11/5 No. 1

11/5 授業の感想1号の評価

感想1号（総数 32）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

オムニバス形式，鈴木担当分の第一回目です．いわゆる〈東南アジア〉と呼ばれる地域・諸国の文化的特質を探っていきます．

今回の講義によってアジアという言葉がヨーロッパ側から付けられた名だということが分かりました。また東南アジアと呼ばれる国が11カ国あることも今日知りました。それほど多くの国があるとは思っていなかったので驚きでした。またタイがイギリス、フランス間の植民地支配の緩衝地域としてどこの植民地にもならなかったという背景があることを知りました。フィリピンがインド、中国両国の影響を受けない独自の文化を持っているのは地理的な理由からでしょうか。東南アジアという言葉が出来たのは太平洋戦争中ですがそれまで東南アジア地域を指す現地の人々が使っていた言葉はあったのでしょうか。（3年女子）
（「自分たちはある同一の地域にいる」という意識が当時の人たちにあったかどうかは分かりません．）

今までずっと東南アジアは一つのまとまり、つまり歴史的背景だとか同じであろうと勝手に決め付けていました。しかし、授業をうけてそれぞれの国には別々の歴史的、文化的違いが多いことにびっくりした。またアジアの文化が結構高度な感じがして同じアジアの人間としてうれしく思いました。残りの3つの基層文化が気になります。（1年女子）
（思っていたより複雑そうなところでしょう? 人間が暮らしているんですもの．そんなに単純じゃないですよ．）

東南アジアという呼び方が太平洋戦争のころにできたというのに驚きました。ところで島嶼部の六国のうち、フィリピンを除く五国は基本的にインド文化の影響下にあると聞きましたが、フィリピンはどうなんでしょう？独自の文化を持っていたということですか？また、位置的にフィリピンはオーストロネシア系にに属すると思うのですが、基層文化が同じで、影響を受けた文化が違うとどの程度文化がが変わるものなんですか？（1年男子）
（フィリピンは独自の文化を形成する（もしくは「形成している！」と他の人々に認知される）前に，ヨーロッパ列強の支配下に入り，以降宗主国から多大な影響を受けました．そのために，他の近隣諸国からの影響がきちんと測定できないのです．）

フィリピンだけ影響を受けなかったというのが、少し疑問ですが…。カトリックが多いから、ですか？（3年女子）
（違います．ヨーロッパ（フィリピンの場合はスペイン）の影響下にあったので，カトリックが多いのです．）

夏休みに、マレーシアに十時間行きました。東南アジアについては中学で習って以来、ほとんど何も注目していなかったので、大きく把握がまたできたので良かった。インドも、中国も影響を受けていないフィリピンに行ってみたいと思った。（3年女子）
（10時間だけ滞在したのですか?　「十日間」の間違いなのかな?）

「アジア」という名称は、その外側、ヨーロッパの側から付けられたものであるというお話でした。日本だけで暮らしていると自分が「日本人」であることや、「アジア人」であることは、ほとんど意識されません。自分がどのような共同体に属しているのか、ということはその｢外部｣の視点を持たないと見えない、というようなことを考えました。東南アジアについては、ヨーロッパ諸国による植民地支配がそれぞれの国にどのような影響を及ぼしたのかに関心があります。（4年男子）
（興味を持って学んでくれると嬉しいです．）

東南アジアの国は何カ国あるか？という先生の質問でしばらく考えてしまいました・・・。その中で、ブルネイやラオスは思いもつかなくておなじアジアに属している国に住んでいるのに知識不足に反省しました。タイは唯一植民地支配を受けなかった国と聞いたことがありますが、それがどうしてなのか深く知りたいと思いました。（1年女子）
（授業中にも少し触れたように，イギリス支配地とフランス支配地の間に設けられた「緩衝地帯」だったわけです．）

東南アジア諸国がそれぞれ他国の影響を受けていた話にとても興味を抱いた。特に興味があったのは中国中心の影響を受けたベトナムである。去年の９月にＩＭＡＹＡの活動でハノイを訪れた。初めて社会主義国に訪れたこともあり、見るもの、聞くもの、触れるものすべて、カルチャーショックは大きいものだった。アオザイの話にも納得だった。スペインの影響も受けていたというフィリピンについて（宗教を絡めながら）もっと詳しく知りたい。（2年女子）
（ハノイに行ったことがあるのですか．実際に行ってみるだけでも，学べることっていっぱいありますよね．）

今まで何故か気にしなかったことですがカンボジアにヒンドゥー教はどのようにして浸透したのでしょうか?流入してきた経緯や周辺国のヒンドゥーの興亡等等。周辺のほとんどの国ではその片鱗も見られなかったような…。海からインドネシア経由で回ってきたのでしょうか?（3年男子）
（インドシナ半島へのインド・中国からの影響は，この講義のメインテーマの一つです．あなたの疑問も氷解するでしょうからお待ち下さい．）

【総評】知っているようで知らない〈東南アジア〉．　次回は文化構造の第二層から入っていきます．（鈴木隆泰）

アジア文化論 II

アジア文化論研究室

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