7/13 アンケート12号の評価
アンケート12号(総数 145)の結果をお知らせします.「自分の意見が載っている,載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や回答内容の質には全く関係ありません.
複数の同一回答は,原則的に最初に目についたもののみを採用しました.
原文の一部を修正したものがあります.
男子・女子の区別は氏名に基づく判断です.もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい.
今回は映画『ガーンディー』の二回目でした.
- 7/19(木)12:50 からの講演会参加を出席の代わりにするとのことですが,その日のその時間は英会話のテストです.以前の講演会の時もそうでしたが,英会話は絶対欠席できない授業の一つです.できればそういった点も考慮して評価してほしいです(2年女子)(あなたは大きな勘違いをしています.まず,「以前の講演会」などというものは存在しません.講演会参加を出席代わりにするのは今回が最初で最後です.しかも,「もし抜けられない授業があって講演会に参加できないのであれば,その授業に出ていた旨を書いてくれれば出席扱いとする」とすでに皆さんに(もちろんあなたにも)お伝えしてありますし,今日配付したアンケート用紙にもそのように書くようにと注記してあるでしょう?)
- ガーンディーは徹底した人だと感じました.「非暴力,不服従,非協力」,satya = 自分の言ったことばを真実にする,そのままを生きた人だと思います.特に,市民が警官を殺したとき,「テロがなくなるまで断食する」と宣言し,そのことば通りに行動していて,静かな感動を覚えました.私も satyaagraha できるよう,努力したいと思います(3年女子)(素晴らしい!!)
- ガーンディーの運動がどのようなものであったかを知り,その姿勢に感動した.ただ単に感動というだけではなく,自分にできることは何かなど,そういうことを考えてみようと思った(2年男子) (^^)
- 「我々が手を出せば我々が野蛮人.彼らの殴打に耐えれば彼らが野蛮人だ.」いいことばですね(2年男子)(ムスリムたちにもガーンディーの精神が伝わっていたことがよく分かる場面でした.もっとも,その直後に悲劇が訪れるわけですが...)
- ガーンディーの行動にインド人は従ってきた.大量虐殺があったとしても,辛い目にあったとしても,皆一つになって行動した.カーンディーが「いつの時代も真実 satya と愛が勝利を得てきた」と語ったが,人間本来の願望がここで浮き彫りになっている(1年女子)(「人間の歩むべき道」という感じがします)
- 映画中に出てくる殺戮シーンは悲惨そのものである.見ていて心の痛まない者はいないであろう.しかし,ガーンディーの感情が表出されているかというとそうでもない.あくまで静かなガーンディーである.その分,映画を観る者は冷静に事実を受け入れられるのではないだろうか.感覚で観るというより頭で考える映画だと思った(4年女子)(鋭いなぁ)
- 人々が怒りに耐えきれず,暴動を起こしてしまうような状況下でも,非暴力を説き続けそのことばを真実 satya にし続けたガーンディーの精神力と意志の強さは本当に凄いと思う.断食をして暴動を本当に止めてしまったことなどを見ても,やはり彼の言動と satya とは切っても切れない深い関係にあるのだと改めて感じた.大虐殺が行われた場所に立ちすくんでいたガーンディーに気持ちを聞いてみたいと思った.きっと,怒りの気持ちだけではなく,もっと複雑な思いがあったのではないだろうか(1年女子)(その「複雑な思い」を是非とも推察してみて下さい)
- インド人もイギリス人も,それぞれの正義を貫こうとしている姿を見ると,お互いに理解し合うことの難しさを感じます(2年女子)(自分の価値観だけを押しつける態度(カルト・原理主義にありがち)では,人間の相互理解など不可能です.交渉・妥協をねばり強く続けていくことが肝要です)
- ことばを真実 satya にするということは,人々にものすごい影響と力を与えると思った.「非暴力・不服従」は一見すると弱い態度に思えたが,本当は,暴力や単なる服従よりもはるかに強いものなのだと感じた(1年女子)(本当の強さには本当の勇気が必要なのでしょう.難しいことです)
- 塩の行進の最中に,人々が物を投げかけていましたが,これは歓迎のためなのでしょうか,それともヤジなのでしょうか? (2年男子)(聖者に供養をしているのです)
- 塩の行進の列がどんどん大きくなっていったのが印象的だった.英国側もまさかあそこまでになるとは思っていなかっただろう.あと,ガーンディーと奥さんが結婚したときの想い出話が美しかった(1年女子)(本当に美しい話ですね)
- 何度失敗してもあきらめずに,独立の信念を貫き通すガーンディーの姿は本当に凄い.独立にはまだ準備不足だとガーンディーは言っていたが,何がまだ足らなかったのかを少し考えてみたい(1年女子)(よい感じです)
- たった一人の男が(もちろん支えてくれた人はいっぱいるが),イギリス相手にあれほど大勢のインド人を動かしてしまうとは,さすが有言実行 satyavacana! 恐るべし satyaagraha!! (1年女子)(座布団三枚!!)
- 「非暴力・不服従」というのは生半可なものではない.暴動が起こったとき,皆が暴動をやめるまで断食を行うと決めて,それを最後まで守り真実のことば satyavacana にした.少しずつですが,さすがに satya の意味が理解できてきました(1年女子)(私も嬉しいです)
- 暴動が収まるまで断食をするとして断食をしたり,真実 satya と愛が最後には勝つのだという自らの信念を曲げずに運動を続けていく.そのようなガーンディーを中心として民衆が,そしてインド全体が動く.鳥肌が立つ思いだ(1年女子)(チキン肌が立ちましたか!)
- ガーンディーの,ムスリムでもヒンドゥー教徒でも神に祈れるのならそれでいいというセリフに彼の原点を見たような気がしました.ガーンディーと奥さんの結婚式の再現が美しかったです(4年女子)(正確には,「この近所の寺院ではクルアーンもギーターも詠唱している」という脈絡で使われていました.もっとも,その行為をガーンディー自身が肯定していると考えて良いわけですから,結局はあなたの思った通りでよいと思います.おそらく彼の神が「真実 satya」だったからあのような考えを抱くことができたのでしょう.それが原理主義者には理解されませんでした)
- ガーンディーの求める自由は,ただ単に自分のためや自分に賛同する人々のためだけではない.殺された警官やその遺族のことまで考えていることからも,「人間の本当の意味での自由」を求めているのだと思う(2年女子)(よしよし (^^))
- インド全体が動き出し,バスや政府機関などが止まっても牢獄は働きを失っておらず,そこでもインド人が働いていた.しかもインド人の警官が暴力を振るい,ガーンディーを捕まえていた(2年男子)(最終回で見る部分に,ガーンディーが「悪魔はわれわれの心の中にある」と語るシーンがあります.お互いその意味を考えてみましょう)
- 国は国民が作るものだという強いメッセージを受けた(1年女子)(国の動向も,結局はその国の国民の意識如何によるのだと思います)
- 恨みは新たな恨みを,暴力は新たな暴力を生み,憎しみは限り無く続く.暴力が止まない限りは.確かにガーンディーは「究極の良心」かも知れない.しかし,今の自分にそれが実践できるかと問えば多分無理だろう.彼と今の自分を比較すればするほど,自分が醜くて汚い人間に思えてくる.いや,自分だけではない.今の世界に,彼ほどの良心を持ちうる人間が果たして存在するのだろうか? この映画を見て,感動というよりむしろ,現在の人間,そして自分に対するネガティヴなイメージを受けてしまった(1年男子)(比較してはダメ.それでは sa.mskaara の世界に陥ってしまう.できることからでいいんだ!)
- かなり感動的です.生きている間に,この人になら命を捧げてもいいと思えるような人物に出会えるというのは希有なことです.ことばを真実 satya にしようと働きかける姿勢なしに,ガーンディーの思想・行動は理解し得ないと思いました(1年女子)(そのとーりっ!!)
- 「怒りに耐える勇気を持たなければならない」 ガーンディーの行動が人々の心を変える.頑ななまでも強い信念.ずっと泣きそうになっていました(2年女子)(感動が共有できて嬉しいです)
【総評】講演会(7/19)を一回挟み,次回(7/27)はいよいよ最終回です.ハンカチを用意しておきましょう(鈴木隆泰)
suzuki AT ypu.jp