5/9 授業の感想3号と回答
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- インダス文明が滅びる原因はアーリア人の侵入というふうに習っていました。だからもともと弱体化していたことや木を伐採し過ぎたことは初めて聞いたのでビックリしました。ヴェ―ダのRg―Vedaの神と人間の相互依存はすごいなぁと偉大さを感じました!!質問なんですが私の家には象の神の置物があります。いつごろ象の神は崇拝されるようになったのですか?(1年女子)
(ガネーシャですね.詳しい起源は分かっていませんが,非アーリア系の神であると考えられています.日本にも「歓喜天」として渡来してきました.)
- インドは深い!はっきり言って今の時点ではまったくと言っていいほど理解する事ができない…。でも楽な授業よりは考えさせられる授業のほうが講義中も暇にならなくて良いしがんばって考えようとする事ができるのでこの講義
抗議がくる事を毎週楽しみにしている今日この頃です(笑)(1年男子)
(そうか.がんばってくれ.)
- インダス文明は色濃くインドの文化に根付いていて、沐浴や瞑想もインダス文明からずっと続いていたのはすごく驚きました。(1年男子)
(文化はなかなか途切れないものです.)
- 今日の講義を受けて一番印象に残ったのは、神【Agni】を誉める賛歌を聞いたことです。何かお経を唱えているようでした。(1年男子)
(同じようなものですからね.)
- 個人的にはインド文化とギリシャ文化は似ていると今日の授業で思いました。まず自然環境が後が山で前が海で季節があります。ギリシャも農耕中心ですし、沐浴するし、女神も多いし、神も人間的で絶対的ではありません。歴史も異民族の侵入が大きなターニングポイントになったところなどよく似ていると思います。細かい点では違うところもありますが大きな流れは似ていると思います。やはり文化は環境に依存するのでしょうか?(1年男子)
(大きく依存すると思います.宗教を含めた文化は人間が作りますが,その人間は環境によって育まれるからです.)
- 日本の漫画やゲームとかで使われていることばで結構インドから来ているものが多いのだということを知りました。主にFFの敵キャラですが。
先生のネクタイが何かインド調な気がしたんですが気のせいでしょうか。よくは見えなかったのですが…。 (1年女子)
(言われてみると,ちょっとそれっぽいかも知れないですね.)
- 今日の話で一番興味を引かれたのはヴェーダでした。リグーヴェーダというものがあることは知っていたけど、四つに分かれるとか、歌みたいになってるとかちょっと驚きました。あと、個人的には授業の途中にちょこちょこ入る小話が好きです!それに、シヴァのことをもっと知りたいです。質問なんですけど、ヒンドゥーにはシヴァとヴィシュヌ以外にもう一人主な神様がいた気がするんですけど、その神様はシヴァとはまた違った信仰があるんですか?(1年女子)
(ヒンドゥー三大神格はヴィシュヌ,シヴァ,そしてブラフマーです.でもブラフマーの人気はヴィシュヌとシヴァには遠く及びません.)
- 今日、よりくわしくインダス文明のことを学んで、中学の時とかに習ったことは本当に表面的な知識だけだったんだなぁと思った。ユダヤ教キリスト教イスラーム教とヒンドゥー教(バラモン教?)の違いが大きいことにびっくりした。私にとっては宗教は神様や思想が違い、争い合うだけだと思っていた。でも、そうじゃなくて、もっと根本的なことがちょっとだけだけど分かってよかったです。(1年女子)
(宗教文化についてこれからも理解を深めていって下さい.)
- 讃歌がとてもリズミカルで、聞いてても飽きが来ないと思いました。
唯一絶対神を信仰する、キリストやイスラムやユダヤ教は、神に救いを求めているのがよくわかるが、インドの宗教は、神を自分のいいように使うという、人間の自分勝手さがでてるように思いました。
あと、質問なんですが、黒板には .Rg-vedaって書いてましたが、讃歌がのっていたページでは、Rig vedaになってました。どっちが正しいのでしょうか?(1年男子)
(私のは正式なサンスクリット表記です.Web ページは英語読みです.それから,宗教と人間の関係は,実はインドのみには留まらず世界中に一般的に見られます.それに気づかないと本質を見誤るおそれがあります.注意しましょう.)
- 今日はとても納得するはなしばかりだった。とくにユダヤ、キリスト、イスラームには唯一絶対神がいるのに、インドはそれがない、といったところは本当に納得した。それは気候に関係あるといっていたけど、確かに日本など季節の移り変わりが激しい国は古代から自然を敬い、自然(雷、風、火、水、大地、森etc)を神に置き換えて崇拝していたと聞いたことがある。だから日本には神様と呼ばれることが数多くあるのかとと思った。今日は本当にオモシロかった。(1年男子)
(これからも興味を持って学んでいってください.)
- 今日の講義で驚いたのは、性器崇拝のことです。昔ならなおさらそういう系の話はどこの国でもタブー視されそうな感じですが、それを崇拝していたとは・・・。( ̄□ ̄;)!!インドの人たちは性についてタブー視してないということなのですか?今でも崇拝しているのですか?しかも女性崇拝のことも初めて聞きました。日本ではどちらかというと女性は低い立場におかれているからです。それならインドでは性差別とかはなかったのかなと思いました。 (1年女子)
(生殖行為は生命を産み出す聖なる行為ですからね.へたにタブー視して隠蔽するより健全な場合もあると思います.それから,インドではしっかりと(?)女性差別があります.アーリア系の文化の影響です.)
- 今までの歴史の中で、ずっとアジアは西洋の技術を追いかけていたんだと思っていました。アジアの文明のすばらしさに驚きました。もっといろんな話が聞きたいです。それと毎回書いてるけど、もっとインドの神様の話が聞きたいです。よろしくお願いします。(1年女子)
(インドの文化は神さまだけではないですから,もっと間口を広げておいて下さい.)
- インドの宗教が仏教からヒンドゥになったのがなんとなく分かったと感想に書いたけどやっぱり混乱してきました。できれば簡単な年表を教えて欲しいです。(1年女子)
(分かりました.〜AD500頃 と AD600頃〜 の二つの年表を提示しておきます.これは私が学生の頃に授業で使用されたものです.)
- 今日の授業で面白かったのは、veda の祭式における神様の話でした。今ひとつ弱い神はおだてに弱いという話は、私の中での神概念を壊すものでした。神と人との相互依存を聞いて、たしかにキリスト教やイスラームとは異なると感じました。インドの文化はいろいろな文化をうまくミックスして、独自のものを作っていると先生が仰って
言っていたけれど、神さまに対する考え方も聞いたことのない独自のもののように思いました。(4年女子)
(神観念はその土地,その土地によって異りますが,そういう神観念を抱くに至った要因は割合共通しているのです.)
- 私は今まで神話を、1つの物語として読んだり見てきましたが、先生の講義を聞いているとまるで神話が本当にあった話のような感覚になります。そして今でも神話を信じて生活しているインドの人々に、とても新鮮さを覚えました。そして、歴史の重みを感じました。(1年女子)
(インドって面白いでしょう?)
- 今日の授業はいつもより専門的な感じで難しかった。インドの絵は今までの授業でもいろいろ見たけど、本当に美しいと思う。そして、それだけじゃなくて、それぞれの神の象徴や特徴がただ見てるだけじゃ気がつかないところに描かれていて、その意味を授業で知ることができるのはおもしろい。自分でも図書館でいろんな絵をもっと見てみたいと思った。(1年女子)
(もっともっと専門的になります.ついてこいよ!! )
- 宗教というと、日常生活からかけ離れた怪し気なものというイメージが日本人の私の中にはあったが本当は生活の中から生まれたものだと分かって目から鱗が落ちた。(1年女子)
(たくさん落としてください.)
- アジアっていうのをヨーロッパの人が名付けたことが一つの発見でした。四大文明の中で3つもアジアにあるなんて、中学の時に習ったときには何とも思わなかったけど今思うとアジアってすごいなぁ(*_*)って感心しました!あと、先生の喋り方好きデス☆聞き取りやすいし、インド好きなんだなぁって伝わってきます♪ただ私には8:40からの授業がつらい‥。5月病にならないように規則正しい生活をおくれるように頑張ります!(1年女子)
(規則正しく頑張ってください.)
- ヴェーダの中で聞いたことがあったのはリグ=ヴェーダだけだったので、サーマ=ヴェーダなど、まだ三種類もあることを知ってとても勉強になった。インドでは、神と人間との関係がある程度対等であり、絶対的な唯一神がいる他の宗教とは違うということもわかった。あと気候によって宗教のかたち・ありかたが変化するということを学び、改めてひとつひとつの宗教は違っているということが理解出来た。(1年男子)
(よしよし.)
- 四大文明のうち三つはアジアで文明発祥の地なのに、今はヨーロッパやアメリカが文明の先駆国というのが、少しくやしいなぁと思いました。
祭式の時、神をひたすら誉めるのはバラモンだけなんでしょうか。一緒に願主も誉め言葉を言わないのかなぁと思いました。(1年女子)
(ヴェーダのことば(=ブラフマン)を操れるのは祭官だけなのです.バラモン祭官はブラフマンを独占することによって特権を享受していたのです.)
- 前半のインダス文明の講義で説明のあった,自然の豊かな地域の農耕文化以下,古代の日本に近いものを感じました.季節の移り変わりに伴う思考や,多神教の宗教など.
今日の講義で言われていたように,一神教は過酷な砂漠で発生したのなら,自然豊かな土地で農耕している民族は,ほとんど多神教というか,アミニズムのような宗教観,自然観を持っているのかなと感じました.
後半のア−リア人が入って来た部分では,ア−リア人は余り物をゆっくり考えないというわりには,Veda を編纂したり,それを伝えたりといろいろ考えているのではと思いました.それとも,定住したいために,時間ができたのでしょうか.
インダスの文字はア−リア人が入ってきた時点で消滅してしまったのでしょうか.
いままで,インドについては,旅行記を読むくらいしか知識がなかったので,知れば知るほど疑問と興味が出てきました.(3年女子)
(アーリア人のことについてはちょっと口を滑らしすぎたようですが,私が伝えたかったのは,ウパニシャッドと比較するとき,自己洞察や内省をともなう思想がリグヴェーダの宗教には乏しいということです.
インダス文字の伝承が失われたのはインダス文明の崩壊時であって,それがアーリア人の侵入の時点かどうかは不明です.)
- 今回の講義では、インドの神さまは「いまひとつ弱い神」であるという一節が心に残っています。キリスト、イスラームの両教が唯一絶対の神であるのは砂漠におけるリーダーの必要性から由来しているということも、今まで知らなかったことの一つでした。神とは、気候が大きく関係しているということが初めて分かりました。今月の「文春」にイラク問題についての論文が掲載されていたので少し読んでみると、本来、民主主義というものは、電気の完備されたところにしか根付かない、とありました。イラクの人々は、指導者が多すぎるとろくなことにならないということを、本能的に知っているのだそうです。本当かどうかは分かりませんが、確かにアメリカの国連を無視したやり方は今後の世界情勢に悪影響を及ぼしかねないと思います。神が戦争を好むとは、誰一人思わないでしょうに、何故殺し合いをするのだろうか、と憤りを感じます。先生はイラク問題についてどのようにお考えでしょうか。(1年男子)
(「よいことのためだ」というのが悪いことをする理由にはならない,というのが私の持論です.)
- インド文化と一言で言っても、いろんな側面があるんだなぁと思いました。私の中では、インド文化=ヒンドゥー教ってイメージがあったんですけど、今日の講義で、そうではない事が分かりました。入って来たものをうまく取り込んでいけるインド文化は、すごいなぁと思いました。これが、日本の場合だったら、うまく取り込んでいけるのかなぁと思いました。うまく取り込んでいけるのは、インドの人の性格などが関係しているのかなと思いました。それから、インダス文字が、早く、解読されるといいなと思いました。そうすれば、今以上にインドの文化について、くわしく知る事が出来るのにな…。(1年女子)
(気候・風土を含んだ地域性が大きく関係していることは確かです.)
- ユダヤ教やキリスト教には強力なリーダー的存在である、唯一絶対の神が存在しますが、ヒンドゥー教にはそのような存在の神はいないのでしょうか?ヴィシュヌやシヴァがそのような存在にあたるのでしょうか?(1年男子)
(天地創造などの事業に関してはヴィシュヌ・シヴァも行いますが,そもそもインドの神さまはセム系一神教の神さまと比べるとき,必ずしも人格(神格?)高潔とは言い難く,時には息子の首をちょん切ったりすることもあります.そういう点を考慮すれば,やはりヴィシュヌやシヴァはユダヤ教等の神と等置することはできないのです.)
- 初めてインドの言葉をきいて興味深々でした。先生がすらすらとインドの言葉をよんでたのですごかったです.(1年女子)
(そりゃ,一応は専門家ですので...)
- 西洋文化の方がアジアよりも優れているという偏見が一気にくずれた。もっと自分の文化を大切にしたい。農耕民族って清潔なんですね.(1年女子)
( (^^) )
- 宗教学の授業は毎回、驚くことばかりです。まず今日1番衝撃を受けたことはアーリア人が昔、牛肉を食べていたことです。インドで牛肉を食べるなんてとんでもないことです。また、4000年前から沐浴場があったことにも大変驚きました。次週はどんな驚きがあるのだろうか…。楽しみです。(1年男子)
(これからも驚いていってください.)
- 私は神と人間が相互依存しているなんて驚きました。でも、なんか弱い神なんてちょっと変な感じです。やっぱ神は絶対の方がいいですね。(1年女子)
(絶対の神を戴くシステムにおいては,「こういう神がよい」と口にすることすら許されませんよ.)
- 今日の授業で特に印象に残っているのは、リグヴェーダで讃歌というので、何かもっと明るい曲調なのかと思いましたがまるで仏教のお経みたいな感じがしました。それとあのインダス文字についてこれから少し自分なりに考えてみます。(1年男子)
(おおっ!? 解読に挑戦する??)
- 今日の授業で一番印象に残ったのはインダス文明の性器崇拝です。シヴァのそばにあった突起物が性器だったとは驚きました。その下にあった女性の性器はシヴァの奥さんのものなのでしょうか??(1年女子)
(その通りです.奥さんの性器ヨーニ yoni です.)
- .Rg-vedaが聴けてよかったです。旋律を付けてよむあたりが、お経に似ている気がしました。そういえば聖典vedaは4つですが授業の最初にちらっと出てきた、4本腕の少年の名前もヴェーダでしたよね?何か関係がありそうです。人間と神様との関係が面白かったです。褒められないと弱くなる神様ってなんだかカワイイです。神様にカワイイなどと言って良いものかは疑問ですけど…。(1年女子)
(違います.あの神さまはサラスヴァティーという女神です.弁天様だと説明したでしょう? 弁天様って女神でしょう? 彼女が手に持っているのがヴェーダ聖典なんです.)
- インドの土着人が女性崇拝をしていたのを初めて知った。農耕文化と女性崇拝のつながりにも納得でした。日本も昔は農耕文化だったのに、いつから男尊女卑の考え方が生まれてきたのか不思議でした。なんといってもびっくりだったのは性器崇拝でした。今まで高校とかでは歴史を暗記したりばかりで、インドのなかのことを知る機会がなかったので毎回こうやってインドについて知れて嬉しいです。(1年女子)
(日本における男尊女卑は,武力中心の社会になって蔓延したのだと思っています.)
- インダス文明の文字はまだ解明されていないようですが、それが解明されたらすごいと思いますが、その文字を考えたインダス人の方がもっとすごいと思います。見たかぎりかなり多くの文字がありましたが、それを組み合わせて文章を作るのですから並大抵のことではないと思います。僕が英語を習得しようとしても、かなり大変なので関心するばかりです。それから昔の人たちはなぜ自分たちの領域を広げようと侵入しようとするのでしょうか。ある程度の土地があればあとは共有すればいいと思います。(1年男子)
(残念ながら,それは昔の人だけでなく,現在にもしぶとく残存しているのです.)
- バラモンが神を誉めたのに願主に見返りがくるところです。普通に考えればバラモンにくれるはずだと思うのです。バラモンにも望みがあるはずなのに…不思議です。(1年男子)
(バラモンが「願主の願いを叶えてやってくれ」とお願いするから,願主に見返りがくるのです.)
- 今回の講義で思った事は、「インダス文明ってスゴイ!」という一言です。
四大文明というと私には非常に遠いものにしか思えませんでしたが、前回・前々回とインドの文化が日本に沢山根付いている事を聞いた上で、インダスの文化が今でも色濃くあるのを認識すると
とても身近に感じられました。
科学での新しい発見、というのも魅力的ですが、現在に続く昔の習慣を考えるというのも、とても面白そうだと思いました。残念ながら私には古代文字は読み解けそうにないのですけれども…(1年女子)
(とても面白いですよ.)
- インドってスッコーんって感じですね!インダス文明の文化がアーリアが入ってきた後も滅ぶことなく残っているなんてステキです。沐浴もこの時代から全く変わってないなんてスゴイことです。ではアーリア人には大した文化があまりなかったということ?なのかと思います。でももしインダス文字が解読されればもっとインダス文明のステキが分かるはずなのだと信じています。また今日の授業でなぜヒンドゥー教以外の宗教は唯一神を必要とするのか納得できました。人間はいろんなものを創造し解釈していく、不思議です。(1年女子)
(「スッコーんって感じ」ってどういう感じ??)
- 今日も先生の授業は熱かった!力説ですね!!今日もびっくりインドを知りました!性器崇拝なんて恥ずかしい!インドの人々は当たり前のことだから何とも思わないんでしょうね。インド人は発想が豊かなんだなと思いました。まさか、あんなものを崇拝するとは!思想がダイレクト!!あとヴェーダの神様にはもう一人いたような気がするんですが。神様もアーリア系と非アーリア系がいるんですね。これはアーリア系民族とそうじゃない民族にも両方受け入れられるためなんですか?もぅ!インドなんて楽しい国だ!!(1年女子)
(楽しんでもらえて何よりです :-) )
【総評】男尊女卑の風潮が強いと言われるインドでも,古代には地母神信仰を代表とする女性崇拝があったことに,驚いた方が多かったようです.次回は『リグ・ヴェーダ』に進んでいきましょう.(鈴木隆泰)
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