6/8 アンケート8号の評価
アンケート8号(総数 135)の結果をお知らせします.「自分の意見が載っている,載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や回答内容の質には全く関係ありません.
複数の同一回答は,原則的に最初に目についたもののみを採用しました.
原文の一部を修正したものがあります.
男子・女子の区別は氏名に基づく判断です.もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい.
今回と次回はヒンドゥー教を扱います.
- 今までの知識としては,ただ単にヒンドゥー教はヒンドゥー教という知識しかなかった.しかし今日の講義で,ヒンドゥー教は見方・視点によって広義と狭義に分類され,また,それぞれがそれなりの深い意味を持っていることを知った.それから,今日は化身についても深く追求していったが,それも結構複雑で,ブッダがヴィシュヌの化身の一つとなっていると聞いて,より一層驚いた.考え方が変わりそうである(1年女子)(大いに変えて下さい)
- ブラフマーはなぜあまり人気がなかったのでしょうか(3年女子)(バラモンプロパーの哲学原理を起源としており,土着の信仰との結び付きが薄かったからと考えられます)
- 宗教とは排他的なものかと思っていましたが,ヒンドゥー教のようにいろいろな要素を取り込んでいくものもあると知った(2年女子)(宗教と一言に言っても,その姿は本当に多様です)
- ヴィシュヌ派の人々が土着の信仰を取り込むため,「化身・権化」という考えを使ったことに驚嘆した.思想の違う仏教まで取り込もうとしたことにも驚かされた.この方法は平和的なものだと感じた(1年女子)(もともとヒンドゥーとイスラームも仲が悪くはなかったのです.イギリス植民地支配の傷痕は深いです)
- バラモン側に「あんたのところ○○神はうちのヴィシュヌの化身なんだよ」と言われた人々の中に,「いいや,あんたのところのヴィシュヌこそがうちの○○神の化身だ」と反論した人はいなかったのだろうか? いたとしてもヴィシュヌ派が多くて吸収されるしかなかったのならともかく,「ああ,そうか.ならヴィシュヌを信仰しよう」って素直に...あ.そうか.だからヴィシュヌよりクリシュナが人気なのか.取りあえず自己解決.そうだよ.うん.(1年女子)(^^)
- 多くの矛盾や重なりを持つ宗教が現在に伝わるまでの過程を知ることができて,今日の講義はとても興味深いものだった(1年女子)(「変遷過程を伝えること」がこの講義の一貫したテーマです)
- 先週からの先生の授業の進め方が,わかりやすくて好きです(2年女子)(ばしばし板書した方がよい,ということでしょうか)
- インドの女神像はなぜそんなに青白いのですか?(2年女子)(たしかにカーリーは青っぽいですけど,ラクシュミーやパールヴァティーやドゥルガーはそうではありませんよ.ん?? 次のコメント参照)
- クリシュナって男性? 女性? (1年女子)(おりょ?! 何か基本的なところで誤解があるような... 絵を使って説明したように,今回扱った神さまの中で,神妃以外は全部男性神です)
- インドのバイブル『ギーター』は何語で書かれているのですか(2年女子)(原文はサンスクリットですが,ヒンディーを含め各国語に翻訳されています)
- 韓国語の李先生とバンドを組まれるなら,打楽器担当は私に任せて下さい.何でもできます(1年女子)(だんだん話が具体的になってきたような.その節は炸裂しましょう)
- 釈尊(仏教)まで取り込んでしまうなんて,恐るべしヴィシュヌ!! ヒンドゥー教は面白い宗教ですね.皆信仰が篤いし,一見厳しそうに見えても実は何でも取り込んでしまう,とっても寛大な宗教だったのですね(1年女子)(原理主義以外のヒンドゥー教は,とっても寛大です)
- 自分もインドに生まれていたら,神への献身を第一に考えて生活するのかと思いました(2年女子)(「ヒンドゥーとして生まれ,ヒンドゥーとして死んでいく」のであれば,そのような生き方になっていたかも知れません)
- おでこにある印はなんですか? インドの人もおでこに“ちょんちょん”をつけてますが(2年女子)(ティラクと言って,神さまの印章の一つです.信者も同じものをつけます)
- ヴィシュヌのやり方はきたないのに,どうしてみんな彼が好きなのだろうかと思った.特にブッダが化身の中に入っていると知って「うそつき.このやろー」と思った.彼のやり方はすごい.宗教はこわい(1年女子)(ヴィシュヌ派の仏教取り込み策は成功したとは言えません.きっと他にも取り込みに失敗した例が,歴史の表面からは埋もれていても,かなりたくさんあるはずです)
- ビートルズの「Across the Universe」の「Jai Guru Deva Om」ってどういう意味なのですか? (1年男子)(一般的には「尊師である神に幸あれ.オーム」のような意味です)
- インドの宗教は全て階級を気にすると思っていたが,仏教以外にも平等なものがあったんだなぁ.バラモンも,自らの教義と反するものを取り込むとは.インドの宗教って柔軟だ(1年男子)(神の前では平等であっても,社会における平等はなくなりません.そこがヒンドゥーの特徴であるし限界であるとも言えます)
- 神の存在が信者たちの信仰立場によっていいように解釈されているのに少し驚いた.人気のあるなしにより立場が逆転してしまうというのは,いかにも人間が都合のいいように生み出した神なのだと思った(2年男子)(これは別にヒンドゥー教に限ったことではありません.前回話した「なぜ人間に宗教が必要なのか」を思い出してみて下さい)
【総評】来週はシヴァと二大叙事詩をやります(鈴木隆泰)
suzuki AT ypu.jp