12月5日
早期教育について
★:今日は、こどもの早期教育について考えたいと思います。私はある塾で 家庭教師のバイトをしているのですが、小学生がもう中学校の内容を勉強してるんです。みなさんはこういった早すぎる教育についてどう思いますか?
A:こども一人ひとりの学習の到達度で早期教育は必要だったりそうでなかったり、変わってくると思う。
E:個人の能力はばらばらで当たり前だから、早期教育もあっていいと思う。
F:でも、周囲の人間より早く学習することで優越感を持って、威張ったりして。周りは嫌な気分になる。
★:その塾以外で、小学生なのに中学校の内容を勉強させられているこどもはいますか?
A:私立の学校を受ける小学生は入試対策とかで勉強させられていると思う。
★:どんどん先に進むことはこども達にとっていいことだと思いますか?
E:本来わかっていなければいけないことを、わかっていないのなら先に進むことは良くない。わかっていればいいと思うけど。
G:日本には外国みたいに飛び級という制度がないけれど、基礎がわかっていれば先に進んでもかまわないと思う。
I:飛び級、日本にもあるよ。一般的じゃないけどね。
★:私は早期教育に対してあまり良いイメージがないんです。勉強を先に進めるのもいいけど、それはこども達の負担になるのでは?
A:進む前の段階を理解してればいいと思うけど、そうでなければやっぱり負担になると思う。
★:私が教えてる子は実際負担になってるみたい。
F:その塾って勉強の内容を重視してないような気がする。答えは出せるけどその過程がちゃんと把握できてないっていうか・・・。
★:では、その塾の話は置いといて、早期教育そのものについて・・・、皆さんは早期教育はこどもと親と、どっちが主体だと思いますか?
A:親がさせたがってると思う。
C:親。自分のこどもが他のこどもより先をいくことで優越感を得てると思う。
F:早期教育はどんなものを生む?
★:学校で教わることを、先に、別の場所で勉強できます。私の知り合いは3歳児に英語を教えていて・・・。こういうのは親のエゴなんでしょうか?こどもはどう感じてるのでしょう?
G:早期教育には広い意味があるんでね・・・。言語や音楽は小さい頃からだと見につくのが早い。でも数式とかは先にやらせないほうがいいと思う。
★:幼稚園児に英語を教えてたけど、発音が上手かった。でもどんどん吸収するから、混乱してたみたい。混乱を招いてまで早期教育はするべきだと思いますか?
G:バイリンガル状態で、頭の中に言語マップが複数あると混乱してしまう。これは問題点ではあるけれど、早期教育と結び付けちゃいけないよ。言語習得という分野の問題だから。
なるほど・・・!
★:では、教育時間が増えて、こどもたちの自由な時間がなくなると思うのですが、どうですか?
F:教育時間が増えるのは受験という競い合いのシステムがあるからだ。そういうのが小さい頃からあったらこども達は負担だと思う。
B:小さい頃、たくさんの習い事をしてて、自由に遊べる時間が少なかった。
F:小さい頃だと自分のやりたいことがわからないし、選べないからどうしても受身になると思う。
G:それは正論に思えるかもしれないけど、将来の選択肢を増やす手段として、こどもに習い事をさせるんだよ。何もさせないと後から困るし。未熟なものを導くのも大人の愛だと思うよ。
C:私もピアノをやってて、今も弾けるから親にやらされて良かった。早期教育もそんなに悪いことじゃないと思う。こどもの教育は親の大切な役目でもあるし。
A:習い事、当時はやめたかったけど、今は続けてよかったって思う。
G:本当に嫌がってる子には習い事をさせるべきじゃない。プラス面はあると思うけど、やっぱりこども次第。
A:親がどう言って習い事をさせるか、それから指導の仕方にもよると思う。
★:早期教育(習い事など)は親が主体と言ってたけど、どういう理由で?
A:自分(親自身)ができなかったからとか・・・。
H:親はこどもに期待してるんだと思う。
★:将来役に立つということで?
B:そう思います。
★:韓国では時間のないこども達に、親は遊びの家庭教師をつけているらしいんです。
F:遊び方を教えるの!?
★:そうです。でもそこまでするのは・・・。
一同:こども達は時間がなくても自分たちで遊び方を作れると思う。それなりに。
G:最近、こども達遊んでる???
★:地元では遊んでますよ。
G:こどもって普通町にあふれてると思うけど、あまり見ないんだよなぁ。公園に行っても人がいなかったり。
★:時代の変化っていうか・・・。私たちが小さかった頃とは違う感じがして、なんだかさみしい。塾とかで、お金を出してこども達は友達を作ってる・・・。
G:大人の真似してるんじゃない?お見合いパーティーはお金を出して人と出会うし。こども社会は大人社会の縮図だから。大人の社会は子供に影響するんだ。
★:この先・・・未来の子供たちはどうなっていくと思いますか?
E:遊ぶ子、そうでない子、勉強する子、しない子の差がとても大きくなりそう。
A:塾とかに行く子が増えそう。「ゆとり教育」とか言ってるけど。
しばらく「ゆとり教育」と週休二日制について討論・・・。
G:大人が休みたいんだよ。それを「ゆとり」と置き換えてるだけ。ある時期から先生は聖職者ではなくなって労働者になってしまったんだ。「先生」っていうのはただ金をもらって教育しているようじゃだめだ。子供に付けが回ってくる。それから親が甘えすぎだ。先生や学校のせいにする。
★:では変わらなければいけない。大人が変わるべきですか?政府が変わるべきですか?
F:誰がどうとかではなく、全体的な教育のシステムを確かめたり、視野を広げることが今一番できることだと思う。社会全体に目を向けるという意識が大切だと思う。疑問が出てくればそのつど対応して。
★:では最後に・・・、今の子供たちは幸せだと思いますか?全体的な今のこども像をとらえて。
流されやすい、縛られていることで安心している?、ゲームに依存、かわいそうなどの意見が・・・。
どうやら幸せそうには見えないようです。
★:政策でこのような状況になってるけど、これは「ゆとり教育」じゃないと思う。
E:だいたい「ゆとり」とか「生きる力」とかって何なのかなぁ?よくわからない。
★:私もよくわからない。今の教育方針を変える必要があると思う。
E:「ゆとり」とか、そういう言葉が出ること自体おかしい。
G:政策について言うと・・・役人って間違いを認めないんだよ。だんだん国に期待する気持ちが薄れてしまって。だからって何もしないと、自分の嫌いなズルイ大人になってしまう。「ゆとり」や「生きる力」を批判してもしかたない。できた時間をどう使うかが大事。みんなと向上していけたらと思います。
★:ここまでいろいろ考えてきましたけど、Fさんが言っていたようにみんなが知っていくことは大切だと思いました。流れに逆らうのは大変なことだけど、時代とか関係なく、親は子供にとってより良い教育をしていかなければならないと思いました。
《編集後記》
お疲れ様でした!書くのに必死で参加が不完全だったのが残念です。でも、テーマに沿ってたくさんの意見が出て面白かったのではないでしょうか。ここでうまくまとめることはできませんでしたが・・・。一年生(私も含め)はもっと積極的に発言できるように頑張っていきましょう☆教育って本当に大きな問題で、私ももっと知らなきゃ!!と思いました。毎回勉強になります。人の意見を聞くことは自分の視野を広げる第一歩だと思いました。(書記)
「‥‥がいいか,悪いか」を論じる際には,まず「‥‥とは何か」を明確にしてから始めないと議論がかみ合わないことがあります.気をつけましょう.
さて,今回は「早期教育」がテーマでした.早期教育を,「学校で習うより先に習うこと」と定義するならば,「学校ではいついつ習う,というきまり・規則に必ずしも従う必要はないのではないか」とも思います.一番大切なのは,“親が定見を持って,そして責任を持って取り組んでいるかどうか”でしょう.「子供のため」と言いながら,本当は親のエゴを押し付けているだけの場合も少なくありません.そういうときには「早期教育は悪である」というテーゼが成立するでしょう.でも,それもあくまで一定の条件下でのことです.
こういう場合,「ケースバイケースだ」と言ってしまうことは簡単ですし,実際にそうだとも思います.でもそれならば,どういうケースならよくて,どういうケースなら悪いのかを,多角的に考察していく必要があります.
もちろん,この基礎演習ではそこまで突っ込んで考察しなくてもいいです.「時間をかけて学ばなくてはならない」という意識だけでも持ってくれればと思います.この基礎演習を「今後のきっかけ」にしていって下さい.
(鈴木隆泰)