2003/5/23 No. 5

5/23 授業の感想5号と回答

感想3号（総数 122）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

今日はリグヴェーダの創造神話からアタルヴァヴェーダ，ブラーフマナを経て，ついに satya についてお話ししました．この講義の最初のクライマックスです．

今日の授業はいつもより難しかったです。satya を理解するにはまだまだかかりそうです。brahmanとか、世界史や倫理で聞いたことのある言葉はたくさんあったけど、その言葉たちの本当の意味は全然知らなかったんだと思い知らされました。ちょっと悔しいので、もっといろんなことを知っていきたいです。でも、個人的には神話の世界観など好きなので、その辺を詳しく知りたいです。あと ^Sivaの再登場を待ってます！（1年女子）
（シヴァはいずれたっぷり登場します．それから，いっぱい悔しがって，いっぱい学んでください．）

映画祭行きました。シタールの演奏は初めて聞きました。とても貴重な経験だったと思います。シタールの弦の多さにはびっくりしました。映画はとても鮮やかできれいでいした。マリーゴールドを食べているシーンを見て驚いたけど、マリーゴールドは食べられる花なんですね。今日の授業は難しいでした。まだよく理解出来ていません。神様よりバラモンのほうが強いということに驚きました。もともとは神様が生み出したものだった気がするのですが。あと、satya が実現すると satyaagraha になるのですか？（1年女子）
（satya を実現するために励むことが satyaagraha です．それから，ヴェーダの神は天地万物創造の神とは言えません．世界の始まりにはプルシャ，tad ekam，skambha などが挙げられます．）

インドの職業は生まれたカーストによって決まるそうですが、ちゃんとした職業ならともかく、不可触賤民（ハリジャンでしたっけ？）はいったい何をして生計を立てているんですか？私は４月２４日にヘナについて質問したのですが、道場門前にヘナをしてくれるお店がありました！（4年女子）
（ヘナは体験してみましたか? (^^)
　不可触民を「ハリジャン（神の子）」と呼んだのはガーンディーです．彼らの仕事は多岐に渡りますが，インド社会一般で不浄と呼ばれる仕事に携わっています．具体的な職業名をここで載せるのは控えることとします．知りたい場合はこれまで使用していた出欠用メールアドレスにメールを送信してください．）

神は veda のことばに従はなければならないのなら、そのことばを言うバラモンが神として扱われてもいいのではないでしょうか。神がいても veda のことばがなければ意味がないし、それにはバラモンがいなければ意味がないと思います。（1年男子）
（ご明察です．

「学識ありヴェーダに精通しているバラモンは人間という神である」（『シャタパタ・ブラーフマナ』）
ということまで言われています．）

今回の講義では、まず「無抵抗主義」についての自分の間違いに気付かされました。satya の力も、今まで全く知らなかった。又、知ろうともしませんでした。この反省から、まず学研の「ヒンドｳー教の本」を読んでみました。「異端を許容する」という一節が印象的でした。「非暴力、不服従」を satya とすることで、イギリスを追い返し、インドを独立させた。このような方法に、私も共感を憶えました。インドの身分制度についても、「上には行けない。つまり上に行く努力をしなくても良い。職業もある」という何千年も続いてきた、このやり方は簡単に「やめろ」とは言えないものである、と分かりました。差別について改めて考えさせられました。今後も自分なりに自習したいと思います。（1年男子）
（講義の内容・趣旨をよく理解してくれています．）

初め頃の授業の時に「私はこれから手を挙げ続ける」「これから転がり続ける」と宣言した人たちの話を先生がしていてそれが satya と関係があると仰って~~言って~~いたのがずっと気になっていましたが、今日はそれが知れてすっきりしました。本当に自分はほかの文化や世界のことをまだまだしらないんだなあとアジア文化論を聞いていてそう思います。宗教には興味がありますが、それを宗教をもっていない私がどれだけ理解できるかはわかりませんが、わからないところは先生に聞きながらがんばっていこうと思います。（1年女子）
（マイペースで進んでいってください．特に，興味だけは持ち続けていて欲しいと思います．）

カースト制度を私だったらたぶん選ばないから、インド人がカースト制度を選んだのであって、一方的な制度ではないと言うことを聞いてとても驚きました。また、私達は history に順番をつけて間違いに気づくけど、インド人は story の世界に生きているので間違いなんかないと言う話も日本人とインド人は考え方がだいぶ違うと思いました。satya をもっと詳しく知りたいです。（1年女子）
（似ているようで違う，違うようでやっぱり似ている，それが面白いと思います．）

シヴァの化身はいくつあるのですか？（1年女子）
（シヴァは基本的にはシヴァ一体ですね．化身を使わなくても勝負できるんです．もっとも，彼の奥さんはたくさんの化身を持っていて，彼女の人気に支えられている一面もあります．）

言葉にしたことをそのまま実行する、というのはとても根性のいること。それをやってのけるのは、例え修験者でなくても尊敬に値することだと思う。そして、それを実行する本人もすごいが、satyaagraha を信じその人を支える周囲の力も相当なものだろう。ガーンディー~~ガーンディ~~本人ももちろん偉大だけれど、それを信じて最後まで戦い抜いたインドの人々の精神に感動した。（1年女子）
（「根性」ということばだけでは片づけられない力を感じています．）

「非暴力・不服従」のことばが「satya」の誓いのことばだということ知って、ガーンディーとインドの民衆は本当にすごいことをしたなぁ、とあらためて思いました。私はこのことばはスローガンだとばかり思っていたので、こんなに奥が深いものだったとは知りませんでした。（1年女子）
（インド人だからできたことかも知れません．）

今日、satya の意味がなんとなく分かった気がしました。その時、「それなら、私も satya を持つことができるのではわないか。」とおもいました。だって、もし私が「今からジェットコースターに絶対乗らない」と言って乗らなかったら、それは言葉の力つまり satya になるのではないでしょうか。でも、実際それが案外、難しかったり、やはりなんでもいいのではなく、普通に生活する上で困難なことを宣言することで人々に拝まれるのであると思います。そこのところをもっと詳しく知りたいです。（1年女子）
（実現の難しいことでないと satya の獲得はできないのです，残念ながら．ですから，「200年間ジェットコースターには乗らない」と宣言して実行したら，それは satya になります．）

今日の授業はとてもよく分かりました。非暴力、不服従を satya にし、その satya をつかみ取る。つまり、やられっぱなしなんですよね？すごいです。感動です。これ以上の抵抗運動は無いと思います。satya の本質を理解した今、何倍もインドに興味を持ちました。（1年女子）
（理解してくれましたか! ありがとう．）

brahaman のことを学んだ時、ことばの力は、たった一言でも、相手を傷つけたり、幸せにしたりできる力を持っているのですごいと思いました。その力は、昔も今もかわらないとおもいます。satya をもつことは、大変根性のいることだと思います。だからこそ、拝まれるのですね。私もその satya をもてるぐらい根性があればいいのですが・・・（1年女子）
（上の方でも書きましたが，「根性」だけでは済まないくらいの力ですよ．ことばの力，みなさんもよい方向に使いましょう．）

やっと satya の謎が解けてきたという喜びで満ち溢れ・・と思った反面、あの skambha の発想はなんだか、都合のいいことを言っているだけのような気がします。僕が間違っているだけかもしれないし、すべての理解にはまだまだ時間がかかる、ということでしょうか。（1年男子）
（「違うことのない（はずの）ヴェーダ聖典，その中にある矛盾をどう解釈し解決するか」という観点から考えてみてください．）

カースト制って、どう考えても納得できない。先生はメリットもあるって仰った~~言った~~けど、それでも納得できなかった。でも何千年も続いているってことは、インドの人は納得して生きているのかなぁ・・。
カーストとは別に、satya は少しわかったきがする。satya＝自分が立てた誓いを守り通す・・・ということで合っているでしょうか？それだけではないのでしょうか？（1年女子）
（異文化を心底（身体から）理解するのは極めて困難です．違いを違いとしてきちんと認識することがまずは肝要でしょう．インド人も，日本人の持っているなぁなぁ的気質は心底は理解しがたいでしょうし．）

今日の授業を受けて、自分がカースト制度について勘違いをしていたことを知りました。てっきり、バラモンとか、そういう身分のことを言うのだと思っていました。職業的順位を言うんですね。でも、なんだかカースト制度が上の人たちが勝手にやったのではなく、みんなで決めたって言うのが納得いきません。一番下の人とかも、納得したのでしょうか？（1年女子）
（バラモンはヴァルナでもありカーストでもあります．で，カースト制は「いっせーのせ」で決めたものではなく，インド社会の中で徐々に根付いていったものなのです．聖典はある意味で，それらを跡付けしていっていると言ってもよいでしょう．）

カースト制のメリットが分かりません。どう考えても不平等だと思います。（1年女子）
（それは多分あなたが今まで幸せ一筋に生きてこられたからかも知れません．おめでとう．）

私はやはり最初の時点では veda は支配のための道具にすぎなかったと思います。祭儀によって神をもバラモンが超えてしまったり、様々な矛盾、なんでも飲み込む Visnu あたりにそれを感じます。しかしだんだん veda やその考えが一人歩きし、ヒンドゥーとしてインド思想の根っこになってしまうのですよね。先生が以前おっしゃった「底なしの胃袋」は一元論に起源を持つものですよね。それは veda の考えですがそれはどこら辺から出てきたのでしょうか？アーリア人の侵入以前ですか？それともアーリア人が持ち込んだものですか？はたまたほかの何か？veda とはなんだか自らをも飲み込みこんでいくブラックホールのようです。
書いてるうちになんだか考えが二転三転して訳分かんなくなってきたので、なんとかレポートまでには頭をまとめたいと思います。
言えることは人間の頭が集まるとものすごい力を持つのだなということです。
それから私は高校の時、映画「Gandhi」（綴りはあやしいですが？）を視たことがあります。その中でもっとも印象に残ったシーンはみんなで縦一列になって殴られながらもやめないあのシーンです。ネタバレになるといけないので詳細は書きませんが、あれこそ satya の力なのですね。言ってしまえば有言実行の力。政治家の皆さんに見習ってほしいものです。
支離滅裂で授業と関係ないことも多々あるかもしれませんが、以上が今回の感想です。（1年男子）
（力作だね．どうもありがとう．Gandhi の綴り，合ってます．）

ガーンディーのやった非暴力・不服従がすごいと思った。イギリスのやることに、抵抗はしないけど絶対言うことを聞かないという断固としたやり方がインドを独立へ導いたのが感動した。だけどそのリスクは大きくて、死者が多く出たというのが複雑な感じがしました。（1年女子）
（です・ます体と，だ・である体は，混在させないようにしましょう．）

今まで人間が神様の力で支配されているものだと思っていたのですが、今日の授業で、神様は人間が願ったとおりにしなければならないことがわかり、神様って結構弱いんだなと思いました。神様が弱いというよりバラモンの力が強いというべきでしょうか？！私たちが願掛けすることが satya と結びついていることもわかりました。（2年女子）
（そうです．satya を操れるバラモンの力が増大したのです．）

今日の授業は奥が深かったと思う。「非暴力・非服従」を「真実のことばsatyavacana」にし、現にインドをイギリスから独立させた Gandhi に対して、（インドにおける）真のすごさというものを感じた。言った通りになる、言った通りにすることば…satya-vacana!! すごく深いことばですね…。（3年女子）
（深く，かつ，強力なことばだと思います．）

ガーンディーの『非暴力･不服従』の考え方には、感動に近いものすら覚えた。信じることの強さ、団結というものの大切さを考えなおすことのできるいい授業だった。（1年男子）
（よしよし．）

一にして多、多にして一、身分の差がすべてを悪くしていると思ったけど、うまくいかないことを生まれの責任とできるのは少しうらやましく思いました。でも悲しいあきらめ方だと思います。今日の授業で satya や、バラモン，Brahman の繋がりが見えてきてわくわくしました。神様は崇拝されるものと思っていたのに、veda であやつっているなんて意外すぎて目からうろこでした。最初の授業で出てきた satya の絡んでいる不思議な人々の行動の謎が解けてすっきりしました。日本で言う有言実行ですね！がーンディについても具体的な satya のことを本で読んでみようと思います。また来週の授業を楽しみにしてます。（1年女子）
（カーストについて，よい捉え方だと思います．）

satya の意味が今日わかったような気がします。自分が誓った言葉を実行するということなのかと思いました。日本の四字熟語でいうと有言実行ということでいいですか？（1年女子）
（satyaagraha の方が有言実行に近いでしょう．satya は有言実行によって得られる力と関係しています．）

やっと授業に satya が登場しました。言葉は時にすごい力を持つものですね。少し違うけど、言霊と近いものを感じます。ガーンディー~~ガーンディ~~の話で、非暴力＝無抵抗主義ではないという部分はなるほどと思いました。カースト制の部分はいまいち江戸時代の日本の身分制度との違いをつかめません。下の身分から上の身分へいくことは不可能なのですか？もし不可能ならば、今の身分に不満を持つ人も、そのまま一生変われないのでしょうか？それとも、今の生活をみんなそれぞれ受け入れたうえで、毎日をそれなりに満足して生きているのでしょうか？（1年女子）
（下から上は現世では不可能です．来世でのよりよい生を願って現世を生きるのです．）

民衆に人気のあった神は、「～の神の化身だ」といって取り合いになったりしなかったのですか？（1年男子）
（一時に起こった現象ではありませんから，そこまでの詳細は不明です．別にインドが特殊なわけではありませんよ．）

今日の授業でガーンディーがおこなった非暴力、不服従の意味がよくわかりました。相手に攻撃はしないが服従もしない。これは口で言うのは簡単だけど実行することはかなり難しいことです。しかし、これを実行してイギリスを追い払ったインドの人々はすばらしいと思いました。ただカースト制は日本の身分制度と違うといっても、やっぱり差別にはかわりないし、なくしていかなければならないものだと思います。（1年男子）
（それはインド人が決めることであって，私たちがとやかく言うべきことではないのではないでしょうか．少なくとも，差別のないふりしていて，実はしっかり差別の残っているシステムよりはましかも知れないでしょう?）

言ったことをちゃんと実行しているから尊敬されているということで、私は有言実行という言葉が好きなのでとてもかっこいいと思った。私も有言実行で生活していこうと思います。（1年男子）
（君は「有言実行で生活する」と言ったわけだから，是非ともこれを satya にして下さい．）

前の授業の時に、ずっと手を上げている人を崇めているインド人の話を聞いて、どうしてその人が崇められているのかさっぱり分かっていなかったけれど、今日の授業で納得できました。satya が関係していたんですね。一回目の授業の時から気になっていた satya の内容がちょっと理解できて嬉しかったし、satya の言葉の重みを実感しました。私は歴史が苦手で、今までガーンディーが何をした人なのかあまり~~いまいち~~分かっていなかったけれど、satya によって非暴力・不服従を貫き、インドをイギリスから独立させた素晴しい人なんだと今更ながら感心しました。（1年女子）
（納得できましたか．よかったです．）

Manu と Yama の話がなぜでてきたのかよく分かりませんでした。Yama の楽観的な他界観がskambha に関係しているのですか？？（1年女子）
（そうではありません．Manu は『リグヴェーダ』における人類誕生の神話を，Yama は同じく『リグヴェーダ』における他界観を紹介するためにお話ししました．skambha は『アタルヴァヴェーダ』の段階です．）

satyaagrahaは真実の把握と訳してはだめなのですか？（1年女子）
（satya の意味が正しく理解されているならば，そのように訳出することも可能です．）

今日の言葉の力や satya についての話はとても興味深かったです。あのガーンディーが目指したもの、思っていたことの根底にはどんな思想があるのか。一朝一夕には理解できないので、これからも授業をしっかりと聞いていきたいと思います。（1年女子）
（うむ，殊勝な心がけじゃ．誉めてとらす．）

ガーンディーについては今まで何度か勉強した事があったが、今日の授業を聞いて改めて彼の凄さを実感しました。「非暴力・不服従」というのは、口では簡単に言えるが、いざ行動に移そうと思っても簡単にできることではない。ガーンディーはインドの人達から厚い信頼をうけていたに違いないと感じました。そして、satya の様に強い信念を持ち、何かをやり遂げていく事を見習わなければならないと思いました。（1年男子）
（その言い回しは正しくありません．「satya を実現すべく強い信念を持ち」がよいでしょう．）

satya とは、バラモンによっての力なのか、神によっての力なのかよく分かりませんでした。（1年男子）
（どちらでもありません．真実のことばの持つ力です．）

Gandhi と satya の話が Veda の段階からつながっているのに, おどろきました．Gandhi までつながるのはまだまだ先と思っていたので．非暴力, 不服従を satya としようと考えた時にそれは satya になるのか, 実現しようとして努力し続ける過程で satya になるのか, それとも成就したときに初めて satya になるのかという所がよくわかりません．　またなぜバラモンは, 神よりも Veda の力が強いと考えるようになったのかというところが疑問でした．神が自然神の場合に, Veda を唱えても自然がいうことをきかない事も多々あると思いますが, そういう場合はどのように解釈したのでしょうか．
　ヴァルナ~~バルナ~~やカ－スト制度はその起源が古いことや確かに納得又は疑問を持たなければ, 生活に支障なく精神的に楽という面があるとは思いますが, 悪しき慣習に変りはないのと思います．また, 日本の身分制度は上からの押し付けだったと思いますが, 押し付けによっていたからこそ, それがなくなれば変化させやすいという面もあると思います．（3年女子）
（たしかに，押しつけではなく自らも進んで受容しているからこそ，そこから脱却するのが難しいのかも知れないですね．ふむふむ．私も勉強になります．ありがとう．
　satya の力の完全な発動は，まさにことばが satya になった段階で起こりますが，完成に向っていく途中であっても，その程度に従って徐々に発揮されると考えてよいでしょう．もしくは，完成に向っていく道程にこそ，本当の完成がある，とも言えるかも知れません．
　自然の制御についてですか．うーん，悩ましいですね．おそらく，必ずそうなること（翌日になれば太陽が再び昇るなど）を中心に行われていたものと思われます．）

ガーンディーのすごさを改めて考えさせられた授業でした。今までの教えが時代（？）によって少しずつ変化してきたようですが、これからも教えが変わることがあると思われますか？（2年女子）
（時代や地域・気候が人を育み，人が宗教や思想活動を営んでいくのですから，変わっていくのが当然だと思います．問題は，その変わり方に「脈絡」があるかどうか，ということの方でしょう．）

カースト制は私の中のステレオタイプで、｢悪いもの｣｢あってはならないもの｣と思い込んでいたけれど、今日の講義を聞いて、もしかしたらそうではないかもしれないと思うようになりました。確かに身分が下の人は辛いでしょう。でも、先生がおっしゃっていたように、生まれつき身分が決められているのなら上にあがる努力はしなくていいんですよね。日本社会ではみんなが昇進昇進と考えているから逆にギスギスしてくるのかもしれません。そういう意味で、カーストが現在まで生き続けているのでしょうね。（2年女子）
（カースト制云々についてはいろいろな側面があって，単純には色分けできないという悩ましいところがあるのですが，少なくともある文化の中においてその構成員たちによって受容されているものを，それと関わりのない人たちがあーだこーだケチをつける資格があるのかないのかは，常に心に留めておくべきことでしょう．）

今まではカースト制＝「差別・良くないもの」というイメージが強かったけれど、そこに住んでいるいる人達は特に不満を持って無いことにとても驚いた。と同時に漠然と「カースト制ってかわいそうだな」と思っていた自分を反省した。
ずっと手を上げ続ける人を拝んだり、転がっている人に食べ物をあげたりすることは、日本では考えられない。インドは貧国といわれているけれど、そういう部分は豊かな国だと思った。（1年女子）
（インドは文化の面で豊かなのは言うに及ばず，産業面でも豊かでした．インドが貧しくなったのは，イギリスによって産業構造を劇的に変えられてしまって以降のことなのです．）

インドの身分制度が二つあることを初めて知りました。var.na は肌の色で分けるんですよね？どんな風に分けているんですか？（1年女子）
（ヴァルナとカーストの二つは独立しているのではなく，重層的に機能しています．ヴァルナはアーリア人の「血筋の正しさ」に基づくもので，現在では必ずしも肌の色とは対応しません．）

やっと satya の話が聞けて嬉しいです。最初の授業の時から気になっていたので。何となく理解出来た・と思ったけど、多分まだまださわりの部分しか解ってないですよね…。奥が深いです！インド!!
今、自分は誓いを立ててることがあるんですけど、それを実現出来たら一歩 satya の理解を深められますかね？だんだんインドが好きになって来ました～。来週の授業が待ち遠しいです。（1年女子）
（satya の獲得（サティヤーグラハ）を目指してがんばってください．）

神様をも凌駕してしまう satya ってなんて力強いんだろう！もちろん、言うだけではなくその通りにするというのは教訓のように感じました。
　「真実の言葉には力がある」まだ二十年くらいしか生きていませんが、そんな短い間でさえもそれが身に染みた経験があります。それがインドの長い歴史を見た中なら、イギリスからの独立を勝ち取るという大きな出来事に！そしてガーンディーは satya という形で自分だけでなく、周りの人にも真実の言葉の力を共有できるような運動をしてきたように思います・・・と、驚きと感慨でいっぱいの時間でした。（2年女子）
（秀逸な感想文です．言うことありません :-) ）

インドは深すぎた。Veda のことばの力が brahman でつまり satya につながっていく、satya にたどり着くまでなんだか長かったような気がしたけどその過程を見てみるとなるほどと納得してしまった。俗に言う赤い実がはじけた感じです。また、宣言したことをし続けて satya になることがインドでは崇拝されるようにすごいことなんだということが分かった。そして、ガーンディーが非暴力、不服従のパターンをとったのは普通では考えられないことだけどそれは、容易には実現できないことだからこそその satya をつかみ取ることに意味があってインド独立の力になったのではないかと思った。インドという国はものすごい濃厚ですね。（1年女子）
（インドについて学ぶのは面白いでしょう?）

【総評】satya について，興味を持ってくれた反面，難しいなと感じた方も少なくなかったようです．これからも繰り返し説明していきますので，しっかりついてきてください．カーストについてはいろいろな意見がありました．次回以降，少し討論してみましょうか．（鈴木隆泰）

アジア文化論 I

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