2002/12/6 No. 9

12/6 授業の感想9号と回答

感想9号（総数 80）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

今回から「釈尊なきあとの仏教」に入りました．教えの確定（編纂会議・聖典結集 sa.mgiiti）の危険性，仏陀観の変遷などを説明しました．

釈尊の去ったあと、その場所に土をもってストゥーパとしてまで残そうとする人々がいるということは、釈尊という人がいかに影響力のあった人であるかを如実にあらわしていると思いました。その人のいたあとすらその人の代わりにしたいと思うような人に、私も会ってみたいと思いました。（4年女子）
（本当にそうですね．私も会ってみたいです．）

ただ、教義の確立が図られた後に、なぜまた多くの人々が処方箋を出すようになったのでしょうか？結集会議は高位の出家者によって開かれたのであれば、その定められた教えには絶大な権威があったのではないでしょうか。（3年男子）
（「仏教という宗教が持っている基本的な性格」に気づいた人たちが，仏教本来の姿に戻って処方箋を発行し始めたのです．仏教において「権威のある教義」などという概念は本来あり得ないからです．）

今日の講義はたくさんの内容でノートも３ページくらいいったので、すごく興味深いことが多かったのです。一番印象に残ったことは、良い処方箋を出すから名医である―善い教えを説くから仏陀である、つまり誰でも仏陀になれるということです。これはすばらしい発想の転換だと思います。なぜならこう考えるだけで今まで閉ざされていた方面のことが開けてきて、新たな世界を見ることができるからです。前回出席を出し忘れたことに対して先生が「別様に考えることはできませんか？」とコメントして下さっていたのですが、これもそういうことなのかなあと思いました。（2年女子）
（別様に考えることはできましたか? ）

釈尊がいなくなった後の仏に代わるものとしてストゥーパや, 法といったものが代用品として用いられたと習いました。つまりそれは、古い教えを守る非小乗的な発想と見てもいいのでしょうか?（3年女子）
（そうではありません．法やストゥーパは「仏陀の代用品」ではなく「仏陀そのもの」なのです．大乗か非大乗かは，当面は「処方箋が固定化しているか否か」「江戸クリニックかどうか」で区別して下さい．法やストゥーパを仏陀そのものと見なす考えは，大乗・非大乗に共通して見られるからです．）

釈尊の死後、マハーカッサパ Mahaakassapa が教えを確定しようとしたとありました。でも仏教には様々な教えが存在します。マハーカッサパはこの点を理解したうえで教えを確定しようとしたのか、それともこの点を見落として好き勝手する者が出て来たから取り敢えずまとめようとして教えを確定しようとしたのか疑問に思いました。（2年女子）
（彼は「方便」「処方箋」をよく理解していたと思います．でも，それを逆手にとって，「これも方便だ」「これも処方箋だ」と無軌道に行動する人たちが現れたため，危険とは知りつつも教えを確定しようとしたのでしょう．実際，彼のおかげで，仏教の教えの芯となる部分（コア）は残り，後代そのコアを頼りに仏教の全体像を再構成していくことができます．また，教えの確定はたしかに危険ですが，後に大乗仏教が登場したことからも分かるように，「処方箋を出し続ける」という仏教本来の姿はなくならなかったのです．）

菩薩は、仏陀以外でよい処方箋を出した人のことを指すのですか？あと、マハーカッサパが教えを確定したり、聖典結集の時点で誰も決定的な間違いに気付いていなかったということは、当時、仏陀の教えを正しく理解できていた人は1人としていなかったのでしょうか。（2年女子）
（菩薩については次回以降に授業で取り上げますのでお待ち下さい．
　マハーカッサパは正しく理解していたと思いますが，彼は仏教の正しい理解より，仏教を存続させることに重点を置いたのです．）

講師の先生を招待してその人の体験談を聞くという授業が大学に入って何度か経験してきたなかで、「私にできたのだからあなたたちもやってやれないことはありません。」という言葉に何度か出くわした覚えがあります。釈尊の教えのように人は個々の力やタイミング、チャンスを持っているので、ただ一人が努力してできたことと同じことが他の人すべてにもできることはあり得ないと思います。もしそれが正しい教えというのならば、食べたくもないりんごを無理やり取りに行かせて、逆に苦しめさせていくと感じました。（2年女子）
（個人的体験を一般論にまで敷衍しようとするのは論理の誤謬なのです．この誤謬のもとでは「私にもできたのだからあなたにもできる．それができないのは，あなたの努力が足りないからだ．」と，失敗の責任を全て背負わされる羽目になります．近年，自殺が増加していますが，その理由の一端にはこの誤謬があると言われています．）

今日は「自分に出来たのだからあなたにも出来る！」という考え方から意見を述べたいと思います。先生はこれは、「サンスカーラ」であるとおっしゃいましたよね。確かにそうであると思います。どうやっても自分に出来ないことが存在するのは当然のこととして受け入れられるからです。しかし、見方を変えれば、そのサンスカーラ、「そっかー、自分にも出来るかもしれないなー、じゃあやってみよっかな」と受け取り、やってみるのもありだと思います。先生が分かりやすく説明してくれようとそのように行ってくれたことに対して、重箱の隅をつつくみたいな発言でしたでしょうか。確かに、「自分にも出来るのにどうしてお前には出来ないの！？もう、あんただめ。」と決め付けるのは本当にまちがっていると思いました。相手に自分と同じ方法を押し付けるのは間違っている、人それぞれなのだからということは痛い程強く分かるのですが、「分かっちゃいるけどやめられない」状態です。じぶんの中にはやっぱり信念というものがあるから、相手の意見に対して「それは違うだろ！？」と思って、自分の意見を言うのですが、相手は聞く耳持たずです。先生の講義を生かして、ここで「まー、ひとそれぞれだものなー」と考えようとしたのですが、やっぱり譲れない信念があるから、なんかそこは譲れないです。相手が聞いてくれないからそのような相手に腹を立てている自分が間違っているのかどうか。この講義の観念からいけば、相手に意見を押し付けようとしている自分が間違っていると思います。しかし、観念というものはすべてにあてはまると思うことはサンスカーラであるとも思うのです。そう考えると、サンスカーラを排除した釈尊の心、考え方はどのようなものなのか？わたしにとっては彼は宇宙人そのものです。（2年女子）
（力作をありがとう :-)
　あなたの言うとおり，サンスカーラの有効活用ができ，それで人を導くことができるなら全く問題ありません．私が講義で言わんとしたのはサンスカーラの悪用の方だけであって，しかもあなたはそこも理解してくれているんですよね．いやはや，お見それいたしました (_ _)　）

五重塔も仏塔であるといわれたのですが、お寺にある仏像や建物なども、みんなそうなのですか？（2年女子）
（仏陀の表象であって仏陀に直結したもの―仏陀のイコン icon ―という意味では，仏像も仏塔も，そして寺院建築も同じ役割を果たします．）

仏塔を建てた理由の例えで「離れて会えなくともその塔を見て思い出す」と話されていましたが、宗教が人々の心の中にいつまでもやどっている点に関してはいいと思いましたが、逆にその塔が縛り付けているということはないんでしょうか。（3年女子）
（これまたビンゴ!! って感じです．仏塔に執着しリンゴを求めようとしない人たち，大乗仏教出現の背景の一つには，彼らの誤りを正そうという意図もあったのです．）

「歴史では、その人はどういう人であったかではなく、どういう人であったと考えられているかということによって規定される。」という先生の言葉に納得しました。今まで勉強した歴史は必ずしも真実とはいえないし立場によっても解釈は大きく変わってしまう。情報を鵜呑みにするのではなく少し疑うことは大切だと思いました。（2年女子）
（歴史は難しいです．．．）

釈尊の人々にあたえた影響力というものを今日の授業を通して改めて感じました。今の時代に生まれている宗教（と呼んでいいのかわかりませんが）の中に、やがて仏教やキリスト教、イスラム教のように後世まで人々に多大な影響を与えるものとなる宗教はあるのだろうかと最近よく考えます。（4年女子）
（あなたの考えでは，何かありそうですか? ）

釈尊の影響力は今日まで続いているように思います。それは、自分の祖父母を見ているとよく思うのですが、現代の私達にとって宗教という言葉は必ずしも万人に良いイメージであるとは限りませんよね。それは現代の教祖と呼ばれる人々に良いイメージが無いからであると思いますが、そんな人たちの中からこれから釈尊のような影響を人々に与える人が生まれるのでしょうか？私自身はそうは思わないのですが、影響というものはすごいなと感じたので、現代に置き換えても同じことが起きるのかもしれないと今日の授業で思いました。（2年女子）
（歴史の風雪に耐えてきた「教祖」の中には，在世中から注目されていた者もあれば，在世中は疎んじられたり無視されたりした者もあります．何れにせよ，現在ある“教祖”の中で，歴史の風雪に耐えうる人たちはどれくらいいるんでしょうか．）

「私は仏陀になったが、常に修行者である～」という内容を聴いて、『くよくよ考えるより、まずは行動しろ！』と言われたような気がした。人生は人に頼って切り開くものじゃない、自分で切り開くものなんだと、改めて実感した。（3年男子）
（前向きのメッセージを受け取れて良かったですね．）

釈尊は「自分にできないことだけではなく、自分にできたことも人に押し付けようとしなかった」という話が印象的でした。「私にできたのだから、頑張ればあなたにもできる」という考えは、良くも悪くも考えられると思います。努力だけで成功できるものではなく、運などいろいろなものによると思います。でも、努力自体は良いことだと思います。ちょっと今考えていて、よく分からなくなってきました。（2年女子）
（この感想と回答を参考にしてみて下さい．）

今回は2つ好きな言葉がでました。まずは釈尊が「自分にできないことを人に押し付けないだけでなく自分にできることを人に押し付けることもしない」ことです。できない人の気持ちはできる人にはわからないですよね。仏教の処方箋が何通りもあるようにアプローチの仕方は人それぞれだと思います。もう1つは「仏陀だから人を導けるのではない。人を導けるから仏陀なんだ。」という言葉です。こういう言い方、すごく好きなんです。ちょっとニュアンスが違うけどこの言葉を聞いて某漫画の一場面を思い出しました。「お前のためにチームがあるんじゃねぇ、チームのためにお前がいるんだ。」先生ご存知ですか?（2年男子）
（安西先生でしょ? :-)　）

釈尊の教えを正確に受け継いだ純粋な仏教とは今現在存在しているのだろうか。少なくとも、先生は受け継いでいるように思えるのだが、これからの講義で移ろいゆく仏教の変遷を学ばせてもらいます。（3年男子）
（「純粋な仏教」というものがあり得るのかどうか，私にはちょっと自身がありません．でも，「教義にとらわれない」などという考え方は仏教の基本路線の一つであり，そういう基本路線を一つ一つ確認し直していこうと努力しているつもりではいます．）

卒塔婆というがありましたが、伝統芸能の授業では、「卒都婆」と出てきました。どっちも同じでしょうか？（2年女子）
（「卒都婆」ではなく「率都婆」ではなかったですか?　「卒塔婆」「率都婆」どちらもサンスクリット語のストゥーパ stuupa に相当する音写語です．）

マハーカッサパが教えを確定しようとしたのは、釈尊が死んだことによって仏教が消滅してしまうことを恐れてのことだろうと思いました。しかし、それが根本的に間違っているということにそのときどうして気づかなかったのだろう、しかも長老なのに…と、感じました。キリスト教やイスラームとは違い、背後に神の存在を持たないのに創唱者の死後まで存続しているという観点から仏教を見ると、偉大だし不思議です。しかし仏教人口がキリスト教やイスラームに比べ少ないことが疑問です。（3年女子）
（一つには，キリスト教やイスラームと比較して仏教には“伝道 mission”の意識が低かったこと，一つには，“善い処方箋が処方されていればよい”という考えが仏教にあるからでしょう．他にも考えられますが，代表的な理由として，この二つを挙げておきます．）

「仏陀だから良い教えを説くことができるのではなく、良い教えを説くことができるから仏陀なのだ。」という言葉から、釈尊だけが仏陀になれるのではなく、多くの人々が仏陀になれるということが分かりました。しかし、菩薩と仏陀の違いがよく分かりませんでした。
仏塔は釈尊の記念碑であると言われましたが、五重塔も仏塔であるということは、それも釈尊の記念碑なのですか？それとも、インドにある仏塔が、釈尊の記念碑なのですか？（2年女子）
（菩薩の説明は次回以降も続けます．
　仏塔と記念碑の関係は，あくまで「原則」であり「元来」のものです．ですから，五重塔も「塔」である限り，元来は釈尊の記念碑たるストゥーパだったのです．でも，実際には，ただ単に造形を導入しただけのものもあります．）

授業にはきちんと出席しているけど、時々書き込みするのを忘れてしまいます。そういう時は、やはり、欠席扱いになってしまうのですか？そうだととても悲しいですが。。。（2年女子）
（感想を書いてくれない場合には，残念ながら欠席扱いです．遅れたときはメールで buddhism@cis.ypu.jp 宛に送ってくれれば受けつけます．氏名・学籍番号・いつの授業の感想なのかを明記して送って下さい．ただし，期間内に出した場合よりは多少減点させてもらいます．もちろん，出さないときにはその回は 0点です．
　メールによる感想は
　　・遅れたとき
　　・掲示板には書きにくい内容であるとき
　の二つに限って受けつけます．それ以外は掲示板でお願いします．）

創唱者の後ろに「神」のような存在がいるから存続してきた宗教よりは、法が仏である仏陀の役目を変わりにしているから存続してきた仏教の方が、私はより納得できました。それは神という存在によって存続してきた宗教が悪いという意味では決してなく、「神」という漠然とした偉大な存在よりも、仏陀が残したさまざまな処方箋（教え）が亡くなった仏陀の変わりに仏教を支え続けたという事実の方が、私にとってより身近に感じられたからかもしれません。仏教を学んでいくと、仏教だけでなく様々な宗教の違いや特徴、良さもたくさん見えてきて、すごく勉強になります。「私にできたんだから、あなたにもできる」という言葉はよく耳にしますが、今までそういう言葉をあまり信じていませんでした。何故「他人ができることなら自分もできる」のか、「はっきりした理由」もなく言われた言葉にどう反応していいのか分かりません。けれど仏陀の「処方箋は人それぞれ」という考えを聞き、自分が何故こんなに強くこの言葉に反発していたのか理解できたように思います。（2年女子）
（よしよし (^^)　）

今日の講義で一番心に残っている言葉は、やはり良い処方箋を出すから仏陀なのだ、です。これまでの仏陀の定義から変化し、法を説いたから仏陀だという考え方は、すごく好きです。この考えが、非大乗の中にもあったということは少し驚きでした。（2年女子）
（大乗のほとんどのものは，非大乗が用意してくれたものを受け継いでいます．）

今まで仏教があることは当たり前だと思っていたけど、宗教は創唱者が亡くなったら消滅することが多いのに（宗教に限らずたいていのことはリーダーがいなくなったらそうだと思うけど）、仏教が存続したということを考えると仏教の力ってすごいんだなと思わずにはいられなかった。ぱっと見、教えを確定するというマハーカッサパの考え方は創唱者の死後宗教を存続させるうえで一番有効な策のような気がしたけど、たしかに方法を押し付けないという釈尊の考えと根本的に違うし、新しい問題に対応できていない。さらには、かなり修行の進んだ修行者に限った会議だということで釈尊の考えを生かせていないものだと気がついた。（2年女子）
（授業の内容，よく理解できたみたいですね．）

以前から疑問に思っていたのですが、仏教史上、仏陀になったのは釈尊だけですよね。でも、仏教では誰でも仏陀になれるわけです。すると、「仏陀」になったということは誰が認め、確認するのでしょうか？釈尊は自分が仏陀になったと自ら認めましたが･･･他にも実は仏陀になった人物がいたんじゃないですかね？他の者が知らないだけで、自分は悟り、仏陀になったんだ！と思いながら死んでいった人とか･･･。
素朴な疑問でした（-＠З＜）・・・・☆。
最近顔文字に凝ってます（*≧m≦）！
チュッ･･･（´З｀）････☆（3年男子）
（　(^_^;
　「人知れず死んでいった仏陀」はいません．“人々を救ってこそ仏陀”だからです．）

今日の講義の中での｢名医はどんな病気も治す｣のではなく｢いい処方箋を出すから名医｣と言う言葉を聞いてなるほどなぁと思いました。今まで何となく｢名医｣と聞くと前者の方を真っ先に思い浮かべていました。｢仏陀だから人を救うのではなく、人を救うから仏陀」と言う考え方がこの名医の例でよくわかりました。あと、私が聞き逃していたことかもしれませんが、｢大乗仏教｣というのは、仏教本来の姿に戻ろうというもので、｢小乗仏教｣というのは、｢江戸クリニック｣の例にあったように、処方箋を500年ぶりに復活させるという時代遅れで劣ったものと理解しているのですが、これでいいでしょうか？（3年男子）
（ちょっと違います．昔ながらの処方箋を守り続けているのが「非大乗」で，一度途絶えてしまった処方箋の処方を復活させたのが「大乗」です．）

仏陀だから、よい教えを説くのではなく、よい教えを説くから仏陀であるというのが印象に残りました。よい教え＝心に平安をもたらすもの、と考えてもよろしいでしょうか？（2年女子）
（そうですね．マイナス方向のサンスカーラを増大させず，リンゴに（少しでもいいから）近づけさせるもの，それが善い教えです．）

仏教は創唱宗教であるという話で北朝鮮の金成日総書記について少し話が出ました。創唱宗教で創唱者の後ろに「神」という存在を持たないとき、創唱者に後継者（カリスマ性を引き継ぐ者）がいないときには創唱者の死後、その宗教は滅んでしまうことが多いということでした。彼も宗教のひとつだと納得しました。しかも悪い宗教です。悪徳宗教。でも消滅しない……。将軍様、将軍様と慕っているのが本心かは謎だけど、ある程度そこで心の平安を求めようとしている人民がいるからなくならないのでしょう。でも今日の話からいくと…　いつかは消滅するのかな？と思ったり……。簡単な問題ではないですね。
本当に仏陀、仏教を学ぶだけでも、いろいろなことに目を向けたり深く考えたりするようになりました。こういう時にも仏教の力を感じます。（2年女子）
（彼の命運もそう長くはないと思いますよ．ガーンディーのことばを思い出してみましょう．「歴史上様々な暴君があった．一時期，彼らは無敵に見える．けれど，全ていつかは滅び去ってきたのだ．（取意）」）

自分が出来ないことを人に押し付けない、これは解る。でも、自分が出来ることは他の人も出来て当然、とつい思ってしまう自分がいる。早く走れないとか、逆立ちが出来るとか、勉強で解らないところがあるとかは出来ない人には本当にできないから(自分も運動神経悪いし・・・頭も悪い・・・)仕方ないって言えるんだけど、待ち合わせの約束の時間に遅れないとか、そういう面では待つのは構わないんだけど、時間になっても来ないし、連絡も取れなくて、「あ～忘れてたぁ」なんて言われることもあった・・・。心配するのは私が勝手に心配してるんだけど、事故にあったりしてないかとか待ってる間不安だから連絡して！と顔見るなり怒っちゃったりする。私はちゃんと連絡するでしょ？って。私とは皆違うのは解ってるんだけど・・・。（2年女子）
（別に私は，何でも受け入れろ，と言っているのではありません．「自分の価値観を他人に押し付けるのはよくない」と言っているのです．価値観の相違は誰との間にもありますから，付き合っていこうと思うなら，双方歩み寄っていくしかないですよ．もし，相手にあなたに歩み寄る意志がないなら，私だったらその人との関係を考え直すでしょうね．）

歴史では、その人はどういう人であったかという真実ではなくて、どういう人だったと考えられているかだ、という言葉に納得しました。この間の古代土器捏造のニュースなんかでもわかるように、大多数の人がそうであると信じていると、嘘も本当になってしまうことがあるのは事実です（この件では嘘が暴かれてしまいましたが）。事物における認識もこんな風にねじれてしまうのだから、人物の性質を述べる際に、こういう人であると断言することはその人以外の誰にもできないことなんだと思います。サンスカーラを通して歪んで見えた形をその人本人だと思い込むのは危険な行為だと思いました。（2年女子）
（目を眩ませられずに生きていきたいものです．）

今日の講義は「あ、そういうことか(@n@)!」と、納得するところが沢山あって、個人的には充実感のあった講義でした。(最後の方は少し曖昧なところもあったけど…)釈尊は仏陀になって、全くサンスカーラを感じなくなったのではなく、仏陀になった後も次々と湧き起こるサンスカーラに惑わされないように努力をしたんですね。ようやく釈尊が人間らしく思えてきましたf(^^;)　それと、釈尊没後の話も「納得！」が多かったです。師がいなくなった後に「教えを確立しよう」と考えたマハーカッサパの考えにも一瞬「納得！」で、その後にそれが、重大な誤りであるという大乗仏教の考えを聞いて、またまた「納得！」でした。
そして、今まで「釈尊はすごい！でもサンスカーラから逃れるなんて絶対無理だし！」と思っていたけど、何もまったく同じ方法で、釈尊のようにならなければいけないなんて誰も言ってないじゃん･･･と、ようやく納得。（2年女子）
（私も「あなたはよく理解していますね」と納得!! ）

ある人が成功するのはタイミングと運もある。そして努力すれば出来るというものではないものもあるという意見について　すごく納得した。よく参考書で成功談などが書いてあって、それをしたらあたかも必ず成功するという書き方がしてあるが、それは一処方箋に過ぎず　皆に　効き目があるわけではない。　しかしこれだけやったら　あなたも成功出来るといわれると　つい試してみたくなるのが人間の弱い所で　それによって金儲けをしている人も世の中には　たくさんいる。　そうやって成り立っている世界も探せばたくさんあるなと思った。今習っていることは仏教についてだけど、私たちの私生活にも反映していて　改めて宗教は生活に密着していると気づかされた。（2年女子）
（でしょ? ですから，「私は何の宗教も信じていません」と公言して憚らない多くの日本人を見て，奇異に感じる外国の人が多いのです．）

仏教が今日まで残って、いろんな人の心の支えになっていることを納得させられました。私もこの授業をとってから、授業でのいろんな説を日常の中でなんとなく心に留めているようです。仏陀は超人とかそんなんじゃなく、いい教えを言うから仏陀なんだと言うことが印象に残りました。（3年女子）
（あなたは「リンゴ」に向かえていますか? ）

この講義を聞いて、いつも仏教に対して漠然と抱いていた観念が打ち破られていくのだが、その反面、仏教の奥の深さにたじろぎ、釈尊の教えを自分の独断と偏見で判断し誤解してしまう事がしばしばあった。今でもサンスカーラを正しく理解できているか正直不安なのだが、歯をくいしばって最後までついて行きたい。思うに、釈尊の教えをいくら文章に残したとしても、それを読む人によっては誤解をする恐れがある。だからこそいつまでも、その時代に生きる者たちによって再検討されねばならないのではないか。（4年女子）
（ビンゴ!! です．）

今日の講義で一番印象的だったのは、「仏陀だから人を救えるのではなく、人を救えるから仏陀である。」ということです。それは、釈尊だけが仏陀になれるのではなく、誰もが仏陀になれるということだとわかりました。誰もが仏陀になれるということは、心に不安を感じている人がいれば救えることができるということですよね。それは、すごいことだと思いました。（2年女子）
（これまたビンゴ!! です．）

私達が歴史上の人物をみるというのは、その人がどう見られていたかをみているのだということでした。これもサンスカーラの一つと言えるのですか？（3年女子）
（そういうことになりませんか? ）

釈尊も仏陀であり続けるための努力を常にしている。この言葉がとても印象的で、物事は簡単にいくものじゃない、努力が大切だ！と改めて気付かされました。努力なしで何かを手に入れようなんて甘い！と自分に言い聞かせました。釈尊には人間味を感じます。人間なんですけどね・・・。大乗も非大乗も仏陀の処方箋を受けた人々が作ったのに、非大乗が劣った・下劣なという意味を持つ小乗と呼ばれることに違和感を感じました。確かに大乗の方が本来の仏教だと思いますが。（2年女子）
（「非大乗」と「小乗」は同じものを指してはいません．それが「大乗」であれ「非大乗」であれ，有効な処方箋足り得ず，場合によっては害毒であるもの，それが「小乗」なのです．だから「劣った，捨てられた乗り物」と呼ばれたのです．）

仏陀とは最初から偉い人。すごい人。だから良い教えを説いたのだ！！と今まで思っていました。
今日の授業では、その逆だと言うことに気づき、とても驚きました。良い教えを説くから仏陀なのだと言うことで、私も良い教えを説いて、仏陀の様になりたいです・・・。（2年女子）
（なりましょう!! ）

自分で出来ないことは人に押し付けない、というのは今までもわかっていたことだったけど、自分で出来ることでも、人に押し付けない！というのは「目からウロコ」といった感じでした。自分が出来たからといって人も出来るとは限らない。漠然とわかっていたようで、実は認識していなかった・・・と言うことに気付きました。この講義はこういう、新しい発見(!?)がいつもあるので楽しいです。（2年女子）
（楽しんで下さい． :-)　）

私は以前『西遊記』が好きでよく読んでたんですけど、そういえば玄奘が旅に出るきっかけになった観音さまの言葉は、「おまえの経は多くの人を救えない小乗のものだ。多くの人を救うため大乗の経典を天竺まで取りに来なさい」だったような気がします。そのときは小乗も大乗もなんのことかわかんなかったので何が違うんだろうぐらいにしか思ってなかったですけど今日授業で大乗仏教と小乗仏教の話を聞いて納得しました。『西遊記』の中にそんな差別用語が使われていたのは少なからずショックです。
仏教はいろんな物語の中に浸透していて、仏教文化の授業を受けてから物語の中の隠された意味やテーマに気づくことが出来るようになりました。いろんな作品を思い返してみるのが今とても楽しいです。（2年女子）
（漢訳された「小乗」にはそれほど差別的なニュアンスはありませんからね．『西遊記』の作者（呉承恩??）がインドにおける用法を正しく理解していたとは思えませんし．）

大乗仏教とそうでない仏教のお話が出ましたが、高校のときの授業で小乗仏教徒は自分たちのことを上座部仏教と名乗っていたという話を聞いたように記憶しているのですが、これはあっているのでしょうか？
仏典結集の話も高校のとき聞いていたけど、それがそんな内容だったかには全く触れずに流されたので、その時の様子がわかって面白かったです。
今日聞いたようなえらい人たちばかり集まって決めたというイメージを持っていたのだけど、仏教の事をいろいろ聞いて少しずつだけどわかってきて、それだと仏教のよさというか仏教の仏教たるところが消えてしまうのですよね。
なんだかそれぞれの人に合った処方箋を出す仏教とは、心の漢方のように思います。（2年女子）
（まず，大乗でないものは「非大乗」であって，必ずしも「小乗」ではありません．上座部などの部派仏教は「非大乗」であって，「小乗」と全く同じではないのです．ただし，中には「小乗」と呼ばれても仕方のないものも含まれている（or いた）のは事実でしょう．）

最初からすごい人はいないんだ、と思いました。いつも自分はほかの人より劣っているとか、頭がいい人はいいなとか、そんなことをよく考えてしまいます。釈尊は、仏陀だから良い処方箋を出せるわけじゃなく、よい処方箋を出すことができるから、仏陀と呼ばれるのだと聞いて、そう呼ばれるまでに、大変な努力があったのだと感じさせられました。釈尊が今、私の相談にのってくれたりしたら素直に釈尊の意見を受け入れることができそうです。そのくらい尊敬できる人物だと思います。（2年女子）
（本当にそうですよね．私も尊敬できる宗教者に会ってみたいものです．）

三宝が一つでも欠ければ仏教は消滅してしまう、しかし、仏陀が死んだ後も仏教は続いている、ということは三宝があったということになる、と聞きましたが、本当ですか？（3年女子）
（本当です．と，答えればよろしいのでしょうか? 実際，仏教は存続してきていますよね? ）

仏陀だから人を救えるのではなくて、人を救えるから仏陀なのである。当たり前の事であるが今まで気付かなかった。仏陀とて最初から完璧であったわけではなく大変な努力をしてきたのである。そんな苦労をしたからこそ人々に崇められる偉大な人物となったのであろう。やはり楽していい思いはできないんだと思い知らされました。（2年男子）
（楽をしているならいい思いをしているんじゃないの? もしそれがいい思いではないなら，結局それは楽ではないことになりはしませんか? ）

「個々人に合わせた処方箋」っていいなぁと思いました。もし私だったらどんな処方箋が出されるんだろう、と想像すると少し怖い気もしますが･･･。何だか現代の「カウンセリング」に似ていると思ったんですけど、どうなんでしょう？（2年女子）
（「仏陀は名医」だと申し上げたでしょう? ）

「自分にできることも人に押し付けない」･･･今まで考えたこともありませんでした。しかしよくよく考えてみると、まさにその通りなんですよね。２１年間生きてきても思いもしなかったので、今回それに気付いて良かったと思いました。（3年女子）
（「♪遅すぎることはない，早すぎる冬よりも～」などという歌もありますしね．）

正直、なんだかふりだしに戻ってしまった気分です。処方箋を出せることの重大さ（っていうのかな！？）や、その自然の流れを感じ取ることができたことは、私のなかで大きな変革を産んだと思っています。しかし、少しだけ不安がよぎったのです。私のなかの依存心がその不安をうんでいるのではないか…そういうわけで、今ふりだしに戻ったような気がしています…うまく説明できませんでしたが、とりあえず今のところの不安をぜひ一目だけでもみておいてもらおうとここで出させていただきました。（2年女子）
（うーん，ごめんなさい．あなたの不安がよく見えません．よかったら研究室に立ち寄って下さい．）

『仏陀だから良い教えが説けるのではなく、良い教えが説けるから仏陀である』これが今回一番印象に残りました。仏陀は始めから仏陀ではなかった。あたり前だけど、いつの間にか元から仏陀をえらいものと考えていたので、この発想の転換はハッとさせられました。毎回授業を聞いていて思うのですが、仏陀の教えは古いのに現代にも十分通ずるところがありますね。私自身仏陀に教えられることがたくさんあり、古くて新しいという感じです。仏陀とは何か、これがますます気になる今後です。（2年女子）
（仏陀を師とすることができれば言うことありません．素晴らしいことです．）

毎回色んな仏教の教えを聞くけど、授業の度に自分がどれだけ先入観の中に生きているか思い知ります。自分に出来ないことを他人に押し付けず、自分に出来ることも他人に押し付けないということも先入観をのけてしまえば当然のことかもしれないけど、今、私が実際やろうとすると、やっぱり難しい。仏陀仏蛇になるのはとてつもなく難しいと思う。（2年女子）
（激しい変換ミスがありましたよ (^^;　
　「釈尊と同じ成仏」は誰にとっても難しいですから気にしなくて大丈夫です．では，いろいろな成仏があるのか?? それは今後に乞うご期待．）

stupa（仏塔）を作り、民衆は「釈尊は亡くなったが、仏陀は生きている」という観念を生み出したが、その塔は彼らに処方箋をくれない。それでも仏陀と感じるのはなぜなのだろう。（3年男子）
（「そこに仏陀があり，いつでも仏陀に会うことが出来る安心感」という処方箋を仏塔がくれるからです．）

最初から偉大な人だから、その人の言葉がすばらしいのだと思っていましたが、よく考えると初めから優れている人なんていないし、何にしても努力あってのものだということを改めて考えさせられました。そう考えると現在の自分の自信のない部分も自分の努力次第でどうにでもなるのではと、勇気が湧いて来ます。そろそろ就職活動も始まり、自分自身を見つめなおすことが多く、へこんでしまうことも少なくないのですが、この授業で学んだことは自己を奮い立たたせてくれたり、考えさせてくれたりと、ますます興味がわいてきています。（3年女子）
（フレー，フレー，若人たちよ!! ）

今日の一番最初の、釈尊は自分にできないことは人に押し付けず、また、自分にできることも人に押し付けないという考え方が、私にとってとても教訓になりました。私は、今家庭教師をしているので、この考え方が次回に役立ちそうです。自分にできるからといって、人にできるとは限らないとは分っていながら、苛立ちが胸の奥から込み上げてくるときがたまにあるんですよ～。私もまだまだだなあとつくずく反省します。私が、できないと決めてかかったらそれまでですよね。実は、この講義を受講して以来、家庭教師の場で、サンスカーラのことや中道のことを心がけて生徒に接するようにしているんですよ！
　だから、仏教って、教育界にとって（先生も生徒も）参考になるものではないかなあと思うのです。だけど、そうすると、まずいのですかね～やっぱり。思想問題になるのでしょうか?そうやって、体系化して、マニュアルを作っちゃうと、非大乗仏教と同じことですよね～。となると、私が菩薩になればいいのかな???（私「先生」になりたいんです!!）でも、最近の教育現場においては、「先生」は「菩薩」のようでなくてはならないのかもしれませんね。様々な悩みを持った子に向き合っていくわけですから。知識も教養もあって、処方箋も出せないと、「先生」ってなれないのかも（また「先生」と言えないのかも）…。（「菩薩」よりすごいことだ～（＠0＠））
→ちなみに、現在「菩薩」と自らを名乗る人がいるのですか???（2年女子）
（いっぱいいますよ．本来そうあるのが自然です．もっとも，「自称仏陀」もいて話が若干ややこしくなることもあります．「自称仏陀」はアヤシイです．）

今日の授業の中で出てきた「仏陀観」についてですが、その仏陀像のほとんどが周囲の「他者」によって成立していた、というお話を非常に興味深く思いました。そして考えました、今私の学んでいる「仏陀」にサンスカーラはどれ位入っているのだろうか？「針小棒大~~心象膨大~~」と言うように、人間の思考や想像は豊かで、物事の本質は数人の他者を通すことですらすぐに変化してしまいがちです。ではもし仏陀観が他者を通して作りあげられていったものだとしたら、当然その中にこそサンスカーラの存在を認めざるを得ないのではないでしょうか。このように考えてみたら、（一見完璧なように思える）仏教にも崩せる部分があるじゃないか！なんて思わず意地の悪い気分になってしまいました。（だって皆の感想文を読んでいると誰も仏教に”疑問”を感じようとしていないみたいなので‥。　これは私が仏教に対して疑念を抱いているわけではありません。ただ、与えられたものに対して疑問も抱かずにすぐ受け入れてしまうのはおかしいし、何より対象に対して失礼だと考えるからです。）でも例えサンスカーラが混入していたとしても、長い歴史の中で多くの人々に崇拝され、時代を超えて今もなお世界に何らかの影響を与えているということを思うと、その仏教の本質はサンスカーラも吹き飛ばす程太く、力強いものなのでしょう。何も粗探しをしているわけではないですが、このように考えてみるのも面白いな、と思いました。（2年女子）
（“健全な批判精神”は，人間の文化生活の中で最も重要なものの一つであると考えています．どんどん疑って，そしてどんどん深く学んでいって下さい．ただ疑うだけでは駄目ですよ．「疑うだけ」は，「何も疑わない」のと同じくらい対象に対して失礼な行為ですから．もちろん，世の中には明らかに胡散臭いものもあるので，何にでも“健全な批判精神”を発揮する必要はありません．）

自分に出来ないことはおしつけない、自分に出来たこともおしつけない。ということが最も印象に残っています。なぜか人に無理を言われたときは“そんなんあんたに出来たって私には出来ないよ。”と思うのに、一方で自分は、“私に出来たんだからあなたもできるでしょ”という思いを抱いてしまいます。今回は正直反省させられました。今仏教知って、というよりは、釈尊の色々な言葉や行動を知って、このように、反省したり感心したりすることで、だんだんと楽に生きていけるような気がしてなりません。実際、４月の自分より気持ちは穏やかだと感じることが多くなりました。この講義のおかげでもあります(^-^)ゞ（2年女子）
（それはよかった．）

仏教に、あるいは釈尊の教えに「絶対的な価値」を求めるのは間違いである。例えば、釈尊を「超越者（神）」として崇拝することは、それ自体、釈尊の教えに反している。その点で、今日の講義でもあった、「仏陀像」は周囲の「他者」の視点によって成立していた、というようなお話は重要だと思いました。また、釈尊自身の教えも、常に同時代に在った「他者」に向けられたものであった、ということも常に想起しなくてはならないことだと思います。従って、私たちが釈尊に学ぶべきことは、彼の他者に対する「姿勢、態度」であって、彼の教えを、私たちの時代に在って「批判」的に再考察し、反復することだと思います。
「インチキ宗教」の、あるいは今ある多くの仏教団体の教祖や僧の方々には「再びブッタ（の教え）に戻れ！」と言ってやるべきかもしれません。
と、こんなことを偉そうに書いてみましたが、よく分かりません…。（4年男子）
（いや，よく分かっているよ．グレイトだよ!! ）

釈尊は最初から偉いひとだったわけではなく、努力をしたからそうなったんだということは、よく考えると当然だけど、なるほどと思いました。釈尊と同時代に生きた人は釈尊のに対してどんな印象をもっていたのだろうかと思います。また、よい処方箋を出せる人が仏陀になるんだということを聞いて、自分が今までに出会って、助けられてきた人達は、みんな仏陀的存在だなと思いました。（2年男子）
（ドキッ!! 説明する前にそこまで理解してくれているとは!!）

非大乗では、聖典結集によって一部の人間が釈尊の教えの一部のみを抜き出して確定し、仏教とした。それぞれにあった千差万別の教えが必要で、教義に縛られてはいけないと説いていた釈尊の姿勢とは随分違う・・。でも、もし釈尊の教えがすべて残っていたとしても、数百年後にはもう古く、対応していくことはできない。永遠にどんな患者にも適応できる処方箋なんてあるはずがないということと同じですね。限定してしまえばもうそれ以上のものは得られないし、歩みを止めてしまっている。同じ仏教なのに、随分変わってきますね。釈尊の言うとおり、歩み続けることは大切だと感じました。
人を救えるから仏陀なのであり、仏陀だから人を救えるというわけではない。よく考えれば当たり前ですが、今まで勘違いしていました。これを勘違いしたままだと怖いなあと思いました。
講義がすすむごとに、自分の中の「仏教観」が変わりつつあります。今までとは違った観点から仏教を考えることができるので楽しいです。（2年女子）
（あなたは「歩み続けなさい」が実感できたみたいですね．）

【総評】いやはや，皆さんの理解の深さに頭が下がる思いです．どうもありがとう．（鈴木隆泰）

宗教文化研究（仏教文化）

アジア文化論研究室

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