめて知りました。なぜ、インドの独立の運動に向かったのでしょうか。インドを旅行して、本当のインドというものを見て回ったせいでしょうか。来週の続きが楽しみです。そして個人的には、ガーンディーに奥さんと子どもがいたことにびっくりでした。ガーンディーは本当に普通の人だったのに、インドの独立に向けて立ち上がったのですね。感動です。(1年女子)
(「どんなにがんばっても,イギリス人は自分たちインド人を,本当の意味で大英帝国の一員としては見てくれない」ということに気づいたことも大きかったでしょう.)
- 今日は今までの講義を振り返りながら、ガーンディーの映画を見ていました。何も知らないで、映画を見るよりも勉強してみた方が2倍面白いなあ、と感じました。ガーンディーが普通の人だったことや、最初からインド独特の格好をしていなかったことに驚きました。そして、ガーンディーのした抵抗こそが本当に人を動かすことを感じました。暴力と暴力は何も解決しないと思います。だから、戦争は意味のないものだと感じます。SATYAGRAHA に感動しました。ガーンディーが自尊心と言っていたことに凄く感動しました。そして、インドの人は今もこの自尊心を強く持っているのだと思いました。今日も改めてインドは凄いなあと感じました。そしてガーンディーにも凄い強さを感じました。(4年女子)
(インドってやっぱり複雑怪奇なところがありますよ.あれだけのことを成し遂げながらも,個人・全体ともに様々な問題を抱え,また,生み出しています.もちろん,私たちが他の国のことをあれこれ言う資格はないのでしょうが,ガーンディーを見ると,傑出したパーソナリティによって全体が変えられていくことがあることがよく分かります.「どうせ自分一人がやってもだめだ,何も変わらない」と考えがちな私たちに,「いや,変えられるんだ」と教えてくれているように感じます.)
- 今日のガーンディー
ガ―ンディの映画は個人でゆっくり見てみたいと思いました。ガーンディーガ―ンディが若いころイギリス風のスーツを着ていて、ガーンディーガ―ンディだとはなかなか意識できませんでした。独立が最初から目的じゃなかったことを初めて知りました。家族と子供がいたことに驚きましたが、2人の子供がガーンディーガ―ンディの足元に頭を下げたのはどういう習慣なのか不思議に思いました。最初のガーンディーガ―ンディの葬儀の様子ですがたくさんの人がガーンディーガ―ンディに影響を受け、崇拝していたのだと思ってガーンディーガ―ンディはやっぱりすごい!!と思いました。本当に映画のような葬儀が行われたのですか?はやく続きが見たいです。(1年女子)
(本当です.というより,あれほどの歴史的葬儀を,撮影のためにインドの地で再現したことのほうが驚きです.頭面接足の敬礼はインド古来の文化の一つで,自分の頭を相手の足につけて敬意を示す方法です.)
- ガーンディーの映画があることは知っていたけど、実際に見たのは初めてだった。まだ微妙に曖昧であったガーンディーに対するイメージが、少しづつではあるけれど自分の中で形作られていくのが分かった。そして今までの授業が自分の中でしっかりと生きていることが確認できたことが嬉しかった。(1年男子)
(おー.先生は嬉しいぞ! )
- 「非暴力・不服従」の精神を貫くのは、簡単な事ではない。ガーンディーがどれだけインドの国民から信頼されていたかがよく分かりました。力があれば何でもできるという考えが打ち壊された感じがします。僕も強い意志を持って行動できるようになりたいです。(1年男子)
(どっかの国の代表たちも,ガーンディーのことを学ぶべきです.)
- アフリカでインド人は黒人よりひどい差別は受けてなかったと聞いたことがあったのですが大きな間違いですね。歩道を歩くことも許されないなんて。あと、ガーンディーの奥さんが印象に残りました。女性の登場が少ないせいかもしれませんが、夫に従うなかで、しっかりと自分の強い意志をもっている強い女性という印象を受けました。(1年女子)
(それでも,黒人よりはましだったと思います.もっとも,両者は比べるようなものではなく,そもそも他人の家に土足で踏み行った外国勢力の横暴が悪いわけですが.)
- イギリスだけではありませんが、他国を侵略し植民地化していく残虐なやり方に改めて怒りを覚えました。このような植民地化、略奪の歴史を繰り返さないためにも、様々な文化について学ぶことが特に私達の世代に求められていると思います。
映画『ガーンディー』では、「非暴力、不服従」という satya をつかみ取ろうと努力するガーンディーの姿に感銘を受けました。(1年男子)
(同じ植民地支配をした国でも,イギリスと日本とでは受けとめられ方が全く違っています.いろいろ理由はあるのですが,釈然としないものも残っていて,やはり一つ一つ解決して行かなくてはいけないことを再認識させられます.)
- 映画を見てて、ガーンディーはインド人であるけれど、パス(身分証明書?)がイギリスから出ているというように受けとりました。そうなら、イギリスから派遣された弁護士だからでしょうか。それともインドからはパスは発行できない・されないのでしょうか?ガーンディーとイギリスの関係についてもう少し補足していただきたいです。(2年女子)
(補足ではなくもういちど説明します.当時のインドは独立国ではなく大英帝国の一部(植民地)だったからです.)
- ガーンディーが唱えた『非暴力・不服従』の精神は、現代の私たちにおいても考えさせられるメッセージです。今回の講義でも見られたように19世紀、そして20世紀が侵略と戦争の時代であったことは、歴史的に明らかです。そこでは高度な文明の発達(こういった言い方は好みませんが)を遂げた国家が絶対的な権力を握り、それが弱者に対し絶対的な服従を強制し、彼らのいっさいの自由を剥奪したという事実が存在しました。多くの独立を果たし、人権が尊重されてきた今日、戦争のない世紀へと世界中が望んだ人々の願いはあっさりと対テロ戦争により打ち砕かれました。このとき、私たちは戦争は人間の根底にあるもの、すなわち人間の本質で、人間が生きていく限り避けられないものと感じ、希望をあきらめたかもしれません。しかし、ここであきらめてしまっては、何のために私たちは先人たちから歴史における教訓を学ぶのでしょうか。現代の日本では権利が暗黙の了解によって尊重され、それゆえに権利が何千万もの人々の命と引き換えに達成されたものであること、そして権利を行使すためには義務が生じることに目が届きにくい状態となっています。私たちは、ガーンディーのようなたくましい精神を持った人物に目を向け、自由の権利、そして平和を生きていく限り叫ぶ義務があるのだと今回の講義を含め、改めて痛感しました。(1年男子)
(レポート,期待しています :-) )
- 「ガーンディー」の映画を見て、インド、イギリス、南アメリカの3国に繋がりがあったことが分かりました。(1年女子)
(南アフリカです...)
- 今日のガーンディーの映画とても感動しました。特に2つの言葉が心に残っています。1つは、はじめの方でガーンディーがからまれた後に、「道は広いよ」と言ったところ。もう1つは「私は小さな存在だが真実は真実だ」と言ったところです。まさにその通り!ガーンディーの言ったことは何一つ道理に反していません。そして生涯「非暴力・非服従」を貫き通したその生き方に僕は1人の人間として見習いたいです。また、ガーンディーがインドに凱旋してからの歓迎や演説を聴く民衆からも、どんなに小さな存在でも1人の正しい人間が立ち上がれば、人は動く。そして国までも変えてしまう。ということを感じ取れました。ガーンディーが生きた過去を無駄にしないためにも、この世に生きる僕たちもガーンディーの不屈の精神で「世界平和」を目指していかなければならないと感じました。(1年男子)
(そうなんですよね.彼を「過去の人物」にしてはいけないのです.)
- 映像を通じて非暴力・不服従を見てみたら、イメージが少しつかめた気がします。以前先生が講義の中で、「ガーンディーは無抵抗主義者ではない、非暴力・不服従という抵抗をしたのだ」とおっしゃっていた意味がはっきりとわかりました。映画では、ガーンディーは「従わないことで戦う。戦いはつらく苦しい、でもそれに負けてはならない」と言っていました。力でなく、行動で人の心を動かそうとでもいうかのようなガーンディーの思想はとても特殊だし、粋だと思います。そして、彼はそれを satya にしました。それもまた、心を動かされます。来週の映画の続きも楽しみです。最後までちゃんと観られるといいな。(1年女子)
(解説・早送り等を交えながらやっていきます.「非暴力・不服従という抵抗運動」を正しく理解してもらえて嬉しいです.)
- 私のなかのガーンディーの印象はインドの服を着た歳をとった時の写真のみだったので、映画の中のイギリスの服を着て、イギリスで学んだ弁護士というガーンディーは以外な驚きでした。また、インドで生まれながら、初めて人種差別を切実に感じたのが南アフリカであることや、インドに帰国してからインド各地をめぐって初めてインドの現状を知ることになるところが、インドの広さや多様さを表していると感じました。また、ガーンディーがイギリスを相手に「非暴力、不服従」という satyaagraha を行うことができたのは、イギリスやイギリス人を宗教も含めて良く知っていたからだと感じました。(3年女子)
(「インド社会の複雑さ」をも表しています.)
- 高校生の時に英語の授業でガーンディーについて勉強したことがあり、その時今回の映画も観ました。だからガーンディーが弁護士だったことや地理学が苦手だったこと、銃で暗殺されたことは知っていました。けれど satya やその当時の政治的・宗教的背景を知って改めて観ると、高校生のときよりもより深く satyaagraha の運動の意味がわかった気がします。確か映画の後半で、ガーンディーは殺されたインド人のために断食を行ったと思うのですが、なぜ断食なのかその理由を来週解説してもらえると嬉しいです。(1年女子)
(今解説します.ガーンディーは satya の力を持っている人,すなわち「宣言したことを必ず実現する人」なのです.ですから,彼が「争いが収まるまで断食する」と宣言したら,彼は争いが収まるまでは決して食事をしません.もし彼を死なせたくないなら,人々は争いを止めるしか方法がないのです.このように,彼の satyaagraha は常に命がけだったと言えます.)
- 勇気を示すことで人々の心にうったえ尊敬を得る。そのプロセスの中に satyaagraha が生きていたこと。すばらしいと思います。ガーンディー
ガーンディを語るには浅い知識ではだめだと改めて思いました。
(1年女子)
(「ガーンディー」だって言ってるのに...)
- 「未来の人はガーンディーのような人がいたことを信じることができないだろう」という言葉がとても印象的でした。(1年男子)
(アインシュタインのことば,“Generatons to come will scarce believe that such a one as this ever in flesh and blood walked upon this earth.”です.)
- 初めてガーンディーの映画を見ましたが、イギリス人によるインドの民衆に対する扱いのひどさにとてもショックを受けました。残念ながら、感動した言葉がいくつかあるのですが真剣に見過ぎてノートに書き忘れてしまいました・・。 来週はちゃんとノートに書きながら見ようと思います。(2年女子)
(あやふやでもいいから,あなたが記憶しているままに書いてくれればいいのです.)
- 元々ヒンドゥーとイスラームは、共存していたということを初めて知って驚きました。インド人は、イスラームというジャーティを作って取り込んでいったりヒンドゥーからイスラームへ改宗するのに自主的だったり、インド人は常に強制することもされることもないしとても深い心を持ってるなぁと思います。そういう風に受け入れて共存していくことが元々備わっているインドの人たちは、ステキだなって思わずにはいられません。また、ガーンディーの映画を見て「死体は手にするが服従は手に入れることができない。」という言葉が印象に残りました。不服従、非暴力を実行することは、とても大変なことだと思います。でも、それを satya にしていったガーンディーと彼についていった人々をしっかり見ておこうと思います。(1年女子)
(ガーンディーのセリフ,“Then they will have my dead body, not my obedience.”です.)
- 私は、勿論ガーンディーも素晴らしい人だと思いましたが、それよりもガーンディーの周りにいた人達(イギリス人牧師、ガーンディーの妻など)にも注目するべきだと思います。先頭に立って皆を導いたのはガーンディーですが、それに従っていった人々も、差別などを受けて味わった苦痛はガーンディーと同じくらいだと思います。またカースト制度は、インドの人々にとって生まれながらのものなので、ガーンディーの妻のように理解し難い問題だったかもしれません。この独立の戦いを、私はガーンディー一人の戦いではなく、インド国民一人一人の戦いとして考えていきたいと思っています。そしてまた、一人一人の戦いでも、一致できるのがインド人の特質でもあると思います。その辺がヒンドゥーもイスラームも共存していたというところにも見られるのではないでしょうか。(4年女子)
(ガーンディーは不可触民の差別には反対しましたが,カースト制そのものは認めていました.もともとカーストのある中で,ヒンドゥー教徒とムスリムは共存してきたのです.)
- あの映画、得るものが多すぎます!! ガーンディーの言ったこと、行ったことは理想論の中の理想論だと思います。それを実際行ってしまったガーンディーはやはり只者ではない! そして、今回私が着目してみたのは、ガーンディーの奥さんの存在でした。もし私が彼女の立場だったらどうしていたでしょう・・・今私は映画として第三者の立場からガーンディーの行動を見ています、だから冷静になれるし、彼は正しいことをやっていると素直に受け入れることができます。でも奥さんの立場だったら・・・「私はあなたほど偉くはなれない」と彼女は言っていましたが、私も同じことを言うのではないかと思いました。ある程度の地位もある彼女の立場から、UNTOUCHABLE の人と同じ高さに立つことは、わかっていても難しいと思います。映画を見て、ガーンディーの偉大さとともに、狭間に立つ人の苦悩みたいなものについても考えさせられました。(2年女子)
(そうなんですよね.理想論をぶちあげる人は少なくないですが,その高邁な理想を実現してくれる人はほとんどいません.だからこそ satya の力なのです.)
【総評】ガーンディーの映画,皆さん興味を持って観てくれているようで,感想文も力作揃いでした.7/18(金)は月曜日の講義の振り替えなので,何と次回で最終回です.やむを得ず多少は駆け足気味になると思いますが,ポイントはきちんと押さえていきますのでご安心を.(鈴木隆泰)
suzuki AT ypu.jp