2002/6/7 No. 7

6/7 授業の感想7号と回答

感想7号（総数 86）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

今日のテーマはヒンドゥーです．「インドっぽさ」を醸し出す広義のヒンドゥーを説明してから，宗教としての狭義のヒンドゥーに入りました．

よその国のものから見ると、身分差別にしかみえなっかたカースト制が、ヒンドゥーの考え方からみるとメリットもあるんだなということを知った。でも一生つぼを作っていく人生ってくいっぱぐれはないといっても、退屈そうだと思った。またあのガンディーがカースト制がすばらしい制度だと言ったことに少し驚いてしまった。やっぱりインドはわからない。
　ヴィシュヌァのへそから生まれたブラフマーの絵は笑いました。（1年男子）
（笑えた? (^^; ）

とてもわかりやすかった。しかしブラフマーの絵は少しかわいそうだった。ところで質問があるのですが、ヒンドゥー教がヴェーダと土着信仰の融合で生まれたということは、土着信仰の神々もヒンドゥー教の神になっているのでしょうか？（1年男子）
（その通り．クリシュナが最たる例です）

三大目標は aa^srama で４つの時期のなかで、どの時期にやってもいいのでしょうか？それとも、家住期に dharma や artha, kaama を行ったら理想的になったりするのでしょうか？実利とはカーストの義務を果たしていたら自然に得られるものなのですか？（1年女子）
（アルタとカーマは家住期ですね．単に義務を遂行するだけでなく，効率的に工夫を凝らすことによってより大きいアルタの獲得が期待できます）

ヒンドゥー教が宗教としてだけではなく、インドの生活そのものを表していることをはじめて知った。イギリスでは現在でも、親の職種によって子供の職業も決まってしまうという話を聞いたことがあるけど、varnaとかjatiがなにか関係あるんですか？（1年女子）
（イギリスのことはちょっと．．．）

インドでは、階級や地位による差別がないのでいいなあと思いました。日本では学歴や職業などで人を判断しがちだから・・・けど一種の人種差別にすぎないから良くもないですね。日本は努力というものが存在するから良かったです。　　最近とても難しくて大変です。あと、先週は講義出たのにこの掲示板に書き込むのを忘れていてかなりショックでした。もう遅いですよね？（＞＜）（1年女子）
（期限通りに書き込むようにしましょう）

varna と jati の仕組みが今までよくわかっていなかったので、ようやく理解できてすっきりしました。図がわかりやすかったです。それからインドの人々が身分制度を受け入れたということはとても意外でした。努力しなくても現在の地位が保証されているということが彼らにとって魅力的だったということでしょうか。
今回は神々の絵がたくさん見られてよかったです。疑問に思ったのですがどの神様が人気があるかということはなぜわかるのですか？インドの人たちは自分の好きな神様について語り合ったりしているのでしょうか。（1年女子）
（神を供養する儀式にどれほどの人々が集まるかで，その神さまの人気度合いが測れるのです）

初めの絵ではブラフマーは女だったのに後ではじいさんになっていたのが不思議だった。それについて、友達と話してみると、神様を想像して描くわけだから一定の姿かたちじゃないんじゃないのと言われました。やはり、人気が出るように美人に描いたりするものなのでしょうか？（1年女子）
（ブラフマーはずっと男性神です．あれはああいう風に描いてあるだけです）

ヒンドゥーというのは宗教だけではなくてインドの生活文化のこともいうとは知りませんでした。
インドでは生活＝宗教ということですか？（1年女子）
（生活と宗教は切り離せないのです）

ヒンドゥー教を信じている人たちは、varna や jati をすんなり受け入れたり、努力のしがいがないとはいえ本当にまったく努力をしないなんて、すごい人たちだと思いました。己の運命をありのままに受け入れ、現状維持を望むなど、不必要な争いを好まないことの表れなんでしょうか。また、三大目標のなかに愛欲があるのには驚きました。一般の宗教では、禁欲をしたりするのに、大きな違いですね。ヒンドゥー教は人間がありのままで、力まずに肩の力を抜いて生きていくような宗教だと思いました。Visnu が持っているチャクラという武器とまったく同じものが忍者の武器になってますよね、これもインドから伝わったものなんでしょうか？（1年女子）
（忍者がチャクラを使うとは知りませんでした．手裏剣の一種がたまたま似ていたんでしょうか?）

私はいくら神様でも人を殺すことを躊躇っている人に、人を殺せという助言を与える神様なんて信じられないと思いました。後、インドの人はカースト制を強制的に受け入れざるを得なかったのだと思っていたので、それをちゃんと受け入れていたと聞いて驚きました。インドの神様はいろいろいて、しかも格好がすごいので見ていておもしろいです。（1年女子）
（いかに信じられなくても，ヒンドゥーってそういう文化なんです．インドの神さまの格好は確かに凄いですよね）

「インドっぽい」とはまた大胆な…。これほど簡潔でありながら、また難しい言葉もそうないとおもいます。『広義のヒンドゥー＝インドっぽさ』
頷くしかありません。表現するのは難しいですが、感覚としては理解できたと思います。
『性力』女って、性欲のためにあるもんなんですか！？（1年女子）
（シャクティは神の内部の神聖なエネルギーを意味するもので，性欲のことではありません．次回をお楽しみに）

だんだんノートに書く量も、覚える量も増えてきた。
jati は排他的職業集団ということで、同じ職業の人同士しか結婚できないようですが、同じ職業の人であれば、varnaや不可触民はどうであれ、結婚できるのですか？（1年女子）
（基本的に，同一ジャーティであれば大丈夫です）

varna や jati があるから努力をしなくていいというのはかなりダメ人間な感じがしました。楽天的すぎます。インド人は自由に生きるのを恐れているように感じられます。何かの制約に縛られてないと生きていけないのではないかと思いました。すごく弱い感じもします。悪い意味ではなしに。（1年男子）
（授業中に表明したように，私自身も確かにヴァルナ・ジャーティには否定的です．でも，彼らが楽天的に生きていることまで否定することはできないように思います．人間楽天的で，あまり気に病まないで暮らしていけたら，それはそれで一つの生き方だろうと認めざるを得ないのではないでしょうか．外部の人間としては．）

インドの人々が varna や jati を受け入れているとはいっても、不可触民たちの間で仏教を復興する動きがあるというのは、やはり現在の自分たちの境遇に問題を感じ始めているのだなと感じました。それは彼らが、西洋的思想を知ったからなのでしょうか？それとも、自然と疑問を感じだしたのでしょうか？（3年女子）
（両者だと思います）

カースト制度はどんなに努力しても決して生まれたときの階級よりも昇進することはない、というのは知っていたけれど、改めてまたそれを学習すると、やっぱりそれはつらいなと思いました。私が日本人で、日本は、努力すればある程度は昇進できる、そういう世の中にいるから余計そう思いました。また、そのことを市民が受け入れているところにヒンドゥー教の信仰が根深いものなんだと感じました。（1年女子）
（本当に根深いです）

努力してもそれ以上階級しない---けど来世の為に自分に与えられた義務を果たす---私だったら努力するのが馬鹿らしく思うのに---と思った。それと三大神の載っている本が欲しいです！（1年女子）
（『インド神話入門』『インド神話の謎』ともによい本です．後者は版元品切れで，古書として入手しました）

「インドっぽい」ものすべてがヒンドゥーだという寛容さとその一体感は本当にすごいものだと思います。日本にもいろんな考え方が混在しているけど、それらはインドのように一つの根底から成り立っているのではないからです。それにしても、やっぱり私は生まれながらに差別されるというのが許せません。その人の可能性や意志を無視・否定するのは先生がおっしゃっていたように、人間を冒涜しているとしか思えないからです。（1年女子）
（批判的に捉えはするが，その真っ只中にいる人たちの文化自体を否定はできない．そのような感じで異文化と接していけばよいのではないでしょうか）

やはり三大神にはそれぞれ役割があるのですか？かなり興味があります。（1年女子）
（授業中に言いましたけど復習しておきましょうか．
　ブラフマー：世界の創造
　ヴィシュヌ：世界の維持
　シヴァ：世界の破壊
上記が繰り返されているという考え方です．でもヴィシュヌ派にすれば全てがヴィシュヌのはたらきであり，シヴァ派にすれば全てがシヴァのはたらきと捉えられています）

身分制度には競争が無いなどの長所があるとは思いつかなかったので、利点を見つけて生活するという所は、インドの独特な考えだと思った。でも四姓の下の不可触民の人達には、何か長所はあったのだろうか。（1年女子）
（不可触民のジャーティにしかできない仕事を他のジャーティに奪われることがありません．もちろん人間としての尊厳をずたずたにされているので決して「長所」と呼ぶことは私にはできません）

【感想】三大目標の中に mok.sa が入っていなかったのにはびっくりしました。ヒンドゥーを信じる人にとっては、カーストを守ることのほうが「現世」では大事だということでしょうか。
【ワニ権】象を襲うワニをこらしめている(?)絵がありましたが、それは、象が人間(特にヒンドゥー信者)にとって大事な動物だからなのでしょうか。先週のゴキブリのように、今週もまた動物に対する上下関係を垣間見た気がします。
【余談ですが】象を大事にするのがヒンドゥーの文化だとしたら、あのIWCのこぜりあいにも通じるものがありますね。他国はどうであれ、日本は、捕鯨が日本古来の文化だと主張していましたし。
【ゆ】次週の Vi.s.nu と ^Siva の話も楽しみです。（1年男子）
（他国の文化を自分の尺度で否定するのは誤りだと思っています）

やっと varna と jati の違いが理解できました。人間の尊さに格付けがあったり、努力しても地位の向上がないということは生きていくうえで大変つらいことだと思います。広義のヒンドゥー教やインドの生活文化のすべてに渡ってインド文化をインド的たらしめているということに驚きました。不思議に思ったのですが、神様に顔の表情があまりないようなのですがなぜですか。（1年女子）
（微笑んでいる理想の表情が多いですが，涙を流して悲しんでいるものや怒っているものもあります．次回お見せします）

だんだん授業が難しくなってきている！今日も難しかったけど、要するに「インド文化そのものだ！」というのは理解しました！varna・jarti制度は上に昇る努力をしなくていいとはいうけれど、インドの人たちは本当に快く受け入れたのでしょうか？私だったら普段努力しないので努力した時くらいは報われたいと思うのですが・・・asramaの遊行期で最終的にはガンジス川で死ぬというのは、みんなが理想としていることなんですか？溺死なんて嫌だけど、ガンジス川が神聖だからそうするんでしょうね。
（1年女子）
（溺死するんじゃありません (^^; ガンジス河の側で荼毘に付され，遺灰をガンジス河に流すのです）

何で不可触民のしょくは、触なんですか？（1年女子）
（これも授業中にやりました．復習しておくと，「触ると汚れるので触ることができない」に由来しています．untouchable と説明したでしょう?）

生活期というのは自分の人生を設計する上でよいことだと思いました。自暴自棄になれということではなく、人は自分が死ぬということを土台にして生きていくべきだと思いました。しかし、昔の制度をいつまでもズルズルと引き継いで新しいことができないのはよくないと思いました。やはり、自分以外の考えも認めていかないと成長できないのではないかなと思いました。ヒンドゥー教の人気のある神以外は知らなかったのでブラフマーの存在を聞いて面白かったです。~~^Siva~~ヴィシュヌ神のへそから生まれてきてしかも悪魔を無敵にするというこんなにも~~ボキャブラリー~~エピソードに富んでいる神がどうして人気がないのかが不思議でした。まあ、宗教は遊びじゃないということですかね。性力　^sakti　シャクティとはどこかの宗教であったシャクティパッドと関係があるのですか？（1年男子）
（ブラフマーはナイスなキャラですよね (^^)
　ライフスペースのシクティパッドグルはシャクティの名称を借用したようですね．おかしい限りです）

広義と狭義に分けて考えたほうが解りやすいという意味でヒンドゥーと社会福祉は似ております。（それだけ幅が広いということですね）ヒンドゥーの教えは幅広いため、少しでも整理を怠るとそれがカースト上のものであるのか、asrama毎のものなのか、それともガーンディーが勝手に言っていた事(ヒンドゥーの教えに無いことは言わないと思いますが）なのかなど解らなくなることがありました。広義と狭義で分けて考えると今まで絡まっていたところが解けるように思います。特に今日の広義では、インド人の根底にある世界観の図がわかりやすかったです。
絡まりが解けたせいか、カースト制度が長い時を経てもいまだ、インドに根付いている事のひとつの理由がわかった気がします。輪廻や解脱といった思想がインド国民の根底にあることでカースト(jati）の正当性を高めることに繋がる。そして、カーストが輪廻や業に現実性を与える、という相互補完的な役割を果たしてきたことが考えられると思います。(一度教えていただいたことですが、自分の中にやっと落ちました）カースト自体差別的なところがあり、西洋の人権意識で考えると望ましいものではありません。しかし、制度的に廃止されたとはいえ、インド国民にとって切り離せないものであると聞いております。一方の立場から、彼らの宗教(制度？）を否定することはできないようにも思います。ですから今はただ知りたいです。「ガーンディーがなぜカーストを否定しなかったのか？（アウトカースト以外）」「多くのインド国民(ネパールなどにもカーストがあるため語弊がありますね）がカーストをどう思っていたか、そしてどう思っているか？」を（1年男子）
（ガーンディーがなぜカーストを否定しなかったのか? 結局それは「彼がヒンドゥーだったから」というような答えに帰着してしまうような気がしています．でも，自ら答えを探してみてください．別の答えが出たら是非教えて下さい．待っています）

jati ではつぼ焼きの家に生まれたら代々受け継がなければいけないというところで日本でもヒンドｳーほど強制的ではないけれど日本にも同じような考えが残っているなぁと思いました。親が自営業なら後を継がなくてはいけない。とか。やっぱりこれもヒンドｳーの影響があるんでしょうか？また dharma で武士の家に生まれたらたとえ敵に親族がいても殺さなければいけないというのを聞いて少し悲しくなりました。あと三大神は地位が低いといっていましたが神とされているのになぜ地位が低いんですか？またブラフマーがヴィシュヌのへそから生まれたというのにはビックリしました。ブラフマーがヴィシュヌのへそから出ている絵を見たときはおもわず笑ってしまいました。（1年女子）
（三大神の中でブラフマーが人気がないだけで，あとのヴィシュヌとシヴァの人気は絶大です）

私は今まで、社会や地理の授業で習ってきたカースト制度が許せなかったのですが、インド（ヒンドゥー教）の人々はその中にメリットを見出していると聞いておどろきました。宗教上の理由とはいえ、差別に繋がる制度はよくないと思います（先生はどう思われますか？）メリットよりもデメリットのほうが多いと思うのですが・・・。難しい問題ですね。　　インドの神様は絵で見る限り人間的で親近感がわきます。崇拝の対象なのに、どこかおもしろいというか、アニメチックというか・・・。やっぱりインドは神秘的で面白い（＾0＾）次回がまた楽しみです！　（1年女子）
（カーストに対する私見は授業中に述べましたし，他の方の感想に回答もしているので，そちらをご覧下さい．インドの絵，私も好きです）

varna, jati制でいくら努力しても職業の位置は変わらないということは少し嫌だと感じました。やっぱり努力したらそれだけの分なにかいい事があったほうが次に何かする時にやる気も倍増すると思う。あと、インドの神様の絵を注意してよーく見ると武器を持っていたり、頭からガンジス川がふいていたり、細かいところまで描かれていてとても興味深かったです。今度、インドの神様の絵が載っている本を買おうと思いました！！（1年女子）
（今の地位は変わらなくても「来世」で変わる（と彼らは信じている）のです）

今日は正直に申しますとかなりうとうとしていました…(TεT)鈴木先生ごめんなさい。けして先生の授業がつまらなかったわけではないのです!!睡魔と闘いながら、画面を見ていて思ったことはインドの神様はどうしてあんなにも派手なんだろうか…ということです。、インドの人々の色彩感覚が豊かなのか、日本で目にする神様とはだいぶ異なりますね。（1年女子）
（学生に眠られてしまうようでは，私もまだまだ未熟です）

今日もとても難しかったけど、要するにヒンドゥーはインド文化そのものであるわけですよね。社会制度のvarma, jati制はメリットもデメリットもあるということでしたが、自分の階級に他の人が入る心配なく一生つぼ作り一筋とかも、決して悪いことではないけど、それで安心して頑張る必要もなく人生を送るというのは、なんだかむなしい気がしました。今、不可触民たちによって仏教が再興しようとしているとのことでしたが、これからどうなっていくのか気になりました。（1年女子）
（不可触民中心の仏教徒は，それはそれで新たな一つのカーストと受け取られているようです）

ヒンドゥーはとても奥が深い！と思いました。今まで抱いていたイメージは変わってゆくばかりです。三大目標が意外と俗っぽかったのは驚きでしたが。ヴィシュヌやシヴァの肌の色って凄く悪いと思ったのですが、アレは実は白色で、アーリア人の色を表しているのでしょうか。(すでにお話済みでしたらすみません…-0-;)（1年女子）
（「常人とは違う」という意味合いが一番強いでしょう．ただ，クリシュナは土着の神でしたから色は黒っぽく（そもそもクリシュナという名前そのものが黒という意味），土着性の強いシヴァも色が黒っぽくなった理由を説明する神話を持っています）

ヒンドゥーは、異なるものを排斥しない。って、いいことですね。今、国際化で異文化理解が求められているので、ここは見習いたい事です。でも、生まれによる差別(？)Ｊａｔｉを私は認めたくありません。って、これが、異文化の拒否につながるのかな？（1年女子）
（「これは私には認められないな」と理解することも異文化理解の一つでしょう．向こうの事情も弁えず，頭から否定してしまうのが異文化の拒否だと思っています．例えば捕鯨の問題などもそうです）

ヒンドゥーの意味が今まで以上理解できた気がします。でも、今日はとても難しかったので、これからの授業にあせりを感じてます。個人的に来週の ^Siva の話はとても気になっているので、どうか先生、わかりやすく、楽しくお願いいたします。（2年女子）
（難しいですか? どこがどう難しくて，どこがどう分からないのでしょう? そうでないとこちらもどうしたらよいか分からないのです）

今回の授業は、すごく分りやすかった。var.na，jaati 制度について改めて分かったことが沢山あった。メリットとして、一生同じ仕事をしてご飯が食べれるということ。生きるために必要なことだが、とてもむなしいことだと思った。三大神の資料をみた時すごく感動した。一人一人の役割があり、いろんなことを意味しているところが面白かった。（1年女子）
（同じ授業で，一つ上の方とは全く違う印象でした）

この前から思っていたんですが昔のインドの人も肌の色が白い方が地位が上だと思っていたんですね。(征服者は色が白く、被征服者は色が黒かったという話を聞いて。）色が白い方が身分が上だと私が思っているというわけではなく、色白だったらなあ、とよく思うからです。jati 制については jati の人たちがいいのならそれでいいのだと思います。向上心がなくなる、努力しなくなる、というデメリットがあるけれど必ずしもそれらがいい方向に行くとは限らないと思うし、ひとつの仕事を代々続けさせていくことも大切なことだと思うからです。アジア文化論の授業を受けるにつれてどんどんインドが遠い存在になっていく気がします。ヒンドゥーは奥が深いですね。（1年女子）
（一旦遠ざかり，そして今度は本当の意味で近づいていきましょう）

昔、世界史資料集で「踊るシヴァ神」という像の写真を見まして、その解説に確か、シヴァは破壊と創造を繰り返すなどと書いてあったような気がしないでもないのですが、あれはシヴァ派の主張ということですか？何故ヴィシュヌ派はへそからブラフマーが生まれたとしたのでしょうか。そういえばプルシャ讃歌のところでへそから庶民が生まれてましたよね。ブラフマーは、かなりなめられてたということですか。授業は毎回楽しいです。もっといろいろ知りたいですが、難しくてなかなか理解できなかったりしています。ところで、インドでは現在も同じジャーティ内で結婚しているのですか？では、国際結婚が少ないということでしょうか。（1年女子）
（ブラフマー，かなりなめられていますね (^^;　ジャーティに囚われない自由な考えを持っている人たちは国際結婚を否定しませんが，そうでない場合は難しいでしょうね）

日本の制度は押し付けで、インドのvarna，jati制度は庶民に受け入れてられていた。そこが日本とインドの大きな制度の違いということなのですが、これは今の日本人の宗教意識が薄いことに関係していますか？あと、ブラフマーはへそから生まれてきましたよね。確か庶民もですよね！？でも、ブラフマンは口から生まれてきたんですよね？私はノートにブラフマー←ブラフマンと書いていたんですが、間違いですか？？？（1年女子）
（プルシャの口から生まれたのはバラモンです．ブラフマーはブラフマンから派生したことばなので，あなたのノートの記述は正しいです．日本の身分制度は高々数百年，インドは数千年の歴史を持っています．理論武装もしっかり行われました．ただ，その理論武装は宗教的意味合いを持っていますから，たしかに宗教意識も無関係ではありませんね）

今日からヒンドゥー教についての講義でしたが、インドには、様々な宗教があってその重なり合っている部分が分かり難いと思います。広義の意味において、ヒンドゥーがインドそのものならば、他宗教信者もヒンドゥーをベースにしていると言う事なのでしょうか。（3年女子）
（基本的にそういうことになります）

今回の講義はとても難しかったです。テストも近くなるいっぽうで焦りを感じます。（2年女子）
（焦る暇があったら質問にいらっしゃい）

ヒンドゥーの神様は、シヴァやヴィシュヌなど男の神様が多いですが、女の神様はいないのですか？（1年女子）
（たくさんいます．次回紹介します）

シヴァなどの三大神は男性であるけれども、絵を見ると女性らしくも見えます。それはヒンドゥーが女性蔑視の文化と女性崇拝の文化が混ざってできたものだからでしょうか？それにしてもとても綺麗な絵だなぁといつ見ても思います。（3年女子）
（お．鋭い．授業で紹介している絵は近現代のものが中心で，古い絵はあれほど綺麗ではありません．「女神同様に男神も美しく描こう」という意図が読みとれます）

本当にインドの写真って綺麗でした。どれが~~ビシュヌ~~ヴィシュヌで、シバシヴァで~~ブラフマン~~ブラフマーなのかを見分けるのもなかなか楽しいです。カースト制がインドで広く受け入れられている理由も知ることができて、かなり納得の一時間でした。（1年女子）
（三大神の名称の表記が全部違います (^^; ）

ヒンドゥー教がインドの生活文化の全てに渡ってインド的たらしめているとは知りませんでした。解脱が目標になるのは解る気がするけど、カースト制もというのには驚きました。アジア文化論では「目から鱗」なことが多いです。（1年女子）
（そう思ってくれると，教師としても「してやったり」です）

カースト制度では、努力してもどうにもならないというのがあまり良くないと思っていましたが、ちゃんとメリットもあるんですね。でも、カースト制度に不満があった人もいると思うんですけど、そういう人はどうしたんでしょうか。やっぱり不満があっても受け入れるしかなかったんですか？（1年女子）
（イスラームなどの他宗教に入信するか，もしくは甘んじてカーストを受け入れるかのどちらかです．ところがムスリム（イスラーム教徒のこと）自体，「ヴァルナ外のカースト」としてしっかり組み込まれてしまうあたりがこれまた「極めてインドっぽい」わけです）

多くの日本人はクリスマスも正月も祝い、一体何の宗教を信仰しているのか分からないということを聞いたことがあります。でも実際クリスマスを祝うのもただお祭り騒ぎがしたいだけで＜私も含めて＞どちらの宗教も信仰しているわけではないと思います。だからもしインドの人々がそんな日本人の姿を見たらどう思うだろう？と感じました。（1年女子）
（おそらく理解しがたいでしょう．あなたも，そして皆さんも，決して特定の宗教を信じろとは言いませんが，「文化としての宗教に対する理解」だけは是非とも深めて下さい）

今回は勉強の内容が盛りだくさんで楽しかったです。特に最後の方にやった三大神の違いや人気度は知れてよかったです。インドの文化は知れば知るほどおもしろいですね！（1年女子）
（どんどん知りましょう :-) ）

人気が無いというブラフマーですが、名前から見て（brahmanが語源だし）どうもヴィシュヌやシヴァと成り立ちが違うように思えました。どうなんでしょう？
jatiが未だに残っているのは、やはり以前に先生が言われた「インド人は変革より継続を望む」意識のためなんですか？（1年女子）
（まず後者について．ご明察です．次に前者について．これもその通り．ブラフマーはウパニシャッドの哲人が発見した中性原理 brahman の派生語で，その出自から一応の崇拝は受けましたが，土着信仰と密接に結びついていったヴィシュヌとシヴァには到底及びませんでした）

カースト制がもし私が暮らしているところにあったなら私はおそらく死にたくなると思う。日本にだって家柄とかはあるけれども生活習慣すべてを支配しているわけではないし、不可触民はもいない。不可触民という考え方がいじめに非常によく似ていると思う。そう思って今まで嫌いだったけど、授業を聞いてやはり宗教は人々のためにあるんだと思って納得した。（2年女子）
（日本にもかつて「不可触民」と呼ばれる人たちがいて，その人たちは今でも差別に苦しんでいます）

今日の講義で釈尊の教えは人を救うことを第一に考えたものだということを再認識しました。それに今日はインドの社会制度についての話も聞けたので良かったです。これからインドの話や~~ガンディー~~ガーンディーの話を聞けるのを楽しみにしてます。（3年男子）
（人名表記に気をつけましょう）

【総評】次回はヴィシュヌとシヴァの説明をやってから二大叙事詩に入ります．乞うご期待．（鈴木隆泰）

アジア文化論 I

アジア文化論研究室

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