6/15 アンケート9号の評価
アンケート9号(総数 135)の結果をお知らせします.「自分の意見が載っている,載っていない」「教員のコメントの内容」などは成績評価や回答内容の質には全く関係ありません.
複数の同一回答は,原則的に最初に目についたもののみを採用しました.
原文の一部を修正したものがあります.
男子・女子の区別は氏名に基づく判断です.もし間違っていたら遠慮なく申し出て下さい.
今日はシヴァ神と二大叙事詩をやりました.特に『ラーマーヤナ』は紙芝居風にやってみたので,理解の深まった方が結構多かったようです.
- 『ラーマーヤナ』がすごく面白かった.私もやっぱり6巻までしか読みたくないと思う.7巻の内容は夢がない(1年女子)(7巻は夢もなく韻律もぼろぼろで,インドにおいても好まれていません.ラーマをヴィシュヌの化身として取り込んだため,それに辻褄を合わせようとした駄作です)
- 先生の『ラーマーヤナ』の説明,分かりやすくて楽しかったです.ハッピーエンドが好まれるのは,どの時代でもどこの国でも共通なんですね.ハヌマーンは山の頂上ごと持ってきたんですよね.一体どれだけ力持ちなんだ!? (1年女子)(気は優しくて力持ち.ちなみに,ハヌマーン・ラングールという猿の名は,このハヌマーンに由来しています)
- 絵や写真など,ヴィジュアル資料を見ながらの授業は楽しい(1年女子)(哲学っぽいのも好きでしょう?)
- 今日は『ラーマーヤナ』の話の内容が聞けてすごく面白かったです.いろいろな登場人物が出てきたけど,初めに登場人物の説明があったので分かりやすかった.シヴァはいつも頭からガンジス河が噴き出しているので,とても面白いと思いました.何か本を見て,頭から水が噴き出していたら,それはシヴァだとすぐ分かると思いました(1年女子)(彼の「水芸」は超一級です :-))
- 今日は絵がかなり笑えました.あの水を噴いている絵がクローズアップされたときには涙がちょちょぎれました.ドゥルガーもカーリーも凄いですね.あと,『ラーマーヤナ』のお話しがとても魅力的でした.面白かったです.シーターは美しい!! (1年女子)(ちょちょぎれましたか (^o^))
- 一言で,今日の講義は楽しく聴けました.中でもカーリーの変化していく姿が印象的でした.また,『ラーマーヤナ』にも興味がそそられました.だけど一つ気になった点があります.ラーヴァナはどんな方法を使ってシーターを誘拐したのですか? もっとたくさんの本を読んで勉強したいと思います.今『リグ・ヴェーダ』を読んでいます!!(1年女子)(おお!! 『リグ・ヴェーダ』を読んでいるのですか!! 猛烈感動です! この講義やってて良かった!! (;o;) ところで,ラーヴァナがシーターを誘拐した方法ですが,まず,ラーヴァナの命を受けたマーリーチャという羅刹が鹿に化けて,ラーマ,シーター,ラクシュマナの前に現れます.シーターはその鹿を捕まえてとラーマに頼み,ラーマは鹿を追いかけていきます.ラーマに射られた鹿は,ラーマの声で断末魔の叫びを上げます.それを聞いたラクシュマナは「ラーマに何かあったに違いない」と思い,シーターを一人残してラーマの後を追います.そして,一人残されたシーターのもとにラーヴァナが現れたのです)
- 古い昔にこんな痛快アクション系冒険物語があったなんて,インドは奥が深いとあらためて思った(2年女子)(なるほど,言われてみれば「痛快アクション系冒険物語」ですね.これから使わせてもらいます)
- 日本のアニメはインドから多大な影響を受けていると感じた(1年男子)(「民族を超えた共通の歴史」なんて呼んでもいいかも知れませんね)
- 現在の漫画やゲームは,『ラーマーヤナ』を基にしているのではないかと思いました(1年女子)(製作者が意識している・していないに関わりなく,現代 RPG の基礎になっているのは確かだと思います)
- 『ラーマーヤナ』の話を聞いて最初は,よくあるパターンでしょうもないなと思っていましたが,よく考えると,今まで僕の知っていた話の方が真似をしているのであって,『ラーマーヤナ』が真似をしているのではないことに気づきました.この話を作った人たちはすごいです(1年男子)(そう,すごいんです.伝統の力です)
- 『ラーマーヤナ』の「ヤナ」はどういう意味なのでしょう? (1年女子)(「ラーマーヤナ」は,サンスクリットの文法規則によって「ラーマ」から派生した単語で,意味は「ラーマに関すること」です)
- 『マハーバーラタ』の完訳はあるのでしょうか? (1年女子)(和訳については,東京大学東洋文化研究所の上村勝彦先生が準備されつつあります.いずれ公刊されると思います)
- 『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』は最初は何文字で書かれていたのですか? (1年女子)(最初は口伝です)
- 山口の駅前に,インドの方が経営している“シヴァ”というカレー屋さんがあります.その意味がやっと分かりました.とってもおいしいカレー屋さんです(1年女子)(ご紹介ありがとう.是非行ってみます)
- 先生がいつも使っていらっしゃる本の絵は,本当にインドに伝わる絵なのですか? それとのただの挿絵として描かれたものなのですか? (1年女子)(インドに伝わる絵です.もっとも,その歴史はそれほど古くはなく,19c-20c のヴァルマーが現在のインド大衆宗教画の基礎を築きました)
- 『ラーマーヤナ』の中では“無責任なおじいさん”として登場するブラフマーですが,「宇宙の創造を担う神さまなのになぁ」と思いました.ヴィシュヌとシヴァに人気を取られてしまっているのも納得です(1年女子)(『ラーマーヤナ』中の彼は,バイオハザードのブラッドのようです)
- シヴァ神の持ち物はなんですか? (1年女子)(三叉の武器と太鼓が基本です)
- シヴァ神のポスターが欲しいんですが,どこかで売っているところはありませんか? (1年男子)(東京のナガラ図書なら扱っています.カレンダーをもらったことがありますから.連絡先をお知らせしておきます)
ナガラ図書株式会社
〒113-0033 東京都文京区本郷4-37-13
Tel: (03)-3812-6679 / Fax: (03)-3812-6619
E-mail: nagara-books@hi-ho.ne.jp
- 日本のどこの地方か忘れましたが,男性器を祀ってある神社があるのですが,それはリンガ崇拝と関係はあるのですか? (2年女子)(性器崇拝は世界中に見られる信仰形態で,特に日本のものがリンガ崇拝と直接関係しているわけではありません)
- 現代のように男女平等の考え方がほとんど広がっておらず,むしろ男性の方が強いと一般的に考えられていた時代に,「神も男女一対ではじめて完全となる」という考えが出てきたということは,とてもすごいことだと感じました(1年女子)(婿選びの儀式スヴァヤンヴァラがあるなど,古代インドの女性の地位は意外に低くはなかったのです)
- 「神も男女一対ではじめて完全になる」というのは,日本の神話のイザナギとイザナミの話と少し似ているなと思った.世界中に性器信仰があるのと同様に,男女で完全になるという考えも世界中にあるのだと思いました(2年女子)(男女差別も,性へのタブーもない,おおらかな世界です)
- 今まではシヴァ神のファンだったけど,そのシヴァを尻に敷いてしまいそうなほどのシヴァ神妃もなかなか好きになりました(1年女子)(そうそう.とっても魅力的でしょう?)
- カーリーは何をそんなに怒っているのでしょうか.夫の浮気で怒り MAX になっているのでしょうか(1年女子)(そうではありません.アスラと戦ううちにドゥルガーの怒りが MAX になり,額からカーリーが出現したのです)
- カーリーの残酷な絵がとても気持ち悪かった... 人々が女性を神とするのは「優しさ」を求めているからだと思うが,残酷な面をあらわにしているのは,インド人に受け入れられているのだろうか? (1年女子)(受け入れられています.人々(特に男性)が女性を神とするのは,「優しさ」だけでなく「強さ」を求めている面もあると思います.女性は強いですからね.私もインドの女神の中ではカーリーが一番好きです)
- カーリーは怖いです...女性を怒らせるとだめですね...『ラーマーヤナ』の話は勧善懲悪のストーリーが分かりやすくて面白かった.やっぱり satya につながっているんですね(1年男子)(そうそう,つながっているんです.それから,女性を怒らせるとだめというのも本当です)
- 『ラーマーヤナ』のお話しが面白かった.ことばの力,satya の力は凄いんだなと改めて思った.あと,「神も男女一対ではじめて完全になる」ということばが印象的だった(1年女子)(satya に気づいてくれた方が結構いますね.嬉しいです)
- 『ラーマーヤナ』は名前は知っていたけど内容は知らなかったので面白かった.キーポイントは satya なんだなぁと思った.言ったことを本当にしなくてはならないのなら,私は何度死んでいることだろう...(^_^; (2年女子)(「わかっちゃいるけどやめられない」のが人間かも)
- シヴァ神妃がカーリーになるところが面白かった.『ラーマーヤナ』で,ハヌマーンが山の頂上ごと持ってくるというのも面白かった.最後シーターが火に飛び込んでも何ともない,これが satya なんだ,というのが自分の中でつながった.納得(1年女子)(よしよし (^^))
【総評】『ラーマーヤナ』は楽しかったですね.私も大好きな作品です.次回は一気に近代までやりますよ(鈴木隆泰)
suzuki AT ypu.jp