2002/5/24 No. 5

5/24 授業の感想5号と回答

感想5号（総数 93）の結果をお知らせします．「自分の意見が載っている，載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や感想の質には全く関係ありません．ただし「感想の内容」は評価対象となっています．

複数の同一または類似の感想は，原則的に最初に目についたもののみを採用しました．

原文の一部を修正したものがあります．

男子・女子の区別は氏名に基づく判断です．もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい．

今回は satya について復習した後，brahman と aatman の同置（梵我一如），輪廻 sa.msaara，業 karman，解脱 mok.sa，ヨーガ yoga，バラモン対反バラモンの思想対立までを見ていきました．

「輪廻」の所で「解脱」というものが出てきました。そこで思い出したのですが、鎌倉時代の法相宗の貞慶を思い出しました。彼の別称は解脱上人ですが、何か関係があるのでしょうか？（1年男子）
（解脱の思想は仏教にも取り入れられていますから，当然関係があります）

反バラモンがいたということが今まで思いつきませんでした。でも、よく考えてみたらいないと仏教も生れなかったなと自分がいかに鈍いか気づきました・・。来週は仏教をやるということで、反バラモンの仏教がどうやって広まっていったのか興味があり、楽しみです。（1年女子）
（仏教はバラモンでも反バラモンでもなく，第三の立場です）

今日の講義をきいていて不思議に思ったことは輪廻とカーストのことだった。輪廻で人間が生まれ変わったと考えるならなぜカーストで身分を固定するのだろうか？最後になりましたが一年女子ではなく一年男子です。よろしくお願いします。（1年男子）
（素敵な名前だったのでつい勘違いしてしまいました．これから気をつけます．で，なぜ固定するかと言えば，現世は輪廻する長い道のりの一断面と考えられていたからです）

今日の話は分かりやすかったです。輪廻の話は興味があったので、おもしろかったです。でも人間は死んでもまた生まれ変わるという輪廻の思想に憧れを感じていたので、その思想が社会を維持するためのものとして使われていた知って少しショックでした。（1年女子）
（輪廻思想にはたしかにバラモンを頂点とするヴァルナ・ジャーティ制度を支える役割がありましたが，為政者側が一方的に押し付けた民衆抑圧の思想と断じるのは早計です．良くも悪くも極めてインド的な考え方で，このあたりのことは講義の中でいずれ詳しく説明する予定です）

^Saakyamuni が何か頼まれて請け負ったときでも、何が起こるかわからないから、何も答えないというのに驚いた。誠実と言えば誠実だけど、現代にそんな人がいたら頼みにくいだろうと思った。（1年女子）
（それほどまでに satya が重いということです．誠実などという世俗レヴェルの表現では量りきれない思想の重さを感じて下さい）

yoga という最近よく聞く言葉の意味に「結びつける」とか、「冷静になる」とか、「瞑想する」、「つなぐ」などいろんなバージョンがあるとは思はなかった！(単なる少し凝った柔軟体操としか考えてなかったので...)ところで余談ではありますが、先生は『宇宙船艦ヤマト』に出てくる「イスカンダル」という言葉の語源がヒンドゥ語であり、｢アレクサンダー大王」と訳するそうなのですが、ご存知でしたか？(自分もつい最近知ったのですが)（3年男子）
（イスカンダルがアレクサンダーに由来しているのは確かにそうかも知れませんね．でもアレクサンダーはインドの言葉ではなく，アレクサンドロスというギリシャ語から来ています）

祭式万能主義において、インド人のほとんどが、バラモンに従っていた中で、ついにバラモンに反抗する人たちがでてきました。7人の沙門の中で、反バラモン派にも属さず、遠くから全てを見渡していた人が、「~~シャカ~~釈尊」だったんですね。周りに従わず、まず全体を見渡して、冷静に判断する。これからの授業の~~シャカ~~釈尊の行うことに、興味大です。（1年女子）
（お楽しみに）

7人の沙門についての話が一番分り易かったです。梵我一如について~~いまいち~~今ひとつ~~わかんない~~分からないです。梵我一如って brahman と aatman は同じって事なんですか？すみません、物分りが悪くて。でも、輪廻についてちょっと興味が沸いてきました。だから、｢輪廻は無い｣派v.s.｢輪廻はある｣派-｢どちらもわかんないじゃん！｣派の話の続きが聞きたいです！！（1年女子）
（梵我一如は「梵と我は同じ」という考え方です．形而上学ですから本当にそうかどうかは誰にも分かりません．ただ「梵があり，我があり，両者は同じ」という思想があったということです）

今日の授業はむずかしかったです。どうもローマ字には弱いかも…。輪廻転生が本当なら、みんな karman を持っていることになり、私は前世何で、来世何になるんだろうかと考え込んでしまいました。それと、わたし前に yoga をやったことがありまして、かなり体が柔らかくなりました。思い出すと確かに正座もしたし、気持ちを落ち着かせるモノだったと思います。（1年女子）
（柔らかくなりましたか (^^)　あれはハタ・ヨーガというもので，瞑想主体のラージャ・ヨーガとは区別されますが，根は一緒です）

オウム真理教が、かなり話題になっていた頃に、「第～サティアン」という言葉を何度も耳にしました。でも、まだ幼かった私には意味が分かりませんでしたが、今日知ることが出来ました。satya 言った通りになること、すること・違うことのないもの　　　　しかし、オウムは、あのような事件を起こしました。深い考え故に起こしたのかもしれないけれど、私には、全く理解出来ませんでした。人の命を何だと思ってるのかと怒りさえ感じました。とにかく彼らは、satya の意味を間違って理解している気がしますし、彼らの手によって汚されたようにも思いました。私は、その事についてはほとんど無知ですが、色々考えさせられました。（1年女子）
（satya の意味を間違って理解しているどころか，彼らは全てにおいて誤っています．例えば彼らの言うところの「解脱」ですが，瞑想中に様々な幻影が見えたり非常に清々しい気持ちになったりするのは脳内物質の影響であって，魂の救済という宗教現象とは無縁です．それなのに彼らは「自分たちは解脱した」と言って，人を殺していったのです．ハチャメチャです）

brahman と aatman を思考の中で結びつけるというのは、究極すぎて私には理解できないと思いました．解脱の方法があると言うことでしたが、みんなそれにチャレンジして、成功すると言うわけではないと思います．どういうひとが解脱できたんですか？また、どうやって解脱に成功したと分かるのでしょうか．あと、釈尊の教えは, 日本などの他の国に伝わったところを見ると当時のインドではそうとう、うけなかったのでしょうか？どんどん面白くなってきますね．次回も期待してます。（1年女子）
（ある人が解脱したかどうかは師匠によって認定されます．その師匠はさらにその師匠に認定してもらいました．では最初の解脱者は?? うーん，これでは『徒然草』の最終段「八つになりし年」ですね (^^;　所詮形而上学の世界ですから）

ガーンディーがカーストを否定していないというのは意外だった。アウトカーストの差別は否定したと言うことですがアウトカーストとはどういう人たちなんですか。どうしてカーストの中に入らないのですか?（1年女子）
（「階級外の人たち」がいることによって，最下級の人でも安心ができます．「まだ私たちより下がいるんだ」と．日本における階級差別も同様の構造を持っていました．インドとは異り，日本の場合は為政者側が一方的に押し付けた階級差別ですから尚更たちが悪いです）

輪廻から抜け出すには、解脱すればよいという話でしたが、輪廻から抜け出すこっとて出来るんでしょうか？自分は前世というものを信じているので、自分の前世はなんだったのか興味あります。今、平和に学生生活を送っているので、前世も今と差ほどかわらない一般人だったんだろうなとは思います。こう言う事を考えるの楽しいです。先生は、自分に前世というものがあったとしたら、何だったと思いますか？（1年女子）
（個人的なことではありますが，私も輪廻を信じています．そうですねー，前世ですか．なんか情けない感じの動物だったんじゃないかという気がします．「なぜそう思うのか?」と聞かれても困るのですが．．．）

今日の講義は高一の頃に少しだけやった倫理の授業を思い出しました。興味のあった分野なので面白かったです。輪廻転生の考えは人々に良くも悪くも影響を与えると思います。前世での行いによって後世が決まるというので悪いことをする人は減るかもしれないけど、生まれ変わりを信じて死を恐れずに自殺なんかをしてしまう人が出たりするのではないでしょうか？私としてはやっぱり今を大事にしたいです！（1年女子）
（そうなんです．今が大事!! 仏教もそれを説いています）

太陽を目、風を息と結びつけるなら、雨は？雷は？地震は？火山は？って思いました。satya のお力で是非説明してほしいです。反バラモンの考えの人が、代表とはいえ7人しかいないのに驚きました。インド人はみんな真面目だなぁ。（1年男子）
（雨＝涙，雷＝怒り，地震＝動揺，火山＝嘔吐（爆）ではどうですか? ちなみに私には satya の力はありません）

解脱したらもう人間にならなくて済むんですか？やっぱりこれも形而上学ですね？梵我一如の二つは同じであるという考えがよく分かりません。わたしはずっと運命論で生きてきています！先生はどうですか？本当に死んでみないとわからない事が多くありますね-！今度ゴキブリに生まれないようにしなくては-（1年女子）
（もし運命論に従って生きるなら，あなたがゴキブリに生まれるかどうかは，あなたがどんなに努力してもすでに決まっていることになります．「今度ゴキブリに生まれないようにしなくては」という発言と「わたしはずっと運命論で生きてきています！」という発言は矛盾しておりますぞ．個人的に言えば，私は運命論は嫌いです．可能性を信じて生きていきたいからです）

satya ってすごい…というかインドの人々がすごいですね。satya ももともとは、インドの人々が自ら考え出したものなのですから。それに実際に力が宿るということは、それだけ人々の宗教に対する信仰が厚かったということですよね。やっぱり信じるものは救われるのかなぁ…？（1年女子）
（「信じる者は救われる」＝「信じることができたら，それ自体が救いである」という意味です）

言葉には、いろいろな意味がふくまれていてすごい奥がふかいと思いました。輪廻を抜け出すには yoga のほかになにかないのでしょうか？（1年女子）
（ヨーガは手段であって，最終的には「正しい知識の獲得」が解脱の条件です．ですからその獲得ができれば別にヨーガでなくてもよいことになります．でも瞑想を全く行わないで解脱するという発想はインドには極めて珍しいと思います．私もすぐには例が浮かびません）

satya を satya にするまでには強い意思と実行力が必要ですよね。それをしっかり持てる人間は、昔も今も強い人間だと思いました。ところで、現在 yoga を体操のように多くの人たちがしていると思うのですが、やっぱりそれはただの体操であって、今日授業で学んだ yoga の意味っていうか、それを実行するために yoga をしている人って日本にはいないんですかね？（3年女子）
（解脱を求めて瞑想する人は今でもたくさんいます．座禅もヨーガの一種ですし）

今日の授業はかなりワクワクしました！高校３年生の時に倫理で習った言葉がいっぱい出てきたからです。「梵」「我」「梵我一如」｢輪廻転生」「業」「解脱」・・・。どれも定期テストで答えとしては書けたけど、私が習ったこれらの言葉の意味は氷山のほんの一角にすぎず、今日の授業でその海に沈んでいた部分を知った気がしました。特に「梵我一如」の説明は分かりやすくて良かったです。あと、後の仏陀と言われる「Gautama Siddhaartha」に読み方が２つあるのが高校生の時から気になっていて、どうして人の名前なのにどっちでもいいんだろうと悩んでいましたが、今日からは頭を抱えなくてすみそうです。なんかスッキリしました。ありがとうございます。（1年女子）
（スッキリしてよかったですね :-) ）

brahman や aatman のことは高校の倫理の時間に少し勉強しましたが、今日みたいに詳しく教えてはもらえなかったので、今日の講義は楽しかったです。特に輪廻転生という考え方、我が家は神道なのですが(--;)私は好きです！（1年女子）
（神道もかなり仏教の影響を受けていますから，よしとしておいて下さい）

数千年の歴史の中で積み重ねられた『ヴァルナ』という考え方はなかなか消えないんでしょうね。森林の再生と同じように、積み重ねた時間の分、もしくはそれ以上の時間をかけなければ、無くなりはしないでしょう。もしかしたら永遠に無くならないのかもしれません。あのガ―ンディさえアンタッチャブル以外は容認したというのですから。私は特に自由主義者というわけではありません。しかし、生まれによる差別というものに賛成はできません。この点で、インドは近代国家としての大きな壁を抱えているのでは？と思います。
インドの satya は言霊信仰の極致だと感じましたが、どうなんでしょう？
手塚治虫の『ブッダ』というマンガを読んだことがあります。あとがきでは、『まだ全て描けていない』・『重要な弟子のエピソードを描けなかった』『もう一度描きなおしたい』などの言葉が並んでいました。残念ながら手塚先生が亡くなったので、それは叶いませんでした。ブッダを知る入門編と言うか、身近に感じられる本だと思います。ちなみに釈尊はゴータマ・シッダ―ルタだったと思います。

すみません。二度目です。『デーヴァ』ってサンスクリット語ですか？欧米で『歌姫』といったとらわれかたをされている言葉だったと思うんですが。

ひ～！３度目！！１回目の手塚治虫の『ブッダ』の中で、釈尊を『ゴータマ・シッダ―ルタ』と書いていた、と言いたかったんです。すみません！しかも『ブッダ』も言霊信仰も、結構みなさん書かれてますね…。今度から、ちゃんと皆さんの感想も見てから書きます。（1年女子）
（忙しい方だ (^_^;　では順を追ってお応えいたします．デーヴァ deva はサンスクリット語で「神，主人，王様」などを意味します．
　私も生まれによる差別には反対です．人間の尊厳というか意思というか，そのような人間にとって非常に大切であるはずものに対する著しい冒涜だと感じるからです．
　何れ私も某かの人物となって手塚先生に直にお会いしたかったです．これももはや叶わぬ夢となりました．『火の鳥・未来編』最高!!）

私は輪廻転生にすごく興味があったので、今日の講義もおもしろかったです！でもいろいろと悪事をやってきたので、ゴキブリに生まれ変わったらどーしようかと思いました。satya は先週まではどうにか理解できていたのですが、今日で一気にこんがらがってしまいました。頑張って頭ん中を整理したいと思います！この前インドカレーの店「シヴァ」を発見しました。インドのコックさんもいました。いつかは食べてみたいです！！（1年女子）
（良かれと思ってもう一度説明したのですけど，かえってこんがらかってしまいましたか? もしどうしても分からなければ質問に来て下さい．それから，どんな悪事をやってきたのでしょう? (^^; ）

自分が望まない輪廻の中にあってそこから解脱しようとする、その考え自体は納得できました。しかし実際には、今日の講義であったように、解脱できたかどうかは自分で確認できません。そんな不確かなものに縛られるなんて私は嫌です。今の自分に納得できないからといって、それを前世の自分のせいにするのは大変無責任だと思いますし。ただ、来世の自分のために一生懸命に頑張って現世の自分が報われたら、それはそれでいいと思いますけど。（1年女子）
（確かにそうだと思います．でも「どうやっても報われない」という状況に陥ったとしたら，通常の理性では理解できない行動を人間は取りやすいものです）

【ちょっと不満】教室の右側に座った場合、窓から差し込んでくる光が黒板に反射して文字が見にくい場合があります。なるべく早く来て、前の席に座るようにしますが、先生もよく書ける白のペンを探し出して、使ってください。お願いします。
【感想】輪廻という考え方は面白いです。しかし、輪廻が身分の上下や、生物的な上下関係(ごきぶり等)を生んでしまったのは悔しいところです。宗教が、苦しみを逃れ、死を受け入れてゆくためにあるとしたら、差別(カーストetc)は本末転倒ではないでしょうか。もちろん、その土地その土地にそれぞれの文化がありますから、宗教内の差別が悪いとは言いきれませんが。
【質問にお答えします】｢ゆ｣は、巷でひそかなブームとなっている｢真･小町語｣(通称、ぷみぃ語)にある言葉です。
【ゆ】次回の授業も楽しみにしています。今日もお疲れさまでした。（1年男子）
（ボードの件，ご指摘ありがとう．次回以降注意します．
　前回【ゆ】について質問しましたけど，答えの「真･小町語｣(通称、ぷみぃ語)がさらなる疑問になってしまいました．ネットで調べても引っ掛かりません）

人の体の中には宇宙があると言うのが面白かったです。セイント聖矢でも同じようなことが出てきましたよね。やはりあのアニメもインドと関係があるのですか。satya のことをもう一度説明していただいたおかげでよくわかりました。輪廻転生で生まれる前に良いことをしたから現在裕福に生きていられるというのはおかしいと思いました。大体もしそうだとしたら世界は全員貧しい人か裕福な人のどちらかになってしまうのでは？先生はどうお考えですか？自分の体や地球が宇宙であると言う考えは筋が通ってていてとても面白い考えだと思いました。私めが聞き落としたのかもしれませんがbrahman=satyavacanaなのにその逆はイコールではないのですか。お怒りでなければまたお教え下さい。お願いします。それと人の魂は解脱した後天国に行ってどうなるのですか？（1年男子）
（聖闘士星矢の話題は昨年も出ましたので，そちらのページをご覧下さい．
　「brahman は satyavacana だが，satyavacana は brahman だけではない」ということです．式で書くと，上の式は成立しても下の式は成立しないのです．
　brahman → satyavacana
　satyavacana → brahman
　解脱した人は天国に行きません．天国は輪廻する世界の一環です．解脱した人がどこに行くのか? それはおそらく自分が解脱してみないと分からないことでしょう．所詮形而上学です）

「梵我一如」と言う言葉は知っていても、意味がよくわからなかったのですが、今日の授業を聞いてやっと分かりました。私は宗教に興味があるので次回の仏教についての授業が楽しみです。この授業では神話の紹介はされないのですか？
トンビアタック読みました。友達も萩で鳶に襲われたと言っていたので、萩の鳶には要注意ですね！（2年女子）
（神話はいずれ紹介します．お友だちは大丈夫でしたか?）

釈尊も satya を実行していたとは知らなかった。また satya の力の凄さを感じた。唯物論的考えにも長い歴史があるのであろうかと思った。以前心臓しか機能していない人（リンカイ事故で被爆され亡くなられた方）がどのように治療されたのかという番組をテレビで見た。私には、肉の塊をいかに腐らせないで保存しようかというようにしか見えなかった。唯物論の話を聞いてまさに現代の医学もそうなのでは、と思わずにはいられなかった。それから反ヴェーダとヴェーダが対立する中、一歩退いてこの動きを見据えることのできた釈尊はやはり凄い人間だと思う。次週の仏教の講義を早く聴きたい。　（3年女子）
（敢えて全てとは言いませんが，一部の医者は人間を「ひと」とは思っていません．そうでないから無意味な延命治療をしたりクローンを造ろうなどと思い上がってしまうのだと思います）

今日の授業は難しかったです。私にとってはあまり親しみのわかない言葉が多かったので、あまり理解することができませんでした。もう一度今日のところの復習みたいなんのをやってもらえるとうれしいです！でも、satya の意味のところは、少し興味をもつことができておもしろかったです☆（1年女子）
（授業進度の関係もあり，何度も同じ説明を繰り返すことは残念ながらできません．これまでやった範囲では，最低限 satya については理解して下さい）

yoga にもいろいろな意味があるんだと分かって驚いた。先生が言われたように、私は踊りのようなものしか想像できなかったので新しい知識です！それから、yoga って解脱のためにすることだったということも初めて知りました。最近の授業では、私達が聞いたことのある言葉がたくさん登場してきて、興味深いです。でも私達が考えているよりずっとずっと深い意味を持っているし、インドではすごく重んじられている言葉なので本物＆本場の奥深さにいつも翻弄されてしまいます。（1年女子）
（日本語にはインド由来のものが結構あることが分かってきたでしょう?）

yoga にあれだけの意味があることに驚きました。(yoga と言えば変な体操してる姿しか思いつかなかったので･･･) yoga をして梵我一如を体得すると言う解脱するための過程に解脱の重みを感じました。インドの人々は考えがとても深いと思いました。ひとつ疑問に思ったのですが、祭りのときブラフマン祭官が Atharva-Veda を読みながらo.m と唱えるとはどのようにするのですか。（1年女子）
（Atharvaveda を伝承するブラフマン祭官は，祭式の場の中央にあって総監しながら一歩も動かず「オーン」と唱え続けるのです）

カルマンってカーメンに繋がりますか??（1年女子）
（カーメンって何ですか?）

高校の「倫理」で梵我一如、言葉は知っていても何故そう考えるのに至ったは説明がなかったので今日の授業でやっとわかりました。
輪廻転生で動物にも生まれ変わるみたいですが、動物内でのランク付けはありますか？
蛇足ですが、私もFF好きなのでシヴァは女と思ってました…。（1年女子）
（明確なランク付けはないですが，蛇や牛は崇められる存在なので，他の動物よりは上と考えられていた可能性もあります．FF 楽しいですよね）

輪廻転生の思想を生んだものが、ウパニシャッドであったとは知りませんでした。バラモン教の輪廻と解脱が、どのように因果応報の思想として仏教に取り入れられていったのか、来週の講義が待ち遠しいです。（「諸行無常」「生老病死」「サンスカーラ」などについても、自分の中で新しい発見があると思います.)バラモンとシャモンの形而上学論争において、客観的立場から見ていた釈尊は、どのようにして仏教を生み出したのか、大変興味深いです。反バラモン、反 Veda の立場からでは、この教えを取り込む事はできないでしょう。(それとも釈尊入滅後、弟子が取り入れたのかもしれないですね。)たしかにバラモンとシャモンの論争自体からは「苦からの解放」という宗教の根本原理を満たすことができません。しかし「輪廻からの解脱は、これ（苦からの解放）を可能にする」と釈尊が考えてもおかしくはないと思います.こういった宗教の分化や深化(進化でもよいかもしれませんが）は、多神教ならではでおもしろいです。しかし、１つわからない事があります。ウパニシャッドの教え（ここでは輪廻と解脱)は奥義書であり、バラモンの師匠と弟子の間でのみ伝えられてきたものであったはずです。その閉鎖的なものがなぜ、論争を引き起こすまでに一般化したのか？ということです。シャモンも元はバラモンであり「バラモン間で起こった論争」というならわかります。しかし、釈尊はクシャトリアであったはずです。それともウパニシャッドの奥義性というのは、その教え方の形態のことを指しているのでしょうか？ご解答よろしくお願いします。それでは次の講義も楽しみにしております。（1年男子）
（Veda の学習は上位 3 ヴァルナに認められていました．王族も Veda を学ぶことができたのです．もちろん，祭官の職に就けるのはバラモンだけです）

毎回毎回私の頭の中にある日本人としての感覚を打ち砕かれていく気がします(笑)！（1年女子）
（それは何より (^^) ）

地球上に存在している生き物やものはすべてなんらかの形で繋がっているとよく言われますが、今回の brahman ⇔ aatman の関係を聞いて改めてそれは本当（根拠のあること）だったんだなと思いました。一つ疑問に思ったこととして、釈尊はなぜバラモンとは違う思想を持つことができたのですか？なんらかのお告げでもあったのでしょうか？（1年女子）
（宗教というとお告げが連想されてしまうあたり，あなたの宗教感覚が垣間見られます．この講義でしっかり勉強して下さい）

梵我一如の体得で、yoga にいろんな意味があることが分かって驚きでした。でも、yoga ＜ yuj とノートに書いてしまっているだけで、yuj の意味がわかりませんでした。何ですか…？それと六人の沙門と釈尊とバラモンの関係がどうなっていったのか知りたいです。（1年女子）
（yuj は「繋ぎ止める」という意味です）

yoga は健康法の一つと言うイメージでしたが、「結びつける」という意味を持ち、さまざまな行為を指すことに驚きました。また今まで仏教＝ガウタマ・シッダールタ、という知識しかなかった私にとって、反バラモンの釈尊という立場であったことを初めて知りました。
輪廻という考え方はKarmanによって決まるとは思いませんが、その考え方は面白いと思いました。（1年女子）
（繰り返し説明します．釈尊はバラモンでも反バラモンでもありません．「輪廻という考え方はKarmanによって決まるとは思いません」とのことですが，では何によって決定されると思いますか? 輪廻の輪を回す原動力は何だとお考えですか?）

どうして梵我一如を体得すれば解脱できるのでしょうか？すみません、ちゃんと授業を聞いていたはずなんですが、わからなくなってしまいました。
　それから、解脱しようとする人は、どうして輪廻から抜け出したいと思うのですか？来世は自分の業によって決まるのだから、いい行いを心がけていれば輪廻の流れの中にあっても問題はないとは思わないのでしょうか？（1年女子）
（「正しい智の獲得」＝「対象と一体となること」という発想があったからです．
　輪廻している限り，どんなにその人生が楽しくてもいつか終わる．決して終わりの来ない寂静な状態が輪廻を脱した解脱であると言われています．でも実際には「寂静より，終わりがあっても楽しい方がいい」と考えるインド人が多いです）

沙門は日本の思想家たちみたいに、バラモンによって罰せられることはなかったのですか？あと、沙門はバラモンを信じている人に比べて、生活する上で不便なことはなかったのですか？（1年女子）
（社会構造が変化しつつあったので大丈夫だったのです）

今回は先生が黒板に、絵つきで解説してくださったのでおもしろかったです。でも、ブラフマン祭官をかこんで、o.m をとなえるという絵で、アタルヴァヴェーダから矢印がでていたのはどういうことですか？（1年女子）
（出ていましたか? 言いたかったことは，ブラフマン祭官がアタルヴァヴェーダを伝承しているということなんです）

輪廻思想の仕組みを詳しく聞いたのは初めてでした。死への恐怖感を無くしたり希望を与えてくれるものとしては、たいへん評価できる思想だと思いましたが、それがカーストの身分制度の都合のいい言い訳に使われたのは悲しいことですね。今のインド社会にもまだ根強く残っているから、余計にそうおもいます。（1年女子）
（カースト制度を我々の尺度だけから云々するのは正当ではありません．講義でも説明する予定です）

今回の講義で、自分の周りにインドから伝わってきた考え方があることに気がつきました。
　バラモンは代々受け継がれていくものなんですか？それとも、自分がバラモンになりたいと思ったらバラモンになれるのでしょうか？
　授業とは関係の無い内容ですが、文化人類学でやった"ダウリ殺人"いうものが、インドにあったということに驚いています。（1年女子）
（ダウリーとは持参金のこと．これが少ないと嫁ぎ先でいびられて，それが原因で自殺する女性も少なくありません．ヴァルナ・ジャーティ制度においてはバラモンは世襲制です）

バラモンの人達は brahman を使えるのは自分たちだけだとか考えていたようですけど自意識過剰だったんですか？バラモンは今でも存在しているんですか？（1年女子）
（「みんな平等」の社会から一歩抜け出してバラモンが上に行ったわけではないので，「自意識過剰」ということばが相応しいとは思いません．バラモンは今でも存在します）

今回の授業でますますインドが好きになりました。梵我一如の考え方や、輪廻の死生観はとても好きです。特に人は生まれては死に死んでは生まれ変わっているという輪廻の考え方は神秘的で、死に別れても再会の希望を持てるような思想だなぁと思いました（おそらくインドではそんな解釈はしないのでしょうが・・・？）人間の為した行為で来世の生き方、運命が変わると思うとなんだか私も身がひきしまる思いがしました。yoga の語源を知れたのも面白いでした。インドは深い！神秘的!! 私にとってはまだまだ未知の世界です。もっと知りたい！！！次回が楽しみです！（1年女子）
（輪廻をそのようにプラスに捉えることができれば素敵だと思います）

だんだん授業の内容が濃くなってきて、難しいけど楽しいです！ yoga には沢山の意味があって、しかもインドから来たものと知ってびっくりしました。私はてっきり中国から伝わったのかと・・。　ところで、私のおばさんは輪廻で生まれ変わっていくその最後が人間なんだといってたような気がするのですが、どうなんでしょうか？？（1年女子）
（「だからこそ自分の人生をしっかり生きなければいけない」という意味でなら，その通りだと思いますよ (^^) ）

アクロバティックな yoga はいつ頃生まれたんですか．インド生まれなんですか。（1年女子）
（アクロバティックなハタ・ヨーガは 13世紀頃インドで生まれました）

この授業で一番面白かったのは、マクロなものとミクロなものには対応関係がある。だから、宇宙の根本原理である brahman と個人の原理である aatman の間にも対応関係があるという話でした。最初太陽がでたら明るくなる、そして目を開くと明るくなる。だからこの二つは対応しているというたとえ聞いたとき、ちょっと無理があるだろうと思いましたが、講義を聴いているうちにだんだん納得していきました。これから、この授業のなかで更に理解を深めたいと思います。（3年男子）
（深めて下さい）

Web 上のアジア文化論研究室の、アンケートとそれに対する回答がのせられているﾍﾟｰｼﾞをよく見るようになりました。結構こまかい質問にも先生が答えてくださるようなので、どんどん質問したいと思います。
今回の授業では、資料として見た男の人の写真が印象的でした。肌が青白く、目が殺気だって(？)いて、何か人間離れしているような感じでした。（1年女子）
（どんどん質問して下さい．でも余りに変な質問はご勘弁を (^o^; ）

【総評】バラモン対反バラモンという，形而上学対形而上学の対決．そのとき一人の青年が全く異るものの見方を提唱しました．次回はいよいよ仏教です．（鈴木隆泰）

アジア文化論 I

アジア文化論研究室

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